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2009年3月

2009年3月31日 (火)

映画「ジャケット」

ジャケット [DVD]

the jacket

アメリカ ドイツ

2005

06年5月公開 

テレビ録画劇賞

劇場公開時、気になりつつもちょっと怖そうなイメージがあり、なんとなく見る機会を逃していた作品が、先日深夜にテレビ放送されていたので、録画して見てみました。

主人公のジャック(エイドリアン・ブロディ)は湾岸戦争で脳に損傷を受ける。帰国した彼は、通りかかった路上で泥酔した母と共にいる少女ジャキーと出会う。その後、警官殺しの殺人事件に巻き込まれ、その容疑者として逮捕され、精神病院に入れられてしまう。

病院では拘束衣を着せて、身動きが取れなくなった状態で死体の保管庫の中に患者を閉じ込めるという治療が実験的に行われており、92年のクリスマス・イヴの夜、ジャックは狭く暗い保管庫に閉じ込められてしまう。しかし、次の瞬間、彼は未来の世界にタイムスリップし、そこで、大人になったジャッキー(キーラ・ナイトレイ)と出会い、自分が93年の元旦に亡くなることを知る。

拘束衣の治療を受けるたびに未来世界へ行きながら、ジャックは数日後に訪れるという自らの死の真相に近づいていくのだが・・・。

なんか思ってたのとちょいと感じが違いました。もうちょっと戦争色が強くてちょっと怖い作品なのかと思っていたのですが、しっかりとSFサスペンスでなかなか面白い。未来と現在を行ったり来たりする話だとは思ってなかったので、途中からの展開にはハラハラ。

でもって、何が残念だったかというと、先に「バタフライ・エフェクト」を観てしまっていたこと。ちょっと被る内容なんですよねぇ。しかも「バタフライ~」のほうがインパクトのある作品だったので、こちらがかなりかすれてしまいました。

あと、未来のシーンよりも現実世界の病院の場面がかなり多くて、全体的にミステリアスな心理ドラマのような作りになっていたんですが、思わせぶりな場面が多く出てくる割に、最終的にあまり関係ないまま終わってしまうエピソードや描写が多かったように思います。単に雰囲気を盛り上げてるだけというか。

でも、最後どうなるかとハラハラしながら一気に見ることができたので、鑑賞中はかなりはまり込んでましたし、実際かなり面白く観てました。鑑賞後冷静になってみるとあれれ?なところがあるといった感じ。

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2009年3月29日 (日)

映画「最後の初恋」

最後の初恋 [DVD]

nights in Rodanthe

アメリカ オーストラリア

2008

08年9月公開 

DVD劇賞

原作が、思っていたのよりもはるかに良い映画だった「きみに読む物語」と同じニコラス・スパークスで、リチャード・ギア&ダイアン・レインという大人なスター俳優共演作品で気になっていた作品。

エイドリアン(ダイアン・レイン)は浮気の発覚した夫に別居を言い渡し、思春期の娘と、喘息持ちの幼い息子の2人を育てるのにてんてこ舞いの毎日。そんな折、彼女は海辺で小さな民宿を営む親友に頼まれ、子供達を夫に預け、民宿の留守番をすることになる。

そんな留守番中、民宿の宿泊者はちょっとわけありな様子の医師ポール(リチャード・ギア)のみ。嵐が近づく中、エイドリアンとポールは次第に距離を縮めていくのだか・・・。

なんか感想書くのもどうでもいいような感じの作品でした・・・。橋でカメラマンと出会うほうがずっと良かったですね。

ハーレクインとか、そういうのを愛読するような人々を対象にしたメロメロ映画で、しかも、そこまで完成度も高くなくて、色々と意味ありげなテーマを盛り込んでいるのに、それもあまり生かせていないような印象の作品でした。

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2009年3月26日 (木)

映画「リリィ、はちみつ色の秘密」

The Secret Life of Bees

the secret life of bees

アメリカ

2008

09年3月公開 

劇場劇賞

<画像は洋書原作より>

公開を楽しみにしていたのに、あまりプロモーションもされていない様子でちょっと淋しい作品。主演のダコタ・ファニングをはじめとして、女優陣に注目です!

