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2009年6月

2009年6月30日 (火)

「Diary of a wimpy kid」 Jeff Kinney 

Diary of a Wimpy Kid

diary of a wimpy kid

Jeff Kinney

(original 2007)

全米の子供たちに大人気で、今年にはシリーズ4冊目が刊行され、映画化も決定しているというウェブ連載されている作品。書店の洋書売り場で見かけてパラパラとめくってみたところ、ちょっと面白そうだったので読んでみました。

「グレッグのダメ日記」の邦題で日本語訳も出ているようです。

主人公はミドルスクールに通うグレッグ少年。

グレッグは弟と兄と両親の5人で暮らし、特技はTVゲーム、運動はそこそこ、成績はちょっと良い感じで、学校では平凡なグループに属しているようなどこにでもいる少年。

下らない理由で生徒会に立候補したり、体育の授業でレスリングをやったら男子たちの間でレスリングブームになったり、お化け屋敷から戻ってきて友人と二人でお化け屋敷を作ってみたり、良い歳して超真剣にハロウィンの計画を立てたり、クリスマスプレゼントの悲劇があったり、友人のギプスに憧れたり、学芸会で大騒動があったり、グレッグ少年の1年間を彼の書いている日記という形式でイラストと共に描いていく。

メインのターゲットは小学生くらいだと思うんですが、大人が読んでも普通に声を出して笑ってしまう場面が沢山あって、非常に面白い作品でした。てか、恐らくここ数年で一番笑った本です。全米での大ヒットも納得。

こんなに面白くて邦訳も出ていると言うのに、日本では全くメジャーになっていないのが不思議でたまらないです。

イラスト入りの日記という形式の使い方が非常に上手くて、ここぞという絶妙のタイミングで挿入されるイラストでたっぷりと笑わされてしまいました。この文とイラストの間の取り方が本当に上手い。

笑いの質としては初期の「ちびまる子ちゃん」なんかに非常に近いんですよねぇ。登場するネタがそもそもよく似ているし(上の内容説明を見れば分かるかと思いますが)、子供の日常の描き方のシニカルさとかもとても近い。「いけてない」グループに属するような主人公が、自分の日記の中では言いたい放題で強気発言連発なところとかも。

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2009年6月28日 (日)

「修学旅行は終わらない」 村崎友

修学旅行は終わらない (MF文庫 ダ・ヴィンチ む)

修学旅行は終わらない

村崎 友

メディアファクトリー文庫 2008.8.
(文庫オリジナル)

たまたま見かけて、ちょっと面白そうだなと思い、何の前知識もなく読んだ1冊。『ダ・ヴィンチ』での連載をまとめた作品とのこと。

舞台はとある高校の修学旅行最終日の夜。先生達の見回り表のコピーが出回り、見回りの隙をついて、2階に宿泊する一馬、ごっちゃん、甚太の3人は女子部屋のある3階へ。甚太の彼女である葵のいる部屋になんとか潜入することに成功した3人だったが、そこに予定外の先生の巡回が!

一話ごとに語り手を変えながら、主人公達の修学旅行最後の夜の大騒動を描いていく。

厳しい指導で恐れられるカジイ先生、酒盛りをはじめて正座させらてしまうグループや、2階の部屋でマイペースに過ごす男子達といった個性豊かな脇役たちが彩る中、謎の幽霊騒動までおとずれて、彼らの修学旅行は一体どうなってしまうのか!?

サクッと読めて楽しめるなかなか面白かったです。

文学的な深さとかそういうものは薄いのかもしれないけれど、高校時代の修学旅行のワクワク感を思い出させてくれて、とても爽やかな気持になれる、まさに拾い物の1冊でした。

特にラストの爽やかさが非常に印象的で、読後には、自分の修学旅行の思い出をあれこれと思い出したりして、「修学旅行」をキーワードに気持の良い余韻がしばらくの間続いたのも嬉しかったですね~。

修学旅行って高校時代の超ビッグイベントの1つなのに、それを題材にした作品って実はそんなに多くないですよね。部活動なんかを描く青春小説でも、なぜかスルーされてしまうことが多いように思うので、この作品はなかなか貴重な存在ではないかと。

語り手を変えて、時間軸も行ったり来たりしながら、徐々に一夜の騒動の実態と、登場人物たちの人間模様が明かされていく構成は、作者が横溝正史ミステリ大賞の受賞者ということもあって、非常にしっかりとしていて、程好いテンポで、小気味良く読ませてくれました。

