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2009年4月30日 (木)

映画「バーン・アフター・リーディング」

Burn after Reading [Original Motion Picture Soundtrack]

burn after reading

アメリカ

2008

09年4月24日公開 

劇場鑑賞

旅先の奈良で、ぶらりと映画館の前を通りかかると、ちょうどレイトショーがはじまるところ。どうせ夜一人ですることもないので、ここぞとばかりに観てきちゃいました。

アカデミー賞受賞の「ノー・カントリー」が記憶に新しいコーエン兄弟の新作で、なにやら楽しげな感じのコメディのような感じの予告編を見て気になっていた作品です。

CIAを辞めたオズボーン(ジョン・マルコヴィッチ)はCIAの暴露本となるような回顧録の執筆を決意し、その構想を練る日々を過ごしていた。

オズボーンの妻ケイティ(ティルダ・スウィントン)は財務省連邦保安官のハリー(ジョージ・クルーニー)との情事を重ねていた。

そのハリーは目下ネットの出会い系サイトにハマリ中の変態プレイボーイ。

そして、ハリーと同じく出会い系サイトでの出会いを求めているスポーツジム勤務のリンダ(フランシス・マクドーマンド)は全身整形に憧れを抱いていた。

あるときスポーツジムでCIAの極秘情報の入ったCD-Rの落し物が発見され、ジムで働く陽気なチャド(ブラッド・ピット)は大興奮。持ち主を脅せば大金が手に入るのではないかとリンダと2人で作戦を練りはじめる。

微妙にすれ違う人間模様が最後にはとんでもない大事件へと発展していく・・・。

予告の感じからもっとアメリカンなコメディだと思ってたんですが、そこはコーエン兄弟、一筋縄ではいきません。コテコテのコメディを期待していくと、多分、かなりの肩透かしを食らうことになるのではないかと。笑いの質がちょっと曲者なのです。

てか、これさ、TVとかであんなに大量にCM流して全国公開するような作品じゃないですよねぇ。ミニシアターとかで、ひっそりと上映したほうが良いと思います。あのCMや予告編で期待して、ブラピ主演のコメディとか思って観にいくと、ガッカリする人が多いのではないでしょうか。

この作品の笑い、ちょっとブラックで皮肉たっぷりで、癖のあるキャラがたくさん出てきて、意外なキャストに意外な台詞を言わせたり、細かいネタで笑わせようとするところも多くて、雰囲気としては邦画のコメディのテイストだよな~と思いました。「時効警察」なんかの三木聡とか、クドカンとか。

ただ、台詞の意外性とかが字幕だとどうしても伝わりにくい。頑張って翻訳してるんですが、それが逆に、寒い感じになってしまっているんですよね。これは多分、英語での台詞回しと、その喋り方なんかがキーになっているので、字幕の限界なのではないかと。

でも映画としては嫌いじゃありません。笑いどころをちゃんと押さえた上で改めて見ると多分、もっともっと楽しめるんじゃないかと。

あと、オチが、とってもアメリカンジョーク。この映画に語り手がいたとしたら、最後は「な~んてね!」と言って、肩をすくめて両手をあげそうな感じのラスト。この辺も笑いの感覚の違いなのか、ちょいと分かりづらいよ・・・。

分かりづらいといえば、「なぜロシア?」ってのもちょっと分かりづらい。

基本的に、「どうしようもなく下らないことをやってるのを、とーっても真剣に撮影してみました。」って感じも笑いどころなんだろうけど・・・。

ストーリー的に、どういう風に転がるのかが全く分からないまま、複数のストーリーが平行して進んで、それぞれの絡みが明らかになってくるまで、頭の中はハテナマークがいっぱいでした。しかし、それが一つに繋がるときに爽快感があったかといえば、そうでもなくて、なんだか良く分からない印象が最後まで続いてしまったという・・・。

でも、途中の衝撃的な展開から物語は一気に面白くなったと思います!コーエン兄弟は容赦ないですね~。

この映画のブラピ、個人的には「ベンジャミン・バトン」よりもずーっと良かったと思います。こういう軽いノリのキャラの方が似合ってるんじゃないですかねぇ。

ギャップの点では、ジョージ・クルーニーのほうがインパクト大でしたよねぇ。これ、PG12指定でも大丈夫なのか!?

* * *

参考過去レビュー

この映画を見ていて思い出した作品。

映画「ダーウィン・アワード」

不可解な事件の裏に潜まれたバカな真実を探る話。

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コメント

こんにちは~♪
『どうしようもなく下らないことをやってるのを、とーっても真剣に撮影してみました。』
そういうノリも楽しめれば良かったのですが、私はあくまでクダラナイなぁ~と思っちゃいました(汗)
仰るように笑いの質も曲者で、個人的には失笑に近かったですし。
これはコーエン監督をお好きな方にはツボがあるのでしょうが、万人には伝わり難いですよね~
でもキャストは楽しめました!ブラピのチャドはハマっていましたよね

投稿: 由香 | 2009年5月 2日 (土) 13時08分

>由香さん

コメントどうもありがとうございます。

自分も、内容としては
くっだらないな~と思いながら見てましたね~。

失笑は確かに多かったのですが、
割と字幕の日本語がいけてないために、
笑うに笑えない場面が結構あったように思います。

ブラピ、
ベンジャミン・バトンよりもこちらのほうが
ずっと良かったように思います。
割とこの路線で売り出しても
良い感じでいけるのではないかと思います。
今さらおバカなラブコメに出てみるとか。

投稿: ANDRE | 2009年5月 3日 (日) 00時31分

この映画のブラピが「ベンジャミン・バトン」よりもずーっと良かった…、とはまた大胆なご意見ですね・・・。こんな軽いコメディーもこなせるんだという役者としての幅広さに感心しましたが・・・。私は、この映画、退屈してみました。したがって、ブログには書いてません。

投稿: 流石埜魚水 | 2009年5月 8日 (金) 19時19分

>流石埜魚水さん

こちらにもコメントいただきまして
どうもありがとうございます。

「ベンジャミン・バトン」が作品としても
そこまでハマることができなかったので、
今回の年齢を全く感じさせずに
軽い男を生き生きと演じているブラピを見て、
こちらのほうが自分の中ではしっくりときてしまいました。

投稿: ANDRE | 2009年5月10日 (日) 01時27分

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