映画「旅するジーンズと19歳の旅立ち」
the sisterhoof of the traveling pants 2 アメリカ 2008 08年8月公開 DVD劇賞 |
前作「旅するジーンズと16歳の夏」が本当に素晴らしかったので、とても楽しみにしていた続編。劇場公開がかなり特殊な感じだったものの、早くもDVD化されました。
是非前作と合わせて観てみて下さい!!イチオシ作品です!
(隠れすぎな名作(特に前作)なのでちょっと声を大にして言ってみた。)
親同士がマタニティクラスで仲良くなり、生まれてからずっと親友同士の4人の少女達。彼女達は16歳の夏に、体型の異なる4人全員にフィットする不思議なジーンズと出会う。初めて4人バラバラに過ごすことになった夏休み、そのジーンズを1週間ごとに回してはくことで、4人の絆をつなごう、というのが前作の物語。
続編である今作は、19歳の大学生になった4人の夏休みを描く。
NYの大学で映像製作を学ぶティビーは高校時代から仲の良かったブライアンと一夜を共にするが、思わぬ事態に動揺する。
大学でサッカー選手として活躍するブリジットは、遺跡の発掘をしにトルコで夏を過ごすが、出発前に、父が隠していた祖母からの手紙の束を発見してしまう。
美大に通うリーナは、ギリシアにいた恋人ができちゃった結婚をすることを聞かされ、失意の中、絵のサマーセミナーで出会った男と親しくなっていく。
エール大に通うカーメンは、母親の再婚、妊娠に戸惑いながらも、地元の仲間たちと過ごす夏を楽しみにしていたが、皆が夏に地元にいないことを知り、大学の友人に誘われ、演劇のサマーセミナーに参加する。
続編ということで、大失敗の作品だったらどうしようかという不安もあったのですが、前作には負けますが、こちらもかなり面白かったです!劇場公開からまだ間もないのに、既に隠れた名作のようになっているのが非常にもったいない!!!!!
前作(2005年)と同じキャストが集ってくれているので、3年後の物語を3年後の彼女達がしっかりと演じてくれたのも嬉しかったです。
サブタイトル通り、4人が地元の仲間から自立していく姿が非常に上手く描かれていたと思います。それでいて、4人の絆も感じさせてくれるのが本当に良い。
前作では、リーナとブリジットのエピソードが薄っぺらかったんですが、今回、ブリジットのエピソードもグッと深みを増していて、リーナ以外の3人の物語がどれも見ごたえがあったのも良かったです。ただリーナは前作につづいて悩みが軽いというかなんというか・・・。
最初は皆と過ごすことを一番望んでいたカーメンが、自分のことで精一杯になり、結局は仲間たちの存在を一番遠くに置いてしまうんですが、過去に自分が似たような状況になったことがあったので、妙にリアルに心に響きました。
ところで、カーメン、「アグリー・ベティ」の主役さんじゃないですか!前作のときから一気に大出世しちゃったんですねー。いやはやビックリ。
そして、見た目はパンクっ子なのに、前作同様に性格美人のティビーは相変わらず良い子でした。カーメンの母とのエピソードは、それまでのティビーのエピソードとのつながりも良かったのですが、心が離れていたカーメンをしかっかりと友人と信頼しているのが見えたのも嬉しかったですね。4人の中では彼女が一番良い経験をしているなと思うのは前作同様(その分、辛い思いもしてるけど)。
ブリジットは相変わらず可愛いっすね☆心の傷があるものの前作は単なる恋するサッカー娘だったのが、今回はちゃんと自分自身と向き合えたのが良かったです。
でもってリーナ。彼女の絵画セミナーのエピソード、なくても良いんじゃないの!?って感じですが、彼女がいないと、キラキラと輝くギリシアの風景が楽しめないんですよねぇ。「マンマ・ミーア」以上にギリシアに行きたくさせる映像です。
魔法のジーンズの行く末に(酷い扱いを受けているのも彼女達の心の距離を象徴していて上手かった!特にカーメン・・・)、彼女達の自立のときがしっかりと象徴されていますが、今後、ますます距離が離れていくであろう彼女達の絆が、どこかでつながり続けるんだろうなというのもしっかりと感じられましたね。
自分もついついメールで近況報告することでなんとなく済ませてしまうことがあるんですが、やっぱり対面してこその友情だよなぁと改めて感じさせてくれました。一方通行な近況報告よりも本音で不満を言い合えることのほうがずっと温かい。
どうでもいいことですが、演劇のプロデューサーさん、「デスパレートな妻たち」ファントしては、曲者に見えて仕方なかったです。登場した瞬間に「ホッジ!!」と思ってしまいました。
昨年、急遽アメリカとの同時上映が決まり、非常に限定された劇場で数週間だけ上映という状況で、色々と大人の事情がありそうですが(ワーナー作品なので恐らくハリポタの公開延期)、素晴らしい作品なだけに本当に残念です。
前作は日本では決してヒットしたとは言えないし、前作を見てることが前提のように普通に「続き」の物語が描かれるので、続編を大々的に公開するのは憚られたのかもしれませんが・・・。
参考過去レビュー
これ見たら、前作が無性に見たくなってしまいました。超名作です。
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コメント
こんばんは。
その、「限定された劇場で数週間だけ上映」の時にたまたま観れました。ラッキーだったよね。
でも、パンフもポスターもチラシもなく、さみしい公開・・・。 パンフ買いたかったなあ。
いくらなんでもそれはねえ・・・。 こんなにいい映画なのにね。
投稿: rose_chocolat | 2009年2月20日 (金) 23時54分
>rose_chocolatさん
コメントどうもありがとうございます。
自分は上映に気づいたときには
劇場まで観にいく時間が取れず
非常に悔しい思いをしました。
パンフもチラシもなかったらしいですね。
公式サイトもとってつけたような感じで
良い作品なだけに
本当にもったいないと思います。
投稿: ANDRE | 2009年2月21日 (土) 12時59分
はじめまして
MIAといいます^^
私は原作のトラベリング・パンツの大ファンなのでこの映画は絶対見たいと前から思ってました!