あと、ちょっと嬉しかったのは、文化部の子も運動部の子も満遍なく活躍する内容だったとこ。

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2009年6月27日 (土)

映画「正しい恋愛小説の作り方」

正しい恋愛小説の作り方 [DVD]

toi et moi

フランス 

2005

日本未公開

DVD鑑賞

なんとなくな感じでフレンチづいてる今日この頃。今回は日本未公開のフレンチなラブコメです。

雑誌に恋愛小説を書いている姉のアリアヌ(ジュリー・ドパルデュー)とオーケストラでチェロ奏者をしている妹のレナ(マリオン・コティヤール)の姉妹。2人とも恋人がいるのだが、結婚願望の強いアリアヌとは裏腹に彼女の恋人はいつも仕事優先、一方のレナも教師をしている恋人とはどうもしっくりときていない。

そんな2人だったが、アリアヌの暮らすマンションの補修作業をしているスペイン人や、レナのオケにソリストとしてやってくるヴァイオリニストが現れ、アリアヌは身の回りの人々を題材に小説を書いていくのだが。果たして2人は、恋愛小説のような幸せを手に入れることができるのだろうか・・・という物語。

なんだかフレンチな恋愛価値観って、ときどき戸惑いますよね。どこか上手くいってないとはいえ、婚約者がいるのに、普通に恋人作っちゃうのは流石です。

全体につまらなくはないんだけど、ものすごく面白いわけでもない、といった感じの作品ですね。

劇中に姉の書く小説が頻繁に出てくるのですが、それが色鮮やかな静止画を使った映像で、どちらかというとドンヨリとした場面の多い本編と対照的で面白いには面白いんですが、この小説の登場する意義自体がやや薄めな印象で、ちょっと冗長に感じてしまいました。

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「七つの人形の恋物語」 ポール・ギャリコ

七つの人形の恋物語 (角川文庫)

七つの人形の恋物語
(love of seven dolls)

ポール・ギャリコ
(Paul Gallico)

角川文庫 2008.8.
(original 1954)

ミュージカル化されていたりすることでも有名なギャリコの作品。文庫は名作「スノーグース」が併録されてますが、今回は、「七つの人形の恋物語」にだけ触れて記事を書きます。

主人公ムーシュはパリに出て女優になる夢が破れ、落ちるところまで落ちてしまった人生に悲観し、自らの命を絶とうとセーヌ川へと向かう。そんな彼女に声をかけたのは、人形劇の人形達であった。そして、人形達と話をするうちに、ムーシュは彼らの巡業に同行することになる。

人形達の主催している冷徹な男キャプテン・コックに怯えながらも、人形達のあたたかな愛情に囲まれて巡業を続けるムーシャであったが・・・

ネタバレせずに感想を書くのが難しい作品ですね・・・。

7体の人形たちのキャラが皆素晴らしいし、ムーシュの運命の行く末にも目の離せない作品でとても面白かったです。ギャリコ作品って一定のクオリティがありますね。しかも、ジャンルが全く違う作品で良い作品を量産しているのが純粋に凄いなぁと思う。

そんなわけでネタバレっぽくなりそうなので、以下反転して感想を。

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2009年6月23日 (火)

映画「モンテーニュ通りのカフェ」

モンテーニュ通りのカフェ [DVD]

fauteuils d'orchestre

フランス 

2006

2008年4月公開

DVD鑑賞

巴里を舞台にした人間ドラマということで、気になっていた1本。

舞台はパリ8区にあるモンテーニュ通り。

主人公は祖母と暮らしていた田舎から出てきてモンテーニュ通りにあるカフェで働くことになったジェシカ。カフェの近くのシャンゼリゼ劇場では、ピアノのコンサート、演劇の公演、オークションの3つが開催されることになり、関係者達はその準備にいそしんでいた。

ピアニストのジャンは世界的に活躍する一流の腕を持ちながら、自分が本当に演奏したい音楽に疑問を感じていた。

TVのメロドロマに主演し国民的な人気を博す女優のカトリーヌは、二流のTVドラマではなく、もっとちゃんとした舞台で活躍したいと悩む。

一代で財を築いたジャックは、自らの身辺整理をはじめ、それまでに収集してきた美術品をオークションに出そうとしていた。そこに、父のことを快く思っていないジャックの息子のフレデリックが現れる。

