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2009年5月 7日 (木)

映画「情愛と友情」

情愛と友情 [DVD]

brideshead revisited

イギリス

2008

日本未公開

DVD鑑賞

どう見ても、当初は劇場公開用に準備していたとしか思えないやたらと立派な公式サイト(コチラ)のある未公開英国作品。英国文芸モノ映画ファンとしては見逃せない1本です。

原作はちょっと前に読んだイーヴリン・ウォーの『回想のブライズヘッド』(『ブライズヘッドふたたび』)。英国では80年代にBBCが製作したドラマが大好評を博したそうで、今回の映画化は、エマ・トンプソンが出演しているということで、ちょっと楽しみにしてたのにまさかの未公開。ちなみに監督は『キンキー・ブーツ』のジュリアン・ジャロルド。

ロンドンのパディントンに父と2人で暮らす主人公のチャールズ(マシュー・グード)はオックスフォード大に入学することになり、そこで自分とは身分の違う侯爵家の子息であるセバスチアン(ベン・ウィショー)と知り合い2人は親友となる。やがてリチャードはセバスチアンの実家であるブライズヘッドという豪邸を訪れるようになり、魅力的なセバスチアンの妹のジュリア(ヘイリー・アトウェル)にひかれていく。

ブライズヘッドに暮らすフライト家では、敬虔なカトリック教徒である母親(エマ・トンプソン)が強い影響力を持って君臨しており、4人の子供達の中でもセバスチアンとジュリアはその呪縛からは逃れようと、カトリックから離れた生活をしようとしていた。あるとき、同じように母の呪縛から逃れるように愛人と2人でヴェネチアで暮らしているセバスチアンの父親のもとで過ごしていたリチャードはそこでジュリアと急接近するのだが、その場面をセバスチアンに目撃されてしまう。同性愛的愛情でつながれたセバスチアンとの関係や、美しい妹のジュリアとの関係の中で、そして、ブライズへッドを支配する母によるカトリックの影響下で無神論者であるリチャードが目撃するこの家族の辿る数奇な運命を描き出す。

うーん、原作どおり宗教色の強い作品なので、全国公開はちょっと厳しかったかもしれませんが、立派なお屋敷やヴェネツィアなど映像も楽しませてくれるので、ミニシアターでも公開して欲しかったですねぇ。

原作を読んでから観たのですが、全体的にセバスチアンとの関係とこの作品の肝であるカトリックの信仰問題の部分に大きく焦点をあてた映像化で、エピソードの選択もなかなか上手かったと思います。ただ、セバスチアンがメインになってしまって(確かに彼は面白いキャラクターなのですが)、ジュリアとの物語が割とあっさりしてしまったのがちょっと残念。ま、2時間程度で収めるとなると仕方ないのかもしれませんが・・・。

原作本は上下巻だったのですが、上巻エピソードは結構しっかり描かれたものの、下巻エピソードはラストのブライズヘッドでのクライマックスを描くために、かなり大胆にカットされてしまっていて、あまりのカットっぷりに内容が分からなくなる人もいるのではないかと思うくらいでしたね・・・。

しかしながら、ブライズヘッドのお屋敷映像をたっぷりと堪能できたのは英国好きとしてはこの上ない至福の一時でした。あの素晴らしすぎる邸宅は外観も内装もため息が出るほどに美しかったです☆

セバスチアンを演じたベン・ウィショーは、それはそれは見事なセバスチアンっぷりで、危い感じの青年を熱演していましたね~。でもテディベア君が思ったよりも可愛くなかったのがちょい残念。

あと、エマ・トンプソンは期待を裏切らない堂々たる存在感で映画を引き締めてくれました!ここまで厳しい彼女はなかなか観ることができないですからね~。

うーん、タイトルの「情愛と友情」というのは恐らく同じく英国作家のオースティンの作品である「高慢と偏見」や「感性と知性」などと同じ感覚でつけたんだろうけど、まるで作品の内容を表していませんよね。この作品は宗教的な要素が強いので、せめて「情愛と信仰」とかが良いのではないでしょうか。ま、そんなタイトルだと見る人が一気に減ってしまいそうですが。ここは素直に「ブライズヘッド再訪」とかで良かったように思います。

* * *

参考過去レビュー

原作本「回想のブライズヘッド」 イーヴリン・ウォー

* * *

監督のジュリアン・ジャロルドの前作

映画「キンキー・ブーツ」

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