映画「ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー」
highschool musical 3: 2008年 アメリカ 09年1月公開 劇場鑑賞 |
割と自分の中では優先順位低めだったのですが、前2作とも観ていたこともあって、招待券を持っているという友人に誘われて観に行ってきました。いやはや、中高生への人気、半端ないですね。映画館が各回とも満席とは・・・。
イースト高校に通うトロイとガブリエラたちは高校3年になり、卒業を間近に控え、プロムや卒業アルバムの話題で盛り上がり、バスケ部長として大活躍だったトロイのもとには地元の大学からバスケ推薦の話がきて、成績優秀なガブリエラはスタンフォードの法学部など、皆の卒業後の進路も決まりつつあった。
卒業式を前に、「3年生の思い出」をテーマにミュージカル公演をすることになったのだが、今回の公演には名門ジュリアード音楽院のスカウトマンがきて、4人の候補者の中から、1人が推薦で音楽院への入学が決められることに。
そして候補者の中には学内のミュージカル公演に熱を入れてきたシャーペイ&ライアン姉弟や、作曲少女ケルシーらと並び、トロイの名前が。周囲の期待通りに地元大へバスケ推薦で入るかどうか、他の大学からのバスケ推薦の話もあり、トロイは進路に悩むのだが・・・。
いやはや、とにかく若かったです。客層も映画も。そしてとにかく全てがコテコテな映画。
ディズニー&ミュージカルファンなこともあって書き始めたら記事が長くなってしまったんですが、気にしないで下さい。
悪い作品じゃないんですが、1>2>3とせっかくの映画なのに今回が一番ものたりなかったように思います。
ただ、とっても良かったのは、舞台ミュージカルのシーンがかなりちゃんと作られた舞台で、しかも劇中劇として何度も出てくること。でも、これ、ミュージカル好きじゃないと、ちょっと好き嫌い別れそうです。
そんな点を含めて、以下どうぞ。
■音楽の話
あいかわらずこのシリーズはミュージカル映画なのに、どの曲も同じに聞こえてしまって(自分がオッサンになったから?)、楽曲の魅力はないんですが、最後のミュージカルシーン、「3年生の思い出」じゃなくて、「3年間の思い出」にして、前作までに登場した人気の曲を改めて映画館の大スクリーンと音響で楽しませてくれるっていうサービスがあっても良かったんじゃないかなと思います。
上述してますが、音楽シーン、舞台演出仕様になってるのが結構楽しめました♪
いきなり真面目なミュージカルは敷居が高いと判断したのか、実は第1作目には肝心のミュージカル本番シーンなかったもんね。ファンがしっかりとついた第3作目ということもあって、かなり力が入ってたように思います。
一方で、あのラストの「ハイスクールミュージカルのテーマ」みたいな曲は一体・・・。これまであんな曲なかったのに、せっかくの映画化のラストをあんなテレビっぽさ溢れるコテコテなテーマソングでしめたことに驚いてしまいました。
ちょっと面白かった場面は、オレはまだ子供だぜ!と堂々と歌うナンバー。この曲に至る伏線は序盤に出てきていたけれど、僕は嫌いじゃないですが、一般的に考えて高校3年生にこれを歌わせるのってどうなんですか!?ま、ちょうど10年前に高3だった自分は未だに子供っぽさ全開なんですが・・・。
■ストーリーの話
このパート3、公開前からヒットが確実なのが分かっていたこともあって、全体的に手抜き感が否めないように思ってしまったんですが、ストーリーがとにかくユルい。パート2は本当に内容の無いストーリーだったけど、夏休み的な明るさとノリの良さがあったのに、今回はストーリーも中途半端だし、テンポもそんな良くないし。
結局、「自分のキャラに合わないことに興味を持ってしまった」っていうパート1のテーマを小さく繰り返しただけになってしまったんだよねぇ。その点ではパート1は結構良かったと思うんですけどねぇ。
あと、第3弾ってことで各キャラクターの個性が一人歩きしだして、収集がつかなくなったように思いました。ちなみにトロイとガブリエラはもはや単にウザイカップルなのではないかと・・・。
登場キャラとしては、第1作目からずっとケルシーとライアンのファンだったので、結構嬉しい展開でした☆この2人、シリーズ3作を通して一番成長が感じられたし。
ふと思うと、ビバヒルでもアンドレアとデビッドが一番好きだったよ・・・。なんか同系列のキャラだよね。
あとチャド君、もはや第1作と同じ子とは思えないくらいオッサンっぽくなってましたね・・・。
<ちょいネタバレなので反転>
ちょっと残念だったのは、憎まれ役のシャーペイのラスト。彼女はどこに行ってもあの調子でやっていくんだろうけど、このシリーズとにかく彼女の扱いがあまりにも悪すぎるように思ふ。
あと、第1作からずっとよき相棒だったチャド君がちょっと切なかったですね。
舞台っぽいことの経験者としては、この手の物語によくある、不参加表明しておきながら、本番にいきなり登場ってのは、あり得ない話で、本番前のリハやら練習やらを軽視しすぎですから!!と思うんですが、いかがなものでしょうか。
<終了>
■何故こんなに人気?