劇場に集う人々を見守り続けてきた管理人のクローディは退職の日を目前に控えていた。

様々な思いが交錯する中、それぞれの人生の本番が始まろうとする・・・という物語。

実在するカフェと劇場を舞台に、ほのぼのと温かい人情ドラマが繰り広げられる作品で、この手のジャンルはフランス映画は上手いよなぁというのを改めて感じさせてくれる1本でした。

ただ、この邦題はもっとカフェメインの話な感じがしてしまうんですが、カフェに集う人々の話ではあるものの、主人公が実際にカフェで働いている場面は実はそれほど長くないっていう・・・。

登場人物が多いのですが、どのキャラクターも生き生きとしていて、非常に味わい深い演技でしかっかりと見せてくれるんですが、主人公を演じたセシル・ドゥ・フランスの笑顔が本当に太陽のようで、作品全体をぱーっと照らしてくれていたのがとても嬉しかったです。

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2009年6月22日 (月)

「12歳の文学」 小学生作家たち

12歳の文学 (小学館文庫)

12歳の文学

小学生作家たち

小学館文庫 2009.4.
(original 2007)

小学館が主催している応募資格を小学生に限定した文学賞の第1回上位入賞作品を集めた1冊ということで、コンセプトの面白さにひかれて読んでみました。

大賞受賞作品が2作品を含めて全部で9作品が収録されているのですが、どの作品も文章力は未熟だと言わざるを得ないものの、しっかりと読み応えのある作品が多く、なかなか面白く読むことができました。

こういう賞って、「子供にしては」という作品ではなくて、「子供ならでは」の作品に出会えたときのほうが嬉しいですね。

でもって、とりわけ好きだったのは実は大賞受賞作品ではなく、『夏時間』、『オトナのひとへ。』、『夕日の丘に』の3作品。この3つは本当に面白かったです!!

以下気になった作品をいくつか取り上げて雑感。

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2009年6月19日 (金)

「スペース」 加納朋子

スペース (創元推理文庫)

スペース

加納朋子

創元推理文庫 2009.4.
(original 2004)

待ちに待った駒子シリーズ第3弾。僕が勝手に連作短編の魔術師だと思っている加納作品の素晴らしい構成力に期待しつつ読んてみました。

大学生の駒子は大晦日の日、母のつかいで買い物にきたデパートでアルバイトをしていた瀬尾青年と再会する。ここぞとばかりに駒子は瀬尾さんに読んでもらいたい手紙の束があると告げるのだが・・・

駒子の持っていた手紙の束に秘められた謎を描く『スペース』と、あっと驚く仕掛けで楽しませてくれる『バック・スペース』の2作を収録。

収録されてるのは2作なのですが、これまた、2作が魔法のような仕掛けで1つの長編作品として幕を閉じていく加納作品の醍醐味をたっぷりと味わえる作品でした。愛すべき登場人物たちによる温かな世界観も健在。

今回は、「謎解き」がそこまでメインではなかったのですが、このシリーズの世界観をグググッと深くしてくれて、非常に面白く読むことができました。

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2009年6月17日 (水)

映画「路上のソリスト」

The Soloist [Music from the Motion Picture]

the soloist

米 英 仏 

2009

2009年5月公開

劇場鑑賞

音楽系の映画はやっぱり良い音響で観たいので、劇場まで足を運んできました。監督は『プライドと偏見』、『つぐない』と文芸モノが続いた英国の新星ジョー・ライト。

舞台はLA。ロサンゼルス・タイムズの人気コラムニストであるスティーヴ(ロバート・ダウニーJr.)はあるとき、路上で見事なヴァイオリンを演奏するホームレスの男ナサニエル・エアーズ(ジェイミー・フォックス)と出会う。彼が名門ジュリアード音楽院に入学した過去を持ちながらも路上生活者となっていることを知ったスティーヴは彼のことを記事にしようと取材を始める。

やがて彼のコラムは評判を呼び、感銘を受けた読者からナサニエルにチェロが寄付されるまでになる。スティーヴはナサニエルに再び演奏家として歩み始める機会を与えようとするが、統合失調症を病むナサニエルは屋内に入ることを拒み、自らの生活を守ろうとする。

