映画「ヤッターマン」
ヤッターマン 日本 2009 09年3月公開 劇場劇賞 |
オリジナルの世代ではないものの、子供の頃、再放送などで慣れ親しんだヤッターマンが実写化ということで、気になっていた作品。果たしてその完成度やいかに!?
泥棒の神様ドロンボーの手下であるドロンジョ(深田恭子)、トンズラー(ケンドー・コバヤシ)、ボヤッキー(生瀬勝久)の3人はドクロストーンを探すため、ロボットを作っては様々な悪の限りを尽くし、それを阻止しようとするヤッターマン1号(櫻井翔)と2号(福田沙紀)の2人と毎週毎週熾烈なバトルを繰りひろげていた。
あるとき、ドクロストーンを発見した考古学者の海江田博士が行方不明となり、その博士の娘(岡本杏理)と出会ったヤッターマンたちはドクロストーンを狙うドロンジョたちを阻止すべく、オジプトへと向かうのだが・・・。
いや~、思ってたのよりもずっと面白かったです!これ、完全にヤッターマン世代の大人向きですよね。そういう意味ではお子様達にはちょっと申し訳ないし、人気アイドルを主演にして春休みに公開するのもいかがなものかと思わないでもない作品だったと思います。
開始早々、次々に画面に現れるタツノコプロのキャラクターたちに喜び、これまた次々と現れるお約束の数々に歓喜し、くっだらないコネタに笑い、実写化すると妙に生々しくなる下ネタのオンパレードに失笑し(これかなりエグかったので、嫌悪感を覚えてしまうと辛いかも)、素晴らしいまでのCGで再現されたヤッターマンの世界にどっぷりと浸かれる2時間でした。
特撮ドラマみたいな安っぽさがあるんじゃないかと思ったんですが、ここまでの映像でみせてくれたことは本当に感謝感謝です。
ちなみにこの映画、あくまで「毎週放送されているアニメ」という世界観を崩していないところもかなりの見所です。そのため、映画の内容がちょっとダラダラしてしまってるような部分も、30分のアニメを4話続けて見ているような気分で鑑賞すれば、一気にほほえましくなります。
この作品、作り手が、「実写化する」ということを逆手にとって非常に楽しんでいて、アニメではあまり気にならないようなできごとを忠実に実写化することで生まれる不自然さをそのまま笑いに変えてしまう手法が非常に上手かったと思います。
強引なストーリー展開や、ありえない人間の動き(ヤッターマンって基本的に一般人ですからね)、ヤッターワンでの移動などなどアニメでは割と普通と思われる部分が完全に笑いになっていたんですが、それがバカにしてる風でもなくて、自分は逆に好印象でしたね。
あと、「やったー、やったー、ヤッターマン」の妙に間の抜けた感じ(笑)
このあたりも、実写=リアル路線を走ってしまうと、中途半端になりかねないので、この「アニメを忠実に実写化」というのは英断だったのではないでしょうか。
ストーリーではあと、もともとのアニメもそうですが、基本的に3人の悪党たちメインで、ヤッターマン&海江田娘の扱いの悪さ!みなさん、完全に空気になっている場面も多数(特に娘)で、ドロンジョ様主役なのでは?と思ってしまうほどでしたね。せっかく人気アイドルをキャスティングしたのにこの扱いの悪さも個人的にはちょっと好きです。
全体的に、ヤッターマンたちのネタは実写化することで笑いのタネに変えられてしまってるものが多かった一方で、悪役達の活躍の実写化は本当に素晴らしくて、インチキ商売も、メカ達も、豚もおだてりゃに代表される1つ1つの定番ネタの数々もどれもが完成度が高くて見ごたえたっぷりでしたよね。
ちなみに博士の娘の超人的な体力は必見でしたね(笑)でもって、まさかのお色気担当。太モモはやりすぎだろ~。
キャストでなんといっても笑わせてくれたのは阿部サダヲ。途中まで、今回は大人しいなぁと思っていたのに、最後の最後で抜群のサダヲ節が全開。これもアニメなんかだとよくある設定なのを、完全に笑いに変えてしまってましたね~。
深田恭子、ドロンジョはもうちょっとセクシーで大人っぽい印象のほうが好みですが、悪くなかったと思います。彼女、決して演技力のある女優さんとは言えないと思うのですが、作品選びが非常に上手くて(監督たちが使いどころをわきまえてるともいえますが)、その味を上手く生かした作品が多い女優さんですよね~。
ボヤッキーの生瀬勝久は安心感のあるコメディアンっぷりで、完全にボヤッキーになりきってくれてましたね~。顔の形なんか全然違うはずなのにお見事です!!
あと、特別ゲストとして、嬉しいサプライズがあるんですが、個人的には、彼らが登場したときに「のび太とジャイアンだ!」と感動してしまった大山ドラえもん世代な自分。
そんなわけで、今度、新橋に行ったらSLの下をよく観察してみようかなと。まさかあんなところにヤッターマンの基地があったとは!外観がうつった途端、「新橋じゃん!」な感じで興奮してしまいました。
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コメント
なるほど、TVでもたまにやる2時間スペシャル的な感じで見ればよいのですね! 来週も見たい!
「新橋」は「スンバシ」と読むのでは?!(笑)
投稿: とも | 2009年4月 4日 (土) 21時18分
>ともさん
次回予告では来週って言ってましたよね~。
はてさて次回作は作られるのでしょうか・・・。
はっ、オジプトだからスンバシ!?
でも渋谷は渋山だったので、
古橋?
投稿: ANDRE | 2009年4月 5日 (日) 00時47分