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2009年3月 7日 (土)

映画「ワルキューレ」

Valkyrie

2008

アメリカ ドイツ

2009年3月公開

試写会鑑賞

 

20日から公開の作品を一足先に試写会にて鑑賞。公開前ですが、「ブロガー試写会」の枠で当選したので、普通に感想書いちゃいますね。

舞台は第2次大戦中のドイツ。祖国ドイツを愛する軍人シュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は戦場で片目をはじめとする体の一部を失う重症を負う。祖国の未来を考えた末、彼はトレスコウ少将(ケネス・ブラナー)やオルブリヒト副司令官(ビル・ナイ)、ベック参謀長(テレンス・スタンプ)らの同志達とヒトラー暗殺を主軸においた「ワルキューレ作戦」を計画する。そして、1944年7月、シュタウフェンベルクは隠し持った爆弾とともにヒトラーと同席する会議が行われる「狼の巣」へと向かうのだが・・・。

祖国ドイツの将来を守るため、ヒトラー暗殺を企てたナチス上層部員たちによる「ワルキューレ作戦」を描く。

最初、ワルキューレなので神話、もしくはワーグナーのオペラの映画化と思っていたんですけど、名前がワーグナーに由来する暗殺計画を描いた作品でした。

この映画、目玉キャストはトム・クルーズだろうけど、個人的にはケネス・ブラナーやビル・ナイ、トム・ウィルキンソンといった英国俳優陣豪華の共演というのが嬉しかったです。ま、でもドイツ人がみーんな英語を話すのはちょっとシュールなんですが・・・。

上映開始前、猛烈な眠気が襲ってきて、開始早々に寝てしまったらどうしようとちょっと不安だったのですが、なかなか興味深い題材ということもあって、2時間しっかりと見入ってしまいました。

結構シビアな場面も多くて(特にラスト近く)、戦争や、第2次大戦が生み出したナチスやヒトラーというモンスターの姿を見て、さらに、それに果敢に立ち向かう人々(しかもナチス内部なんですね!)の姿には色々と考えさせられる要素も多く、この作戦に関しては自分は全然知らなかっこともあり、とても興味深く観ることができました。

キャスト陣の熱演は見ごたえがあるし、こういうことがあったということを知れるだけでも、観る価値のある作品だとは思うのですが、厳しい言い方をすると全体的に物足りない点が多かったかなというのも本音。

史実を描いた作品で、ヒトラーの最期に関しては割と広く知られていると思うので、ストーリーに関して言えば、何のサプライズもなく、ネタバレ状態で鑑賞するわけです。そうなってくると、「見せ方」がポイントになると思うのですが、残念ながらこの作品はそこまでそれが上手くはなかったという印象です。

淡々と史実を描いていくという感じで、TVの歴史ドキュメントみたいな番組の再現VTRがやたら豪華なキャストで演じられているという域を出なかったかなぁと。

命を懸けてでも、祖国の将来のために独裁者ヒトラーの暗殺を企てた彼らの勇気を描きたいにしては、全体的に、主人公達の行動が、あまりに不用意で、スキがありすぎる感じがして、作戦の行く末にもハラハラ感がなくて、「やっぱりね」な感じになってしまっていたし、淡々とした再現ドラマっぽさもあって、何故この題材を映画化したのか、というのがどうにも伝わりづらかったです。

作戦にかけられる時間は10分だけ、なんて、とっても映画向きな設定があったにもかかわらず、そのハラハラドキドキ感もほとんど感じられず。

しかもトム・クルーズというエンタメ性の高い俳優を起用しているのに、内容が結構地味で、だからといって、トムの新境地とまではいかなかったのもちょっと残念。

導入部で大量の人物が現れるので、ちょっと頭を整理するのが大変ではあったけれど、2時間それなりにしっかりと見ることができたものの、歴史番組みたいなので45分くらいで解説を交えながら、この豪華キャストによる再現VTRを見たほうが面白いのでは、と思ってしまったのでした。

あまり良い感想ではないのですが、実は自分、ブライアン・シンガー監督の作品で傑作と名高い「ユージュアル・サスペクツ」を何度観ても途中で眠くなってしまってまるで楽しめない人なので、もしかしたら、監督との相性があまり良くないだけなのかもしれません。

