映画「スターダスト」
stardust イギリス・アメリカ 2007 07年10月公開 DVD劇賞 |
割と楽しみにしていたのに、映画公開直前に原作を読んで、一気に映画を観るモチベーションが下がってしまった作品。そろそろ原作の印象も薄れてきたので映画を観てみることに。
イングランドの町、ウォールはその名の通り長い壁があり、その壁の向こう側にはファンタジーの世界が広がっていた。
主人公トリスタンは、かつて父親が壁を越え、その先にあった不思議な市場で出逢った魔女の呪いにかけられている女性との間に生まれた子供。トリスタンは町一番の美女ヴィクトリアに恋をし、2人でいるときに見た流れ星を拾ってきたら自分と結婚をして欲しいと彼女に告げて旅に出る。
同じ頃、国を治める王様が亡くなり、その直前、それを拾ったものに王位を譲るとして、ルビーのペンダントを夜空に放り投げる。兄弟たちは王位継承を巡り、夜空から流れ星と共に落ちたペンダントを探す旅に出る。
さらに同じ頃、年老いた魔女3姉妹の1人、ラミアが、若さを取り戻す秘薬である流れ星を手に入れようと旅に出る。
地上に落ちて人間の姿となった流れ星のイヴェインと出逢ったトリスタンは故郷のウォールに戻ろうとするが、そんな彼らを王子達と魔女達が追いかける・・・。
これは、なんとも珍しい、原作よりも映画のほうが面白いと思える作品でした!!
原作は原作にもかかわらずノベライズ本みたいな雰囲気だった上に、エピソードが1つ1つ消化不良な感じが強かったんですが、原作の良い部分だけを見事に抽出して、テンポの良い王道ファンタジー映画を見事に作り上げていましたね~。
とにかくキャストが豪華で、、皆さん、とっても楽しそうに演じているのも気持ち良いですね~。
ストーリー、割と原作に忠実なんですが、この作品の面白さはやっぱり、流れ星を人にしてしまったこと。主人公は別に好きな女性がいるのに、流れ星の女性と一緒に旅をするというWヒロインな展開はなかなか面白いです。
そして、ライバル役が2組いるものの、どちらも愛すべき敵役なのも良い感じ。
あと、不要になったら容赦なく登場人物が殺されていく展開がやや大人向けですが、王子たちにいたってはそれがコメディのネタになっているのも面白です。
て、この辺は原作もそうなんですが、映画で観た方が楽しめたんですよねぇ。
役者でまず驚いたのはミシェル・ファイファー。「ヘア・スプレー」でも悪役を演じていましたが、魔女をここまで楽しそうに演じてくれるとは!!このくらいやってくれると、観ている側もワクワク度が俄然上がってきます。
ルパート・エヴェレット、どうしようもない役で出てましたね。本人、満足なのか!?
あと、ロバート・デニーロ!一瞬地味な役かと思わせつつ、茶目っ気たっぷりのダンスシーンで思い切り笑わせてくれました!
笑わせてくれたといえば、BBCのドラマ「The Office」の上司役でお馴染みの英国の大コメディアン、リッキー・ジャーヴェイスが最高に笑わせてくれました!「The Office」好きとしては、彼が出てくるだけで含み笑いが止まらないですよ。
クレア・デーンズは「若草物語」、「ロミオ+ジュリエット」、「レ・ミゼラブル」など文芸作品に良く出ていた頃の印象が強いのですが、大人になってましたね~。ヒロイン役はちょっときついと感じないでもないですが、この作品、全体的に出演者の平均年齢が高めだし、まぁ、ありかな。
流れ星がキラキラしちゃうのが個人的に結構ツボでした。
* * *
参考過去レビュー
ちょっと期待はずれだった原作。
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コメント
こんにちは。
この主人公が、ファンタジーのヒーローらしくないヘタレだとか、
あれこれ不評の多かった作品でしたが、わたしはすっかり楽しんだんです。
原作よりも面白い、って…よく映画化しようとしたものですね。
っていうか、原作を補って、面白いものを作ってやろうとする意欲からかしら。
ファンタジーのヒーローは、こうあるべし、というイメージよりも、
あの妙に可愛くて弱っちいトリスタンと
何故か豪華な脇役たちが楽しんでいる感じがとっても好きです。
投稿: 悠雅 | 2009年2月25日 (水) 09時41分
>悠雅さん
コメント、TBどうもありがとうございます。
原作、原作なのにノベライズ本みたいな感じで、
面白そうな要素が多いにもかかわらず、
とても軽く書かれていたんですよねぇ。
もうちょっと読みたいと思わせるエピソードも多いのに
話がどんどん先に進んでしまう感じで。
ラストの展開が原作と映画とでは異なっているんですが、
映画版はそのあたりを含めても、
僕は結構好きでした。
原作を上手いことすっきりとまとめていて、
豪華キャスト陣が皆楽しそうに演じているのも嬉しくて
そうと知っていれば、
劇場まで観にいけば良かったなと思ってしまいました。
投稿: ANDRE | 2009年2月25日 (水) 19時53分
おじゃまします。
私のブログにコメントいただきありがとうございました。私からの反応はちょっと遅くなってしまいましたね…スイマセン。
原作よりも映画の方が面白いんですね。
ファンタジー映画というのは多くて、架空戦記みたいなモノから童話的なもの。
この作品のように少しコメディが入ったものまでありますね。
ファンタジー作品として十把一絡げにすると食傷気味となりますが、それぞれを別モノとして観れれば私の評価も上がったり下がったりするかもなぁ…
では、また来させていただきます。今後とも宜しくお願い致します。
投稿: ピロEK | 2009年3月22日 (日) 22時39分
>ピロEKさん
コメントいただきましてありがとうございます。
コメントをいただけるだけで嬉しいですので、
あまりお気になさらないで下さい。
SFやファンタジーといったジャンルは、
確かに、その中で「恋愛」「コメディ」「ホラー」などと
細かくジャンル分けすることができますよね。
自分も、「また似たようなファンジターか」と思ってしまうことが多いので、
もしかしたら名作を見逃してしまってるかもしません・・・。
こちらこそ今後とも宜しくお願いいたします。
投稿: ANDRE | 2009年3月24日 (火) 00時16分