舞台は公民権法が制定されたばかりの1964年のアメリカ。主人公のリリィ(ダコタ・ファニング)は、4歳の頃、父と口論になっている母親を誤って銃で撃ち殺してしまい、それ以来、そのトラウマに悩まされながら、桃農園を営む冷淡な父T・レイ(ポール・ベタニー)と過ごしていた。

リリィが14歳になった日のこと、公民権法が制定され、選挙権が得られることに喜ぶ家政婦のロザリン(ジェニファ・ハドソン)と2人で町を歩いていたリリィの目の前で、ロザリンは白人達から暴力を受けた上に、警察に連行されてしまう。

翌日、父ともめたリリィは、置手紙を残し、病院に入院中のロザリンを連れ出し旅に出る。亡き母の遺品の聖母像に記されていた町にやってきた2人は、そこで、その聖母像のラベルが印刷されたハチミツが売られているのを見つけ、そのハチミツを作っている黒人女性が暮らすという養蜂場を訪ねる。

やがてリリィとロザリンの2人は養蜂場を営むオーガスト(クイーン・ラティファ)とその妹である、音楽教師のジューン(アリシア・キーズ)とメイ(ソフィー・オコネドー)たちの家に仕事を手伝いながら住まわせてもらうようになるのだが・・・。

ダコタ・ファニングが大人になってる!!子役の成長は早いですねぇ。ティーンになった名子役が今しかできない役を演じ、子役から女優へとはばたく貴重な姿を収めただけでも価値のある作品だと思います。ただ、泣きの演技が完全に子役のそれだったので、この後、どうやってその辺りから脱却していくのかが注目されます。

そして、クイーン・ラティファ、ジェニファ・ハドソン、アリシア・キーズの3人が並ぶ姿は、いつ彼女達が歌いだすのではないかと思ってしまうほどに贅沢な歌姫夢の競演状態(実際、ちょっとだけ歌ってくれます)。そして、ソフィー・オコネドーを加えたこの黒人4女性たちの演技は本当に素晴らしかったです!

ストーリーに関してはほとんど前知識なしで鑑賞したんですが、割と重めのテーマが目白押しでしたね。女優陣のしっかりした演技に支えられて、派手さは無いけれど、色々なことを考えさせられ、泣いて、笑って、感動させてくれて、純粋に観て良かったなと思える良作だったと思います。

上映館が少ないのがちょっともったいないですねぇ。

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2009年3月21日 (土)

「グラン・ヴァカンス」 飛浩隆

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

グラン・ヴァカンス
廃園の天使Ⅰ

飛浩隆

ハヤカワ文庫 2006.9.
(original 2002)

久々に和製SFを何か読んでみたいなと思い手に取った1冊。

物語の舞台は、仮想リゾート内にある「夏の区界」。ここでは南欧の夏休みをテーマに、AIたちがそれぞれに与えられた役割を演じながら、訪れる人間達に夏の1日を擬似体験させていたが、あるとき突然、ゲストの来訪が途絶え、それから1000年が経過していた。

1000年間、誰も訪れない状況の中、AIたちは永遠に続く夏休みを淡々と過ごしていたが、あるとき、突如現れた「蜘蛛」たちによって、彼らの暮らす世界が破壊されはじめ、AIたちは存亡をかけて戦いを始める。

AIだけが取り残されてしまった仮想リゾートって設定がなかなか良いです。しかもAIたちは自分達がAIで、その記憶もプログラミングで作られたものだということを自覚していたり。

映像的に美しかったり、グロ描写だったり、意外にも官能シーンが多かったりなんですが、作者の美学みたいなものがダイレクトに伝わってくる作風は嫌いではありません。

この作品、やたらと読み手の想像力を刺激してくるのもちょっと面白いところ。どんな映像を浮かべるかで、好き嫌いが出てきそうです。

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2009年3月20日 (金)

「小説の読み方」 平野啓一郎

小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)

小説の読み方
感想が語れる着眼点

平野啓一郎

  PHP新書 2009.3. 

