「Diary of a wimpy kid」 Jeff Kinney
diary of a wimpy kid Jeff Kinney (original 2007) |
全米の子供たちに大人気で、今年にはシリーズ4冊目が刊行され、映画化も決定しているというウェブ連載されている作品。書店の洋書売り場で見かけてパラパラとめくってみたところ、ちょっと面白そうだったので読んでみました。
「グレッグのダメ日記」の邦題で日本語訳も出ているようです。
主人公はミドルスクールに通うグレッグ少年。
グレッグは弟と兄と両親の5人で暮らし、特技はTVゲーム、運動はそこそこ、成績はちょっと良い感じで、学校では平凡なグループに属しているようなどこにでもいる少年。
下らない理由で生徒会に立候補したり、体育の授業でレスリングをやったら男子たちの間でレスリングブームになったり、お化け屋敷から戻ってきて友人と二人でお化け屋敷を作ってみたり、良い歳して超真剣にハロウィンの計画を立てたり、クリスマスプレゼントの悲劇があったり、友人のギプスに憧れたり、学芸会で大騒動があったり、グレッグ少年の1年間を彼の書いている日記という形式でイラストと共に描いていく。
メインのターゲットは小学生くらいだと思うんですが、大人が読んでも普通に声を出して笑ってしまう場面が沢山あって、非常に面白い作品でした。てか、恐らくここ数年で一番笑った本です。全米での大ヒットも納得。
こんなに面白くて邦訳も出ていると言うのに、日本では全くメジャーになっていないのが不思議でたまらないです。
イラスト入りの日記という形式の使い方が非常に上手くて、ここぞという絶妙のタイミングで挿入されるイラストでたっぷりと笑わされてしまいました。この文とイラストの間の取り方が本当に上手い。
笑いの質としては初期の「ちびまる子ちゃん」なんかに非常に近いんですよねぇ。登場するネタがそもそもよく似ているし(上の内容説明を見れば分かるかと思いますが)、子供の日常の描き方のシニカルさとかもとても近い。「いけてない」グループに属するような主人公が、自分の日記の中では言いたい放題で強気発言連発なところとかも。
あと、アメリカの作品なんですが、アメリカの子供達の生活を垣間見る面白さもあるんですが、「えんがちょ」が出てきたり、子供達のすることは基本的にどこの国でも変わらないんだなぁというのも感じられて、登場するネタのほとんどが日本でも通用するので、何度も言いますが、もっともっと日本でメジャーになっても良いのになぁという感じです。
好きなエピソードはお化け屋敷かなぁ。学芸会の「オズの魔法使い」も鉄板で楽しませてくれましたね~。あと、思わず突っ込みたくなってしまうハロウィンの時の父とクリスマスの時の母。
キャラで好きなのは兄のロドリック。夏休み中にわざわざ学校に行く服に着替えて、「お前、夏休み中ずっと寝てたぞ!!」とか言って深夜に弟を起こすような手のこんだイタズラとかかなり良い感じ。
そんなわけで、読み終えてすぐに続編も手に入れてしまいました。続きを読むのがかなり楽しみ☆
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「足音がやってくる」マーガレット・マーヒー(2013.05.30)
- 「SOSの猿」伊坂幸太郎(2013.05.05)
- 「死美人辻馬車」北原尚彦(2013.05.16)
- 「俺の職歴」ミハイル・ゾーシチェンコ(2013.04.01)
- 「エムズワース卿の受難録」ウッドハウス(2013.03.24)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント