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2009年5月19日 (火)

映画「消されたヘッドライン」

Poster01

 

state of play

アメリカ

2009

2009年5月22日公開

試写会鑑賞

先日、試写会に当選して観にいってきました。

舞台はワシントンD.C.。あるとき、黒人少年が何者かによって射殺され、現場に居合わせたピザの配達員も撃たれ重症になるという事件が起きる。同じ頃、国会議員スティーヴン・コリンズ(ベン・アフレック)のもとで働く女性ソニア・ベーカーが出勤途中の地下鉄で謎の死を遂げる。

ソニアの死を受けて記者会見を開いたスティーヴンだったが、その会見で彼は泣き出してしまい、世間はスティーヴンとソニアが不倫関係にあったことを大きく報じる。

ワシントン・グローブ紙の記者カル・マカフリー(ラッセル・クロウ)は学生時代からの友人であるスティーヴンのことを気にかけていたが、たまたま取材をしていた黒人少年の殺害事件で、被害者の少年の携帯履歴にソニアの名前を発見し、この2つの事件の接点を求めて、ソニアの事件を取材していたWeb版担当の若い女性記者取材デラ(レイチェル・マクアダムス)と共に事件の核心を追い始めるのだが・・・。

実は応募したことさえ忘れていて、ほとんど前知識を入れずに観たのですが、タイトルに「state of play」と出たときに、「おや?」と思い、議員が記者会見で涙を見せる場面で確信。その後、調べたらやっぱりそうでした。

これ、昨年、NHKのBSで放送されてたイギリスのドラマ「ステート・オブ・プレイ 陰謀の構図」(2003年BBC製作)の映画化じゃないですか!

と、その瞬間、ストーリーを全部知ってることも同時に発覚してしまったので、弱冠モチベーションも下がったのですが、最後まで割と楽しく観ることができました。人間関係がすっきりしてたり、舞台がアメリカになったことで、裏に登場する会社なんかの設定がちょっとアメリカっぽく変わってたりしてましたが、ストーリーはほぼ同じでした(記憶もやや曖昧ですが)。

この物語は事件を追うのが刑事ではなくて、新聞記者だってのが面白いですよねぇ。自分の足で、他の新聞社や警察サイドと情報の攻防戦を繰り広げながら、真実を追う面白さは映画版でも健在。

ドラマ版は1時間番組の全6話だったものが、映画だと2時間ほどで描かれるので、ダイジェスト版のようになるのではないかとも思ったのですが、意外にも「第1話」部分をかなり丁寧に描いていて、逆に観ながら、「まだ、第1話の内容だけど、このペースで2時間でまとめられるのか?」と心配になってしまうような感じ。

ただ、このお話、結構地味でやや中だるみというか、テレビドラマのほうは面白いものの、ちょっと退屈な部分があったのも事実なので、意外と2時間でまとめちゃったほうが観やすかったようにも感じました。映画で初めて観る人はちょっと整理が大変かもしれませんが。

でも映画にするんだったら、もうちょっとスリリングな演出にしたほうが、画面映えしたかなぁと言う気がしないでもないです。やっぱり、全般的に面白いんだけどちょいと地味なんですよねぇ。

あと、ラストをドラマ版と変えてくるかと思いきやそのままだったのが意外といえば意外。

キャスト関係ですが、イメージがあまりにドラマ版と違う為、ものすごいギャップが。特にラッセル・クロウ(ドラマはジョン・シム)の髪型が・・・。ベン・アフレック(ドラマはデービッド・モリッシー)もスマートすぎる印象なんですよねぇ。キーパーソンとなるドミニクもドラマ版のマーク・ウォーレン(『華麗なるペテン師たち』にも出てましたよね~)とは似ても似つかぬジェイソン・ベイトマン。一方、女性陣はそこまでの違和感はなし。映画単独では結構良いキャスティングだとは思うんですけどね。

ヘレン・ミレンはドラマ版とは違って女性編集長を熱く演じてましたが、CMでよく流れてる場面以外は活躍どころも特になくって感じでしたねぇ。

Img003

 

主人公の片腕デラを演じるレイチェル・マクアダムスは先日見た「あぁ、結婚生活」のときよりも今回の役柄の方が好き☆

Img004

 

ところで、ラッセル・クロウとベン・アフレックが学生時代からの友達ってのは、ちょっと年齢設定的に無理があるような・・・。

Img002

そうそうエンドロールの新聞印刷映像が結構ツボでした♪

余談ですが、この映画の宣伝で「アメリカの闇」などの言葉が結構使われているんですが、もともとのBBCのドラマがイギリスを舞台にしていたので、その辺りにもちょっと違和感が。国に関係なく「現代社会の闇」って感じで、似たようなことはどの国でも起こりそうですよねぇ。

* * *

今回の試写会、試写の前にザ・ニュースペーパーがネタの披露をするイベントがあったのですが、なんと試写会当日朝のニュースを早速ネタにしていて、時事ネタがメインなのだから当然なのかもしれませんが、ネタの新鮮さに驚いてしまいました。結局一人二役な結果になっちゃいましたが、今後どうされるんですかねぇ。

* * *

試写会時に宣伝をしていたので、ついでにこちらにも登録してみました。

記事中の写真はこちらから提供していただいたものを利用しています。どうもありがとうございます。

映画『消されたヘッドライン』ワシントン・グローブ社日本支社発 市民ジャーナリスト・サイトバナー

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コメント

TB/コメントありがとうございます。

年齢的違和感、やはり感じますよね。
きれい汚いはいいんですけど。

新聞製作もよかったですね。
電子入稿で、電子写植で、輪転機以外が見れたし。

>「アメリカの闇」
やっぱり戦争の国だからでしょうか。

投稿: KGR | 2009年5月19日 (火) 13時49分

これね。映画化されると、日本での放送時から知ってたんです。
その時から、「なんで、ラッセル・クロウだぁ?」と思ってたら、
散々シネコンでかかる予告で「アメリカの闇」って言われて、
いや、元は英国ですけど、とツッコミ入れたり(笑)
さて、観るべきかどうしたものか、とわが家で先日もお喋りしてたんですが…
だって、あまりにも主役のイメージ違うし。
ビル・ナイ、ヘレン・ミレンになってるし。
しかも、ジェームズ・マカヴォイの役がない~?
(これは、まぁ、仕方ないと理解できますけどね)
まだちょっと迷いつつも、やめとくかな?に傾いてます。。。

投稿: 悠雅 | 2009年5月19日 (火) 22時25分

>KGRさん

コメントいただきましてどうもありがとうございます。

もともとはブラピとエドワード・ノートンが
キャスティングされていたようなので、
そちらのほうが年齢的にも役柄的にもしっくりきたように思います。

新聞製作の映像は思った以上にしっかりと見せてくれたのが
嬉しかったですね!

 
* * *

>悠雅さん

コメントどうもありがとうございます!

やっぱり、「アメリカの闇」は気になりますよね~。

応募したことさえ忘れていた試写会だったので、
なんとなく行って、
議員が記者会見で泣く場面を見た瞬間、
思わず声を出しそうになってしまいました。

映画としては悪くはないのですが、
キャスティング含めちょっと地味な印象でした。

いっそのこと、ドラマ版のキャストで映画化してくれれば
良かったのになぁなんて思います。

ジェームズ・マカヴォイは存在すら
いなかったことになってしましたね・・・。

劇場鑑賞はパスされても、
そのうちテレビ放送などもあると思いますし、
何かの機会でご覧になられても
そこまで酷く損することはないと思います。

投稿: ANDRE | 2009年5月21日 (木) 01時08分

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