映画「ジャケット」
the jacket アメリカ ドイツ 2005 06年5月公開 テレビ録画劇賞 |
劇場公開時、気になりつつもちょっと怖そうなイメージがあり、なんとなく見る機会を逃していた作品が、先日深夜にテレビ放送されていたので、録画して見てみました。
主人公のジャック(エイドリアン・ブロディ)は湾岸戦争で脳に損傷を受ける。帰国した彼は、通りかかった路上で泥酔した母と共にいる少女ジャキーと出会う。その後、警官殺しの殺人事件に巻き込まれ、その容疑者として逮捕され、精神病院に入れられてしまう。
病院では拘束衣を着せて、身動きが取れなくなった状態で死体の保管庫の中に患者を閉じ込めるという治療が実験的に行われており、92年のクリスマス・イヴの夜、ジャックは狭く暗い保管庫に閉じ込められてしまう。しかし、次の瞬間、彼は未来の世界にタイムスリップし、そこで、大人になったジャッキー(キーラ・ナイトレイ)と出会い、自分が93年の元旦に亡くなることを知る。
拘束衣の治療を受けるたびに未来世界へ行きながら、ジャックは数日後に訪れるという自らの死の真相に近づいていくのだが・・・。
なんか思ってたのとちょいと感じが違いました。もうちょっと戦争色が強くてちょっと怖い作品なのかと思っていたのですが、しっかりとSFサスペンスでなかなか面白い。未来と現在を行ったり来たりする話だとは思ってなかったので、途中からの展開にはハラハラ。
でもって、何が残念だったかというと、先に「バタフライ・エフェクト」を観てしまっていたこと。ちょっと被る内容なんですよねぇ。しかも「バタフライ~」のほうがインパクトのある作品だったので、こちらがかなりかすれてしまいました。
あと、未来のシーンよりも現実世界の病院の場面がかなり多くて、全体的にミステリアスな心理ドラマのような作りになっていたんですが、思わせぶりな場面が多く出てくる割に、最終的にあまり関係ないまま終わってしまうエピソードや描写が多かったように思います。単に雰囲気を盛り上げてるだけというか。
でも、最後どうなるかとハラハラしながら一気に見ることができたので、鑑賞中はかなりはまり込んでましたし、実際かなり面白く観てました。鑑賞後冷静になってみるとあれれ?なところがあるといった感じ。
こういう時間もの、ケチをつけたらつまらなくなるとは分かっているんですが、どうしても納得がいかない部分があったのも事実。
以下ネタばれなので反転。
途中までは、「主人公が未来世界に行っている」という出来事が、未来の世界においても正しい歴史として存在してましたよね?じゃ、なんであの暗い未来世界の中で過去に死んだことになっている主人公は未来を変えようとしなかったんでしょうか?そこだけ、未来と変ってるってのがちょっと説得力がなかったかなぁ。
個人的な見解では、結局未来は変えられなくて、ラストシーンは主人公の夢っていうオチ なんだろうなぁ、と。
エイドリアン・ブロディは「戦場のピアニスト」以来すっかり、悩ましげな顔の似合う俳優さんですが、この作品はまさに彼のための役としか思えないほどのはまりっぷり。苦悩する主人公がよく似合ってました。
キーラ・ナイトレイ、もうちょっとたくさん出てくれても良かったかなぁ。
あと、脇役が地味に豪華なのも気になりました。ひっそりと007とか。
* * *
参考過去レビュー
過去に戻って未来を変えまくる。
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コメント
こんにちは。
わたしも、公開時にはホラーかと思っていてスルーしたんですが、
ちょっと観てみよう、とTV放送を観始めたら、
予想と違う内容に、そのまま最後まで観てしまっていました。
観ている途中は、あれこれあんまり思わないんだけど、
確かに、冷静になってみると、「あれって?」と思うところもあり(笑)
でも、エイドリアン・ブロディでなくっちゃ!と思う表情や、
すさんだキーラ・ナイトレイ、黒髪の彼も意外で、
結局、総合点で好きな加減が強くなった、という感じ。
でも、わたしもやっぱりちょっと『バタフライ・エフェクト』を連想しました。
内容は違うんだけれども…
投稿: 悠雅 | 2009年4月 4日 (土) 14時49分
>悠雅さん
コメントどうもありがとうございます!
自分もおどろおどろしいイメージを持っていたんですが、
SFサスペンスみたいな内容で、
特に怖いシーンもなく面白く見ることができました。
時間モノの宿命というべきか、
冷静になって考えてしまうとツッコミどころがあるんですが、
おっしゃるように役者さんたちが
皆さん結構ハマっていて良かったですね~。
投稿: ANDRE | 2009年4月 5日 (日) 00時14分