実際にLAタイムズに掲載され好評を博したコラムを基に人気コラムニストと天才的な音楽の才能を持った路上生活者の友情を描く。

もっとサクセスストーリー的な映画なのかと思っていたんですが、どうもすっきりしないまま強引にまとめてしまっているような部分が妙に実話っぽかったです。

つまらなくはないんだけど、どこか物足りない。そんな印象の作品でした。ただ、主演2人が素晴らしいので、この2人のおかげで映画としての価値は大分上がっているように思います。ジェイミー・フォックスは作品のたびに上手くなっている気がする。

これ、映画化するのちょっと早かったのではないでしょうか。映画がどうもすっきりしないところで終わるのは、彼らの友情の芽生えを描くだけで終わってしまい、もう一歩深い洞察やテーマ、感動を盛り込めそうなエピソードが現在進行形でまさに今育まれている、もしくは、今後の彼らの人生で起こるんだろうな、と。

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2009年6月15日 (月)

「沼地のある森を抜けて」 梨木香歩

沼地のある森を抜けて (新潮文庫)

沼地のある森を抜けて

梨木香歩

新潮文庫 2008.11.
(original 2005)

文庫刊行時に購入したものの、長らく積読になっていた1冊をようやく読みました。梨木作品は好きなものと苦手なものの差が大きいので、これほどの長編となると、果たしてどちらに転がるのかということが気になり、なかなか手が出せずにいました。

主人公の久美は叔母の死後、家族に代々伝わると言うぬかどこを預かることになる。あるとき、ぬか床から卵が現れ、数日後、その卵の中から一人の少年が現れる。

やがて、久美はぬかどこに隠された秘密を探るため、友人の酵母研究者の風野さんと共に、一族の故郷の島を訪ねるのだが・・・。

うん、これ、この時点での梨木作品の集大成的傑作ではないでしょうか。なかなかの大作長編でしたが、非常に読み応えのある内容でした。

ただ、本編の中に短い物語が挿入されているんですが、この意図がちょっと分かりづらかったです。

冒頭の数章を読んでいるうちは、主人公と幼馴染がぬか床から現れた不思議な人々との生活の中で次第に距離を縮めていく物語なのかなと思い、それはそれで結構楽しんでいたのですが、次第に物語りは深みを増し、ラストは遺伝子の存在意義にまで迫っていく内容には圧倒されっぱなし。

ま、ちょっと圧倒されすぎて、この物語の中核をなす最重要テーマだとは分かりつつも、最後のほうは、何もここまで話を広げなくても、と思ってしまったのも事実。

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2009年6月14日 (日)

「大洪水」 ル・クレジオ

大洪水 (河出文庫)

大洪水
(Le Déluge )

J.M.G. ル・クレジオ
(Jean-Marie Gustave Le Clézio)

河出文庫 2009.2.
(original 1966)

昨年、ノーベル文学賞を受賞したル・クレジオの初期長編作品が文庫化したものを読んでみました。ル・クレジオ作品を読むのは、同じく文庫になっている短編集『海を見たことがなかった少年』(集英社文庫)に次いで2冊目です。

主人公フランソワ・ベッソンが様々なものに遭遇し、人々と出会い、あれこれと考える13日間を描く作品。

ストーリーを書きづらい作品なので短めで。

なんと、これ作者が26歳のときの作品です。自分より年下の若者が書いたのかと思うと、ちょっとビックリ。

冒頭のプロローグがいきなりものすごく分かりづらくて、そこで挫折しそうになるんですが、その後に続く本編は、一気に読みやすくなったので一安心。

しかし、基本的になにやら理解が難しい作品で、文章自体は思ったよりも平易で読みやすいのですが、つかみどころのない印象。こういうのは自分の読解力の問題も大きいんだろうけど。

割と読み応えのある1冊だったのですが、なんだかどう語ればいいのかもよく分からず。読みやすくなったと思った本編もいきなり長々とテープを聞かされるし、中盤ちょっと面白いんだけど、最後はどんどん難解な方向に戻っていって、再び難しいエピローグで閉じてしまうし。

自分にとっては、ただただ、五感の描写がすさまじい作品で、視覚のみならず、聴覚、触覚など全てを刺激し、読みながら、自分の五感にその情景がガンガンと響いてきて、溢れんばかりのめくるめく描写の数々にクラクラきてしまいました。

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2009年6月12日 (金)

映画「グラスハウス」

グラスハウス [DVD]

the glass house

アメリカ 

2001

2002年3月公開

TV録画鑑賞

大分前に映画テレビで放送されたものを録画しておいたのを観ました。

女子高生ルビー(リーリー・ソビエスキー)は両親を事故でなくし、弟と二人、後見人となっているグラス家にひきとられることになる。弟は豪邸での生活を満喫していたが、ルビーはグラス夫妻の行動に不審な点を感じ、彼らが両親の死に関わっているのではないかという疑念を抱き始めるのだが・・・。