平野氏のブログで以前出た「本の読み方」の第2弾が出たことを知りました。

小説家である平野啓一郎氏自らが、ブログなどで感想を書く際に役立つようにということで、小説を読む際に、どういう点に着目するとより深く読み解くことができるのかということを解説した1冊。

前半が基礎編として、概説的なことを書いていて、後半は実践編と称して、実際に9作品を取り上げて、それぞれから引用された部分をテキストとして用いながら、具体的な話を展開していて、色々と面白い議論も多い1冊でした。

実は、この本、スルーしようかなとも思ったんですが、実践編の中で扱ってる作品に、オースターの「幽霊たち」とマキューアンの「アムステルダム」という自分のお気に入り作品があったので、ついつい読んでしまいました。

他にもエンタメ小説を読む題材として、伊坂幸太郎を出してくれたのはとても嬉しかったんですが、文庫専門読者としては未読の「ゴールデンスランバー」はたとえ一部であっても読みたくなかったので、その章は飛ばさせていただきました。

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2009年3月15日 (日)

映画「僕らのミライへ逆回転」

僕らのミライへ逆回転 プレミアム・エディション [DVD]

be kind rewind

アメリカ

2008

08年10月公開 

DVD劇賞

ジャック・ブラック主演のゴンドリー監督のコメディということで、どのような作品になるのかドキドキで、公開時から気になっていた1本。

主人公ジェリーはレンタルビデオ店に入り浸ってはそこで働く友人のマイクとつるんで遊んでいた。あるとき、ビルの撤去を言い渡されたビデオ店の店主のフレッチャーがマイクに留守を頼み旅に出る。

そんな折、ジェリーがある事件で全身に磁気を帯びてしまい、レンタル店のビデオが全て再生不可能になってしまう。慌てた2人は自分達で勝手に作品をリメイクしてそれを貸し出そうと思いつくのだが・・・。

色々な映画を勝手にリメイクして、そのパロディっぽさをひたすら笑う映画なのかと思っていたんですが、後半には予期せずしてハートウォーミングな展開が待っていて、思わずウルっときてしまいました。なんか普通に良い映画でしたねぇ。

前半部分を見ながら、結局は人を騙してる2人の姿に、著作権を気にしたり、ちょっと嫌悪感を感じたりもしたんですが(つまらない大人でスイマセン)、中盤以降は、その気になる部分が上手い具合にカバーされたのが良かったです。

でもって、そこから、一気におバカコメディ映画から、「映画」への愛に溢れた作品に変わっていく様は観ながら、胸が熱くなる場面の連続でした。

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2009年3月14日 (土)

「鴨川ホルモー」 万城目学

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー

万城目学

角川文庫 2009.2. 
(original 2006)

発売当初からずっと気になっていて、その後の新作も気になっている万城目作品、映画化に合わせて文庫が出たので、早速第1作目にあたる本作を読んでみました。

主人公の安倍は二浪の末に入学した京都大学で、空腹をしのぐためにサークルの新歓コンパをはしごして過ごしていた。そんな折、葵祭のバイトで同じく京大1回生の高村と出会い、2人はそこで声をかけられた「京大青竜会」なるサークルの新歓コンパに顔を出す。

コンパで出会った同じく1回生の早良さんに一目惚れした安倍は、活動目的がどうもつかめないまま、サークルの定例会に足を運ぶが、やがて、先輩たちから衝撃の事実を知らされる。

「京大青竜会」は、1000年続いているとも言われる「ホルモー」なる競技で、京都にある他の3大学と対戦をしていたのだ。鬼や式神たちと共に戦うホルモーとは果たしてどのような競技なのか、そして、安倍の恋の行く末は?という物語。

ドラマで「鹿男あおによし」を見ていたのですが、古都を舞台になにやら良く分からない謎の抗争がひっそりと行われているってところはちょっと似てますね。

ただホルモーのアイデアが面白いのに、実際の戦いの場面は思ったよりもあっさりしてて、どっちかというと青春物語部分のほうが熱い作品でした。ま、でも、良くも悪くも漫画みたいな感じの作品ですね・・・。

とにかく「ホルモー」という競技のビジュアル的な面白さが強くて、その名前とともにとてもインパクトはあるんですが、ちょいと物足りない部分が多かったのも事実。

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2009年3月13日 (金)