はじめて原作を読んだとき主人公たちと年齢が同じくらいだったのですごく共感できて感動しました
でも原作のイメージが壊れるのが怖くて実は「旅するジーンズと16歳の夏」もまだ見れてません;笑
でもここの記事を見てすごくおもしろそうなのでついに決心できそうです
日本で全然知られてなくて残念ですねー
あと私もデスパレの大ファンだったりしますw
投稿: MIA | 2010年1月12日 (火) 16時25分
>MIAさん
はじめまして。
コメントどうもありがとうございます!
自分は映画を観た後に、
原作も読みたいなとは思っているのですが、
まだ読めてません。
原作のファンだと映像化はいろいろと心配ですよね。
ただ、少なくとも映画だけを観た自分は、
第1作目も第2作目も本当に素晴らしい作品だと思いました。
ギリシアの島の映像なんかは映画ならではの美しさですし。
よろしければ是非ご覧になられてください。
映画2作目には、『デスパレート~』の
オーソン・ホッジの役者さんが出演していて、
観ながらかなりテンションが上がってしまいましたね~。
投稿: ANDRE | 2010年1月13日 (水) 01時15分
こんばんは、またおじゃまします
これもいろいろおもしろい映画でした
演出家、どこかで見たことあると思ったら!
sex and the cityのtrey!
desperate house wives見てないからなあ
見始めようかなあ
ちなみにトルコの教授はheroesでインド人のお母さん
国籍を軽々超えられてしまう
アメリカ映画の身軽さがうらやましい
lena役の子も本当はspanishが第一言語のlatinaなんだってね
16歳から3年間で環境が変わって成長していく姿っていうのが
女性作家らしくものすごくよく書けてるなあと感心しました
多かれ少なかれ、あるある!っていうのを
見ている19歳以上の女子は感じたことでしょう
この作品も心の中の19歳の自分がうずいて
lenaみたいなワンピースを着てみたくなってしまったり
i like dinner、なんて会話したくなっちゃったりして困るわ
昔の友達に手紙を出したくなる映画だね
さっそく明日書こうかな
brian mcbraianて、彼がゲームをするときのニックネームかと思ったら
役名なのね
すっとぼけた感じが大事な時に大失敗する彼にぴったり
tibbyがNYに行ったのはもう必然で
そうそう、こういう子villageあたりにいっぱいいるよね!
なんてくすくすしてしまったり
なんだかもう本当に愛すべき映画です
だからいきなり初オーディションで主役いとめたり
セクシーな男子がごろごろ転がってたり
(loserなはずのbrianですらものすごいいい体してた!)
lenaがいつまでたってもギリシャ語出来なかったり
っていうのも許せちゃう
forgiving and lovingね!
なんて拡大解釈してしまう
また長くなってしまった
ごめんなさいね
いい加減寝ます
では
投稿: halcan | 2010年3月 9日 (火) 03時48分
>halcanさん
さっそく続編も観たんだね~。
続編で失敗する作品が多い中、
これはなかなか良かったでしょ。
多分原作が良くできてるんだろうと思うんだけど、
それでも同じキャストでちゃんと3年後の彼女達が
リアルに感じられる内容だったのが嬉しかったです。
男性陣がいちいちセクシーなのは
いかがなものかと思うけど、
対象となる観客層を考えてみても、
このくらいのサービスは必要なんだろうね。
そうそう、brianは顔に似合わずやけに筋肉ついてるんだよね。
観ててビックリしたのを覚えてるよ。
あの演出家はSATCにも出ていたのかぁ(見た事ないので)。
デス妻ではかなりの曲者として出演してますよ。
英語圏の映画は調べてみると、
かなり国籍がにぎやかなことあるよね。
皆さん、英語が達者で羨ましい。
投稿: ANDRE | 2010年3月10日 (水) 01時15分
今日、「旅するジーンズと16歳の夏」を見たばっかりですが
続編も見たくなりました~。
アメリカ・フェレーラだけでなく、いまやブレイク・ライブリーも
有名になりましたね~。
投稿: ぶい | 2011年2月12日 (土) 16時08分
>ぶいさん
コメントどうもありがとうございます。
このシリーズは本当に良い作品で、
多くの人に観られてしかるべきだと思っているので、
こうしてコメントをいただけるのがとても嬉しいです。
「16歳の夏」をご覧になられたのであれば、
是非続編の「19歳の旅立ち」も御覧ください!
期待を裏切らない内容ですよー。
4人中3人が大ヒットTVドラマに主演してるだけあって
それぞれに存在感があるのも
この作品の魅力だと思います。
投稿: ANDRE | 2011年2月15日 (火) 01時20分