うーん、なんか、もっとどんでん返しとかミスリードとかがあると思ったのに、なんともストレートな展開。しかも見せ方もそれほど上手いわけではなく、なんだか微妙でした・・・。途中、『隣人は静かに笑う』っぽくもっていくのかなぁとか思って観てたんですけどねぇ。

まぁ、でも何故だか全然つまらないわけではなくて、ちょっとした空き時間に楽しむには良かったと思います。

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2009年6月10日 (水)

「墨東綺譚」 永井荷風

墨東綺譚 (角川文庫)

墨東綺譚

永井荷風

角川文庫 2009.3.
(original 1937)

今年が永井荷風の没50年ということで、関連作品が多数出版されていますが、その代表作が装いも新たに文庫化したものを読んでみました。こういう近代の古典ももうちょっとしっかりと読んでいきたいなと思っていたところなので、丁度良いタイミングでした。

舞台は昭和初期の東京。主人公は、『失踪』というタイトルの小説を執筆中の50代の作家、大江匡。あるとき、散策中に突然の大雨に見舞われ、大江は通りがかりのお雪という名の娼婦の女性を自分の傘にいれてやる。やがて、近所のラジオの音に悩まされていたこともあり、大江はお雪のもとに通うようになるのだが・・・。

タイトルだけはかなり昔から知っていたのですが、この「墨東」というのが隅田川の東だということに今の今まで気づいていませんでした。昭和初期の東京の姿を割と丁寧に面白く描いているので、風景描写などだけでも十分に興味深い作品でした。

で、墨田区にあった玉の井という私娼街を舞台にした作品ですが、特に艶っぽい話だというわけでもなく、かといって主人公とお雪の関係にそこまでの面白さも感じられず、肝心の本編のストーリーはあまり楽しめなかったのですが、上述のように風景や主人公の散歩の様子などの日常描写は非常に面白く読むことができました。

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2009年6月 5日 (金)

映画「ブーリン家の姉妹」

ブーリン家の姉妹 コレクターズ・エディション [DVD]

the other Boleyn girl

アメリカ イギリス

2008

2008年10月公開

DVD鑑賞

英国好きとしては外せない1本。英国史を語る上で絶対に外すことのできない(その割に日本での知名度は低めの)ヘンリー8世と彼をとりまく女性たちを描いた作品です。

劇場で観たかったのですが、タイミングを逃し、ようやくDVDで観ることができたといういつものパターンです。

16世紀の英国、新興貴族のブーリン家には美しい姉のアン(ナタリー・ポートマン)と心優しい妹のメアリー(スカーレット・ヨハンソン)の姉妹がいた。あるとき、世継となる王子が生まれないことから王妃との関係が悪化しているという国王ヘンリー8世(エリック・バナ)が訪れることになり、姉妹の父親は姉のアンを王様の愛人として差し出そうとする。しかし、国王は既に結婚していた妹のメアリーを気に入ってしまう。

一家は王宮で暮らすようになり、やがてメアリーは王の子供を妊娠する。プライドを傷つけられた姉のアンは不祥事を起こし、フランスへ追放されてしまうのだが、その後帰国した彼女は、国王に近づいていき・・・。

カトリックから離脱し、英国国教会を誕生させるきっかけとなった国王ヘンリー8世とブーリン姉妹の数奇な人生を描き出す歴史絵巻。

いやはや、最初からずっと心配顔だった姉妹の母親は、一体どのような思いで全てを見届けていたんだろうか、ということがとても気になってしまう程に波乱に満ちた姉妹の物語でした。

英国版『大奥』というのがぴったりな感じの宮廷を舞台にしたドロドロとした女の戦いが描かれるのですが、日本のものとは違って粘着質なイジメがあったりするわけでもなく、もうちょっと深い人間ドラマとして楽しむことができました。ま、でも、国は違えど、似たようなことはどこでも起こっていたんだなぁって感じですよね。

メアリーが最初はいやいやだったのに、いつの間にやら王様にひかれてしまっていたのですが、ヘンリー8世ってそんなに魅力的だったんですかねぇ。彼が音楽家として有名で作曲なんかをしているのは知っていたんですが、実際、どんな方だったのか気になります。

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