映画「ぼくの大切なともだち」
mon meilleur ami フランス 2006 08年6月公開 DVD劇賞 |
昨年の公開時からちょっと気になっていた1本。パトリス・ルコント作品を観るのはかなり久しぶり。
なんでもビジネス主体で考える古美術商のフランソワは仕事相手の葬儀に訪れた際、参列者がほとんどいない様子に驚き、自分の誕生パーティーの席でそのことを話題にする。すると、その場にいた全員から、フランソワこそ友人がいないではないか、と指摘され、誰も君の葬儀には参加しないと言われてしまう。
自分にも親友がいるということを証明するという賭けをすることになったフランソワであったが、友人のリストを作り訪ねていくも、誰も彼を友人であると認めようとしない。そんな折、フランソワは社交的で人当たりの良い薀蓄好きのタクシー運転手のブリュノと出会い、人と親しくなるコツを習いはじめるのだが・・・。
感動ものみたいなタイトルですが、王道展開のストーリーながら、ストレートな人情モノの喜劇で、エスプリのきいた大人向けの上品なコメディという感じで、まさにフランス映画な1本でした。
さすがフランスな感じで「星の王子様」も良い感じで使われていました。あと、ちょっとビックリなあの番組も良い感じで使われてました。映画のネタとして使うのが流行ってるんですかねぇ。
学生時代からの友だちは別にして、ある程度成長してしまうと、他人の人生に深く関与する責任の重さもあってか、「親友」という言葉は重みを持ってきて、声を大にして親友といえるような付き合いをすることを避けてしまうように思うのですが、たまにはこういう映画を観て、「友情」のことをじっくりと考えてみるのも良いかもしれませんね。
個人的にはタクシー運転手のブリュノのキャラがとても好きでしたね~。
サッカー観戦の後で、息を切らして2人が走った後にちょっと顔を見合わせる場面、とても良かったですよね~。そこでしっかりと友情の芽生えを感じさせながら、紆余曲折する物語はかなり好き。
あと、書店バイト経験者として、コソコソとハウツー本を買うシーンもちょっとツボ。こういうのは万国共通ネタですね~。
小学校の頃の友人(?)を訪ねる場面で、友人の妻がものすごい勢いで主人公を邪険にしてましたが、夫からかねがね話を聞いていたなら分かるのですが、あそこまで怒り心頭な理由がちょっと謎でしたね・・・。彼女も小学校の頃のクラスメートなんですかね。
あと、過度の人見知りな自分としては、社交レクチャーの部分、友だちを作ることと、初対面の人と愛想良く付き合えるってのはまた違うんじゃないかとも思うんですよねぇ。ま、結局はそれが、「誰とでも仲良くなれる」=「誰とも仲良くない」につながるんだろうけど。
あと、夜中の3時に電話をかけられることが親友の条件として提示されますが、夜中の3時に電話したら迷惑をかけてしまうということを考えてしまい、僕は我慢してしまうタイプです・・・。
あと、誕生日の席で、あの話題はするか!?っていう。この映画とはなんだか色々と考え方のギャップが。お国柄の違いでしょうか・・・。
それでも「友だち」っていうテーマはとても普遍的で、身近でありながら深くて、この手の映画は誰が見ても何か考えることはあるだろうし、もっと知られてても良いのになぁとも思うんですが、なんと、セルDVDは受注生産の5000本限定なんですね。もったいない。
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コメント
Andreさん、こんばんは~。
ご覧になったのですね。
私もこの映画好きです。
最近、ほんわか~、ほろリ、ジーン~って感じのフランス映画にはまってます。
例のクイズ番組が出てきたときにはビックリ!世界中で同じパターンでやっているようです。
アカデミー受賞作の公開が待たれます。
投稿: ryoko | 2009年3月10日 (火) 00時03分
>ryokoさん
コメントありがとうございます!
派手さは無いけれど、
フランスのコメディものはたまに観ると
ほんわかと癒されますよね~。
あの番組、
世界中でやってるみたいですね。
以前、違う映画でも観たことがある気がします。
でも「テレホン」のシステムが日本のと違いましたね。
ダニー・ボイル監督が結構好きなので、
アカデミー賞作品も早く観たいです!
投稿: ANDRE | 2009年3月11日 (水) 00時53分