映画「ラ・ボエーム」

La Boheme

la boheme

ドイツ オーストリア

2008

09年2月公開 

劇場劇賞

プッチーニ生誕150周年を記念して名作オペラ「ラ・ボエーム」を、現代オペラ界の最高キャストで映画化した作品ということで、これは是非とも音響の良い映画館で観なくては!と思い観てきました。

薪を買う金さえない詩人のロドルフォ(ローランド・ビリャソン)、画家のマルチェッロ(ジョージ・フォン・ベルゲン)らの貧しいボヘミアンの芸術家たちが集うアパートで、クリスマスイブの晩、仲間達が酒を飲みに繰り出した後、独り部屋で原稿を書いていたロドルフォのもとに階下に住むお針子のミミ(アンナ・ネトレプコ)がロウソクの火をもらいにやってくる。

恋に落ちたロドルフォとミミは、仲間達と合流し、カフェで楽しいひと時を過ごしていたが、そこで、彼らはマルチェッロの元恋人である踊り子のムゼッタ(ニコル・キャベル)と出会い、2人はよりを戻す。

幸せを手に入れたように見えた2組の恋人達だったが、思わぬ悲劇が彼らを待ち受けていた・・・。

まぁ、「ラ・ボエーム」でした。今さらですがプッチーニは良いメロディ書きますね~。「トゥーランドット」とか大好きです。

で、歌唱のほうはとても素晴らしくて聴き応えばっちりなんですが(特にアンナ・ネトレプコ)、「映画」としては非常に微妙な作品だったと思います。ただ、良い音響で聞ける映画館でこれを楽しむのは非常に価値のあることだと思うので、劇場鑑賞を強くオススメしたい作品です。

舞台を映画にするとなると、舞台上では分かりにくい表情や小物使いなどの細かい動きを見せることができるってのは良いんですが、画面の構成とか、演出がレトロというか、せっかくの映像化なのにちょっと安っぽい印象なんです。建物とかもどう見てもセットだし・・・。

せっかく聴きごたえのある音楽の方も、映像の中の場面ではありえないような歌の響き方をしているため、明らかに別録りだということが分かる上に、たまに口の動きがあってなかったりするので、そこもちょっと残念。

もうちょっと「映画」としても楽しめる1本であって欲しかったかなぁ。舞台を映像化するのってミュージカルだと舞台を生かしつつも、映画としての見せかたも素晴らしい作品があるのに、オペラだと映像化の仕方までクラシカルになってしまうのはちょっともったいないです。

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2009年3月11日 (水)

「回想のブライズヘッド」 イーヴリン・ウォー

回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫) 回想のブライズヘッド〈下〉 (岩波文庫)

回想のブライズヘッド
(brideshead revisited

イーヴリン・ウォー
(Evelyn Waugh)

岩波文庫 2009.1./2009.2.
(original 1945)

イーヴリン・ウォーを読むのは「大転落」に続いて2作品目。作風からもうちょっと古い作家なのかと思ってしまうんですが、20世紀の作家なんですよねぇ。

余談ですが、この作品、今月映画版のDVDが出ます。エマ・トンプソンが出てるということで、公開を楽しみにしていたのに、まさかの未公開DVDリリースに・・・。しかも『情愛と友情』とかいう謎の邦題がついてます。

映画に合わせてってのはよくありますが、DVDリリースに合わせての文庫出版てのは非常に珍しいですね。出版社側でも映画の公開を待ってたんですかねぇ。てか未公開作品なのに公式サイトもやたらと立派で、何か事情があって劇場公開できなかったような感じもありますねぇ。

第2次大戦中のイングランド、主人公チャールズ・ライダーは新しい宿営地となった大きな館で、かつて、そこで過ごした青春時代を回想する。

オックスフォード大の学生だったチャールズは、そこで、いつもテディベアを持ち歩き、放蕩の限りを尽くしている侯爵の次男セバスチアン・フライトと知り合い、あまり評判の良くない彼の仲間達と共に退廃的な日々を過ごすようになる。

やがて、セバスチアンの家族が暮らすブライズヘッドという豪邸に招かれたチャールズは、セバスチアンの家族とも交流を持つようになっていく。フライト一家は敬虔なカトリック信者である母親によりフライト家の4人の子供達はそれぞれ宗教に対し異なる考えを持ち行動していた。彼らとの交流の中で宗教心を持たなかったチャールズは信仰について考え成長していくのだが、大邸宅ブライズヘッドはもろくも崩壊していく・・・。

作者との価値観の違いからくるもどかしさはあるんですが、たっぷりと作品世界に浸ることができて大満足でした!