* * *

参考過去レビュー

映画「ヒトラー 最期の12日間」

この作品と同じくネタバレ状態で観ることは分かっているものの、描きたいこともバシバシ伝わってくるし、非常に見ごたえがあって、かなりの傑作だと思います。

うーん、「ヒトラー~」を観てしまっているがために、「ワルキューレ」に物足りなさを感じてしまったのではないかなぁ、という気がする。

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
同じ題材をドイツでTVドラマにした作品が、この作品の公開と前後して、
WOWOWで放送されるのを楽しみにしてるんですが、(だって主演がセバスチャン・コッホ)
これも是非、劇場鑑賞しようと思ってます。
目的はもちろん、脇をがっしり固めているであろう、英国のオジサマ俳優たちですが(^^ゞ

またちょっと先で、この作品を観たら改めてお邪魔しなおしますね。

投稿: 悠雅 | 2009年3月 8日 (日) 22時56分

>悠雅さん

コメントどうもありがとうございます!

セバスチャン・コッホがトム・クルーズの役どころなんですかね。
実在の本人は果たしてどんな人物なんでしょうか・・・。

英国俳優陣はまさに目白押しでしたので、
その点では間違いなくお楽しみいただける作品だと思いますよ!

ご覧になられたら是非是非ご感想をお聞かせください。

投稿: ANDRE | 2009年3月 9日 (月) 01時13分

こんばんは。
こちらにお邪魔した翌日、試写会に当選したことがわかり、
昨夜喜んで観て来ました。
いずれ観るからと、失礼ながら斜め読みさせて貰ったんですが、
今改めてしっかり読み直して
ほとんど似たような感想にびっくりしたり、納得したりです。
豪華英国俳優たちの出演は嬉しかったけど、
あまりに淡々と作られていて、
ちょっと肩透かし感が残りました。

ドラマ版も是非観ようと思いますが、さて、何に焦点が絞られているでしょう…

我が家のボロパソコン、ついにモニターがやられ、携帯からお邪魔しています。
記事はもちろん、TBも思うようにできないので、
パソコンが使えるようになったら、また改めてTBさせて下さい。

投稿: 悠雅 | 2009年3月13日 (金) 22時45分

>悠雅さん

悠雅さんも試写会でご覧になられたんですね!
携帯からのメッセージどうもありがとうございます。
パソコンが早く復帰されると良いですね。

そうなんですよ、
俳優陣には何の文句も無いんですが、
再現VTRを観ているような感じで、
もうちょっと映画として楽しませてもらいたかったかなぁと。

ドラマ版、どんな感じだったのか
ご感想をうかがうのを楽しみにしてます。

投稿: ANDRE | 2009年3月15日 (日) 00時48分

『マグノリア』を始めとして、トム・クルーズがシリアスな演技をする作品は結構好きなんです。
だからこの映画も個人的には好きな部類に入ります。

トム・クルーズも、もうそろそろ本格的にオスカーを狙いにいってもいいのでは?と思うんですけどね。
元妻や元彼女もオスカー女優になったことですし。

投稿: にゃむばなな | 2009年3月20日 (金) 19時36分

>にゃむばななさん

コメントどうもありがとうございます!

トム・クルーズ、作品選びがなかなか良くて、
面白い作品にたくさん出ているのに、
なかなかオスカーにたどり着けないですね。

この作品は、
好きな俳優がたくさん出ていて嬉しかったものの、
ちょっと淡々としすぎてて、
もうちょっと何か訴えてくるものがあったらなぁ、
と感じてしまったので、今一歩ハマりきれませんでした・・・。

投稿: ANDRE | 2009年3月21日 (土) 01時21分

こんにちは~♪
私もANDREさんと同じような感想を持ちました。
しかも『歴史番組みたいなので45分くらいで解説を交えながら、この豪華キャストによる再現VTRを見たほうが面白いのでは』ってことも考えました!!
解説を交えながらの再現VTRの方が、胸に迫ってくるものがあった気がします。
せっかく真面目に作られた映画なのに、深みがなかったのは残念でしたね~

投稿: 由香 | 2009年3月24日 (火) 17時39分

>由香さん

コメントありがとうございます!

同じようなご感想だったということで
共感していただき、どうもありがとうございます。
いろいろと悪くないのに、
もう一歩のところで、物足りなかったんですよねぇ。


投稿: ANDRE | 2009年3月25日 (水) 21時57分

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