ディズニーブランドとしては、アニメから離れる中学生くらいの子供たちを上手いこと顧客に引き込むには持って来いのアイドル映画っていう位置づけなんでしょうね~。
このシリーズ、第1弾が、夏休みにリゾート地で出会ったあの子が転校生、という何十年前だよ!なパターンで始まったことを含め、とにかくコテコテな場面が多いんですが、もしかしたらアメリカ青春映画としては逆に斬新なのでは?という結論に。
ライバルとの対決⇒「何なのあの子!キー!悔しい!」な展開など、こういう日本の少女漫画チックなアメリカ映画って実はそんなに無いですよね。
進路の悩み、恋の悩み、まだ大人にはなりたくない思いなど、溢れんばかりの高校3年生青春ムービーで、同世代だったら色々と共感できる場面も多いんだろうなぁと思うし、超ポップな楽曲の数々も親しみやすいし、これは流行るんだろうなと思いました。
アメリカの高校生ものって、日本だと大学生くらいの感覚がするようなものが多いんですが、このシリーズは、割と日本の高校生が観ても共感できるポイントが多いんですよね。
そしてなにより、隣の席に座っていた小学生と思われる女の子が、劇中でバスケ少年が好きな子をプロムに誘う場面に、「あ!」と声をあげて、「がんばって!」と小声でささやいて祈るように両手を組んでいるのを見て、子供たちにとっては素晴らしく楽しめるエンターテイメントなんだろうな、というのを強く実感しました。
ところで、映画やドラマではすっかりおなじみのプロム。日本の中高生の大半は知らないと思うので、字幕で「プロム」と出ても、何のことやらさっぱりなんだろうなぁと。「卒業パーティー」くらいに訳した方が親切だったかもね。
そうそうテレビ版のパート2のときと同様に前作までを観ているのが前提になっていて、キャラ紹介なども特になく普通に映画が始まるんですが、原題には「3」が入ってるのに、邦題は「ザ・ムービー」なので、続き物だと知らずに観に来る人もいるのでは?とちょっと心配に。
ま、ああだこうだ書いてますが、実は観る前の期待よりははるかに楽しんで観られたので良かったです。(実は前2作はミュージカル映画ファンとしてしっかりDVDも持ってる自分・・・。)
■参考過去レビュー
過去作品。
第1作目の「stick to the status quo」という曲はこのシリーズの中で一番というか、唯一とても好きな曲です。今回の映画版、卒業スピーチでこの曲が引用されてたのがちょっと嬉しい。
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コメント
コメントありがとうございました!
私もストーリー的には3作中で一番物足りなさを感じました。
ただミュージカルらしさという点では本作が一番でしょう。
いずれにしろこのシリーズ、ミュージカルに挑む高校生たちを描くミュージカルですから、とても面白いんですよね。1作目など、ミュージカルのオーディションを受けるまでのあれこれを既にミュージカルで見せるわけですから。
こういう作品は楽しんだモン勝ちなんでしょうね。
え、ANDREさん10年前に高3ですか・・・若いっていいなあ(笑)
投稿: SOAR | 2009年2月10日 (火) 20時25分
>SOARさん
コメントどうもありがとうございます。
せっかくの映画化だったのに、
ちょっともったいない感じもする第3作目でしたね。
劇中劇ミュージカルは良かったんですが・・・。
まだまだ若輩者ですが、
アラサーな自分にも劇場の10代パワーは
眩しすぎました・・・。
投稿: ANDRE | 2009年2月12日 (木) 00時04分