上・下巻になっていて、上巻はセバスチアンとの日々を描く第1部、下巻には彼の家族達との交流や、大邸宅ブライズヘッドのはかない行く末を描いていました。20世紀も中盤に入り、古きよき時代が過ぎ去っていくのが感じられて、ちょっとしんみりした気分になります。

英国の邸宅モノ小説(勝手に命名)は、ブロンテ姉妹やオースティンなどの古典から、「日の名残り」(イシグロ)や「贖罪」(マキューアン)などの現代作家の作品まで名作が多いのですが、これまた読み応えのある作品で、英国好きとしては非常に楽しめる作品でした。

そもそもの、テディベアを持ち歩くアル中デカダンオクッスフォード大生っていうセバスチアンの設定が絶妙ですよね~。

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映画「幸せの1ページ」

幸せの1ページ [DVD]

Nim's island

アメリカ

2008

08年9月公開 

DVD劇賞

ジョディ・フォスター、実はかなり好きです。高校くらいの頃にはぞっこんでした。そんな彼女が出演するラブコメ風映画な宣伝を見て、これは是非観なくては!と思っていたものをようやく鑑賞。

主人公ニム(アビゲイル・ブレスリン)は南に太平洋の無人の火山島に海洋学者の父親ジャック(ジェラルド・バトラー)と2人で暮らしていた。ある日、海に調査に出かけたジャックは嵐に巻き込まれ遭難してしまう。

父が帰ってこず独り島に残されたニムは父親宛に送られてきたEメールのをチェックしていたところ、彼女が愛読している冒険小説シリーズ「アレックス・ローバー」の作者アレックスからのメールがきていることに気づき、彼女はアレックスに助けを求める。

作家のアレクサンドラ(ジョディ・フォスター)は「アレックス」という男性ペンネームで冒険小説を書く大人気作家。新作に火山を登場させようと考えていた彼女は雑誌の火山島の特集記事を見て、それを書いたジャックに火山についての質問メールを送信する。

ニムから助けを求められたアレクサンドラは彼女の元へ行こうと決意するのだが、そこには大きな障害が立ちはだかっていた。超潔癖症の彼女は外出恐怖症で、14週間も外出をしていないのだ・・・。

はてさて、アレクサンドラは無事、ニムのもとへたどり着けるのか。そして、ニムは父親のジャックと無事再会することができるのか。という物語。

とりあえず、この映画の広告宣伝に関与した皆さんは、この映画に謝るべきだと思います。本当に作品観たの!?

オープニングのクレジットからしてジョディ・フォスターは脇で主役はアビゲイル嬢じゃん!(公式サイトにはジョディ・フォスター主演の文字が・・・)

これ、絶好の夏休みファミリー・ムービーじゃん!

レンタルDVD店では「アドベンチャー」の棚にあったんですが、それもおかしいYO!なんで他のキッズムービーと同じ棚に置かないの!?

しかも大手映画サイトのあらすじ説明までもが、あたかも主人公はジョディ・フォスターのような書きっぷり。WHY?

と、思わず騒ぎたくなるくらいに、宣伝されてた内容と本編とギャップがありました。そして、キッズムービーとしての完成度はとても高いように思うだけに、この宣伝の失敗(?)は非常にもったいないと思います。

荒唐無稽な展開も多いんですけど、この映画は設定こそ現代ですが、立派なファンタジーなんだと思うので、そういう展開も結構楽しんで観ちゃいました。

嵐やら火山やらのハラハラドキドキの大冒険あり、侵入者撃退の有名お留守番映画的な要素あり、家族の絆あり、愉快な動物たちありのお子様ランチ的な盛り込み具合は正直、ちょっとはお腹いっぱいにはなりましたが、こういう作品って年に1本あるかどうかだと思うので、子供の頃に観られる人は幸せだろうなぁなんて思います。

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2009年3月 9日 (月)

