映画「アメリカン・ティーン」
american teen アメリカ 2008 08年10月公開 DVD劇賞 |
アメリカの高校生たちの密着ドキュメントということで、面白そうだなぁと思っていた作品。自分、高校生活を描く映画が結構好きだということに気がついた今日この頃。
アメリカ、インディアナ州のごくごく平均的な地方都市ワルシャワに唯一ある高校に通う3年生の生徒達の中から5人に密着し、彼らの高校3年生の1年間を映し出していくドキュメンタリー。5人は以下の通り。
メーガン(女王様):
様々な課外活動をこなす学校のアイドル、名門ノートルダム大を目指す。
コーリン(スポーツ選手):
バスケ部の花形スター選手。
ミッチ(人気者):
顔良し、性格良しのバスケ部レギュラーはみんなの人気者。
ジェイク(オタク):
マーチングバンドに所属するも、練習以外は自宅でTVゲームに熱中。
ハンナ(変わり者):
アートを愛する個性の強い少女。
とても面白い作品ではあったのですが、ドキュメンタリーでカメラで撮られているにもかかわらず、皆さんがあまりにも開けっぴろげで、多少の演出はあるんだろうけど、君達そんなことして、全世界で上映されちゃうけど大丈夫?な場面が多数あるのにビックリ。
そんなちょっとした「やらせ」感があるのは事実なんですが、この映画は、これが完全にフィクションであったとしても、なかなか見ごたえのある作品になっていたと思います。様々なタイプの青春が詰まっていて、ドラマチックでスリリングで、ほろ苦い高校3年生の学生生活をたっぷりと味わうことのできる作品でした。
このドキュメンタリーを見ていると、アメリカの高校生活を描いた色々な青春映画の背景がとてもよく分かりますね。あの映画のアノキャラクターはこういうポジションの子なのか~、のような感じ。でもって、「ハイスクール・ミュージカル」がヒットするってのもよく理解できました。
1人ずつ感想を。
メーガン。彼女、この映画が公開されたら、「若気のいたり」では済まされないくらいのでは?と思ったのは自分だけでしょうか。女王様キャラとして紹介されたにもかかわらず、単に性格の悪い子みたいになってしまってるよ・・・。メール転送し始めたときはただただ唖然。彼女は彼女なりにいろいろあるんだってのは分かりますが、プライドを守るためにどんどん痛い方向に走っていって、ちょっと心配になってしまう感じでした。映画の公開が大学合格後で良かったね、って感じです。
コーリン。スポーツの花形選手はフィクションの世界だとイケメン担当ですが、現実だとなかなかそうはいかないんですかね。爽やか好青年だけど、彼自身の内面にもうちょっと入り込むような場面があっても良かったかなと。
ミッチ。老けた高校生だなくらいにしか思わないのですが、彼が人気者なんですねぇ。でもこういう人いますよね~。イケメン担当の人気者なんだけど、ドキュメンタリーにしてしまうと一番地味なキャラになってしまうのが面白い。
ジェイク。オタク担当の割にはジメジメしてませんね。ブラバンをやってるってとこで音楽系の部活だった自分はちょっと親近感。卒業後は見事に大学デビューを果たしたようで、なによりです。
ハンナ。自分の世界を作っちゃうタイプの子ですが、そこまで個性が強すぎるわけでもないのが微妙にリアル(ってドキュメントなんだけど)。家庭環境⇒誰かに愛されたいというのがダイレクトに感じられるあたり、素直で良い子なんだろうなと思います。
さて、自分の高校3年生はどんなだったけとか、いろいろなことを思いながら見ることができたのも面白かったです。自分の高校時代はとにかく濃くて、あれがたった3年間のできごとだったとは到底思えないほどに様々なことをしていました。高2が一番濃かったんですが、高3のときも、受験勉強は2の次にフラフラと趣味に流されてしまう少年でした(今と変わってない)。基本的に超ポジティブな少年だったので、あまり悩んだりせず、ぼけーっとマイペースに楽しんでました。
ちょっと(?)脱線しましたが、本線に戻りますと、この作品は「アメリカン」とはついているものの、高校生の悩みやバカっぷりというのはどこの国でも同じだなぁというのを改めて感じさせてくれる作品でもありました。ただ、やっぱり車があるので、行動範囲はだいぶ違うんだろうなぁとは思いますが。
うん、良いドキュメンタリーでした!
* * *
参考過去レビュー
進路に悩むアメリカの高校生たち
今回のドキュメントには登場しないタイプの少年たちが主人公。
ハンナはこの作品のイーニドと同じタイプの子ですよねぇ。
女王様もバスケ部のスターも登場する現代のアメリカの王道青春物語。
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