「ポーの話」 いしいしんじ
ポーの話 いしいしんじ 新潮文庫 2008.9. |
積読になっている本を頑張って消化中です。いしい作品、結構好きな作品も多いのですが・・・。
うなぎ女たちの子供として生まれてきたポーは、外界との接触もほとんどないまま、泥の川の中で1日を過ごしていた。しかし、ある日、彼は「メリーゴーランド」と呼ばれる路面電車の運転士と出会い、川の外の世界へ飛び出していく。
やがて、土砂降りの雨が町を襲い、ポーは「天気売り」とともに、川を下る旅に出る・・・。
河口へ向かう旅を通して、様々な人々と出会い、成長していくポーを描く。
いしい作品の中では割と人気が高いと思われる「麦ふみクーツェ」が、なんだか退屈な印象だったんですが、この作品を読んでいて、そのときと同じ印象を受けました。
なんでだろ。割と展開はスピーディなんだけどなぁ。
ポーというキャラクターにそこまで魅力を感じられなかったのが大きいんだろうなぁと思います。500ページを越える長編で、読み終えるのにかなり時間がかかってしまいました。あと、メッセージがちょっと押し付けがましいというか。
第1部の後半のメリーゴ-ランドとのやりとりが結構好きだったんだけど、川下りを始めてからテンションが下がってしまったというか。
個性あふれる魅力的な脇役陣や、鳩レースなどのエピソードの数々も結構好きな感じなんだけどなぁ。
いろいろとちょっと残念な感じです(←この作品を楽しめなかった自分が)。
あと、「ポ」って音が共通していることもあって、読んでるときにやたらと頭の中にポニョが思い浮かんでしまいました。「うなぎ女たち」の複数人なんだけど、みんなで1人みたいな感じのところも、ポニョの妹のイメージが頭を占領してしまったり・・・。
いしいしんじの長編は、今のところ、「プラネタリウムのふたご」が一番かなぁ。
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コメント
はじめまして。
わたしもつい昨日この「ポーの話」を読み終えたのですが、
まったく似たような感想です。。
ちょっと、読むのがしんどかったです。
伝えたいことはわかるのですが…。
そして同じくポニョとかぶってかぶって!!
名前もそうですが、
純真無垢だけどゆえにおそろしい主人公、
あちらの世界とこちらの世界の橋渡し的な役割、
うなぎ女の絶対的な「母」の存在…
ポニョが波にのってそうすけに会いに来るシーンの
波のうねりとか、今思うとうなぎ女を想像させますー
初めてでべらべらとすみません!
びっくりするくらい共感してしまいました。
投稿: mayu | 2010年3月 5日 (金) 12時31分
>mayuさん
はじめまして!
コメントいただきましてどうもありがとうございます。
ご共感いただけたとのこと、
どうもありがとうございます!!
この作品は誉めている人が多いですが、
どうも自分には合わなかったんですよね。
ポニョのイメージもご共感いただけたようで嬉しいです。
自分はどこがどうポニョとつながるのか
うまくつかみきれなかったのですが、
ご指摘されてる点を見て結構納得しました。
コメント大歓迎ですので、
よろしければまたお訪ねください♪
投稿: ANDRE | 2010年3月 7日 (日) 01時26分