映画「ヒストリーボーイズ」

ヒストリーボーイズ [DVD]

the history boys

イギリス

2006

日本未公開 

DVD劇賞

本国イギリスでは演劇界の最高賞オリヴィエ賞を受賞し、2006年のトニー賞のストリートプレイ部門で作品賞を含む6部門を受賞した傑作戯曲を舞台版と同じスタッフとキャストで映画化したということで、とーっても観たかったのに、日本では未公開・・・。

「マンマ・ミーア!」や近々公開になる「ある公爵夫人の生涯」のドミニク・クーパー効果なのか、先日ようやくDVD化したので早速みてみました。

舞台は1983年の英国シェフィールド。デイキン(ドミニク・クーパー)、ティムズら高校の進学クラスで学ぶ8人の仲間達は、名門のオックスフォードやケンブリッジを目指し学問に励んでいた。

学校の老教師ヘクター(リチャード・グリフィス)は彼らが人間として豊かな教養を身につけることを考え、歌や詩、演技などを使った個性的な授業を行っていた。しかし校長はオックスフォード大卒の若手教員アーウィンを招き、他の授業の時間を削減させ、アーウィンによる徹底した受験指導を行うようになる。

まるで異なるヘクターとアーウィンの授業のそれぞれから多くを学びながらも、青春を謳歌する8人の学生達は果たして名門大学に無事合格できるのか・・・。という物語。

人気イケメン俳優豪華共演というわけでもなく、青春コメディとしてジャンルわけするにはちょっと地味な感じの作品だし、なんとなく未公開だったのも分かる作品ですが、傑作戯曲ということもあり、魅力的な台詞も多く、なかなか面白い作品でした。英国好きな自分なので、多分に甘く評価されているとは思いますが・・・。

完全に「お受験」が題材になっていて、英国の名門オックスブッリジへの受験対策なんかが描かれる映画ってこれまでなかったので、英国好きとしてはそのあたりも見所。

「英国版ROOKIES」とか勘違いも甚だしいコピーがつけられてしまっていて、それを期待して観た人はかなりガッカリなんじゃないかと思います。若手イケメン俳優共演の高校生モノっていうだけの共通点ですよね・・・。

この作品で面白かったのは、「優等生」を描く作品としては非常に珍しく、彼らが普通の高校生として描かれていたこと。学校の成績は良くても、友達とはバカな話で盛り上がったり、恋に悩んだり、下ネタで盛り上がったり、先生にチャチャ入れたり、ごくごく当たり前の高校生として生き生きとして過ごす姿がとても良かったです。国は変わってもどこでも同じTHE男子高校生という感じです。

映画に出てくる優等生ってちょっとひねくれキャラが多いので、こういうのって結構新鮮な気がします。

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2009年3月 7日 (土)

映画「ワルキューレ」

Valkyrie

2008

アメリカ ドイツ

2009年3月公開

試写会鑑賞

 

20日から公開の作品を一足先に試写会にて鑑賞。公開前ですが、「ブロガー試写会」の枠で当選したので、普通に感想書いちゃいますね。

舞台は第2次大戦中のドイツ。祖国ドイツを愛する軍人シュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は戦場で片目をはじめとする体の一部を失う重症を負う。祖国の未来を考えた末、彼はトレスコウ少将(ケネス・ブラナー)やオルブリヒト副司令官(ビル・ナイ)、ベック参謀長(テレンス・スタンプ)らの同志達とヒトラー暗殺を主軸においた「ワルキューレ作戦」を計画する。そして、1944年7月、シュタウフェンベルクは隠し持った爆弾とともにヒトラーと同席する会議が行われる「狼の巣」へと向かうのだが・・・。

祖国ドイツの将来を守るため、ヒトラー暗殺を企てたナチス上層部員たちによる「ワルキューレ作戦」を描く。

最初、ワルキューレなので神話、もしくはワーグナーのオペラの映画化と思っていたんですけど、名前がワーグナーに由来する暗殺計画を描いた作品でした。

この映画、目玉キャストはトム・クルーズだろうけど、個人的にはケネス・ブラナーやビル・ナイ、トム・ウィルキンソンといった英国俳優陣豪華の共演というのが嬉しかったです。ま、でもドイツ人がみーんな英語を話すのはちょっとシュールなんですが・・・。

