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2009年5月15日 (金)

「アジア新聞屋台村」 高野秀行

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

アジア新聞屋台村

高野秀行

集英社文庫 2009.3.
(original 2006)

紀行文を読むのが好きなので、特に感想をブログでは書かないものの、割とたくさん読んでます。そんな紀行文作者で有名な高野氏による青春小説(?)です(実話も多く盛り込まれたフィクションなのだと思います)。

主人公のタカノ氏は、アジア各国語の新聞を発行しているエイジアンという会社で記事を書くことになったのだが、台湾人社長が運営するその会社のあまりの混沌さと新聞を発行しているとは思えないような編集作業に驚き、編集顧問としてその会社に出入りするようになる。台湾、韓国、タイ、インドネシアなど各国から集った個性豊かな従業員たちと共に、新聞発行にいそしむ姿を描く青春記。

主人公の名前もタカノ氏だし、作中でタカノ氏が書いて後に出版されたという「タイ人気質」というエッセイは実際の高野氏の仕事だし、何よりも、描かれる会社の様子や人間模様がエッセイとしか思えないようなリアルさがあり、どこまでが本当でどこまでがフィクションなのかなと思ってしまうほどに、「実録モノ」っぽい作品でした。

高野氏が自らの経験を非常に上手く物語に取り入れているので、アジア各国の気質の違いなども、エッセイを読んでいるような面白さがありました。

ただちょいと気になったのは、主人公がやたらと上から目線だったこと。会社やそこで働く人たちに対して、「ちょっとダメだけど憎めない人」的接し方をしていて、「ダメ」の部分を語るときの口調があまり好きではなかったかなぁ・・・。

ストーリー的にはそんなに若い主人公でもないのに、高校生かと思わせるような純なエピソードも飛び出して、なかなか楽しませてくれる1冊でした。後半もドラマチックに盛り上がって、エッセイ調でありながら、しっかりと物語が成立しているところが面白かったです。後半に行くに連れて小説っぽさがアップしてるような印象かなぁ。

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