上映開始前、猛烈な眠気が襲ってきて、開始早々に寝てしまったらどうしようとちょっと不安だったのですが、なかなか興味深い題材ということもあって、2時間しっかりと見入ってしまいました。

結構シビアな場面も多くて(特にラスト近く)、戦争や、第2次大戦が生み出したナチスやヒトラーというモンスターの姿を見て、さらに、それに果敢に立ち向かう人々(しかもナチス内部なんですね!)の姿には色々と考えさせられる要素も多く、この作戦に関しては自分は全然知らなかっこともあり、とても興味深く観ることができました。

キャスト陣の熱演は見ごたえがあるし、こういうことがあったということを知れるだけでも、観る価値のある作品だとは思うのですが、厳しい言い方をすると全体的に物足りない点が多かったかなというのも本音。

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2009年3月 4日 (水)

映画「ナイロビの蜂」

ナイロビの蜂 [DVD]

the constant gardener

イギリス ドイツ

2005

06年5月公開 

DVD劇賞

公開時、レイチェル・ワイズのアカデミー賞受賞で気になり、観たいなと思っていたものの、だらだらと時間ばかりが過ぎ去り、ほとんど3年越しでついに鑑賞。

主人公ジャスティン(レイフ・ファイン)は妻のテッサ(レイチェル・ワイズ)と共にナイロビに駐在する英国の外交官。あるとき、妻のテッサが遺体で発見される。彼女はジャスティンには内緒で製薬会社の悪事を暴くため一人資料を集めていたのだ。

妻の死後にその事実を知ったジャスティンは、テッサの訪れた地をたずね、彼女が暴こうとした真実に近づいていく・・・。

社会派サスペンスに夫婦愛の要素をからめた作品で、映像もドキュメンタリーっぽい撮り方をしていたりして、見ごたえのある一本でした。

物語のテンポも素晴らしくて、重めの内容ながら、あっという間の2時間。

大地の雄大さ、人々の素朴さ純粋さ、そして、貧困と、アフリカの美しい部分を見せながらその抱える問題点を押し付けがましくならずに、しっかりと映し出す作品で、観終わった後には色々なことを考えさせられました。

ただ、「夫婦愛」の部分、個人的にはあってもなくても良かったんですが・・・。

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2009年3月 2日 (月)

映画「ぼくの大切なともだち」

ぼくの大切なともだち (完全受注5,000本限定生産) [DVD]

mon meilleur ami

フランス

2006

08年6月公開 

DVD劇賞

昨年の公開時からちょっと気になっていた1本。パトリス・ルコント作品を観るのはかなり久しぶり。

なんでもビジネス主体で考える古美術商のフランソワは仕事相手の葬儀に訪れた際、参列者がほとんどいない様子に驚き、自分の誕生パーティーの席でそのことを話題にする。すると、その場にいた全員から、フランソワこそ友人がいないではないか、と指摘され、誰も君の葬儀には参加しないと言われてしまう。

自分にも親友がいるということを証明するという賭けをすることになったフランソワであったが、友人のリストを作り訪ねていくも、誰も彼を友人であると認めようとしない。そんな折、フランソワは社交的で人当たりの良い薀蓄好きのタクシー運転手のブリュノと出会い、人と親しくなるコツを習いはじめるのだが・・・。

感動ものみたいなタイトルですが、王道展開のストーリーながら、ストレートな人情モノの喜劇で、エスプリのきいた大人向けの上品なコメディという感じで、まさにフランス映画な1本でした。

さすがフランスな感じで「星の王子様」も良い感じで使われていました。あと、ちょっとビックリなあの番組も良い感じで使われてました。映画のネタとして使うのが流行ってるんですかねぇ。

学生時代からの友だちは別にして、ある程度成長してしまうと、他人の人生に深く関与する責任の重さもあってか、「親友」という言葉は重みを持ってきて、声を大にして親友といえるような付き合いをすることを避けてしまうように思うのですが、たまにはこういう映画を観て、「友情」のことをじっくりと考えてみるのも良いかもしれませんね。

個人的にはタクシー運転手のブリュノのキャラがとても好きでしたね~。

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