映画「永遠のこどもたち」
![永遠のこどもたち デラックス版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51osXOFlpLL._SL160_.jpg) |
el orfanato
スペイン メキシコ
2007
2008年12月公開
DVD鑑賞 |
『パンズ・ラビリンス』の監督、ギレルモ・デル・トロが製作総指揮を担当したスパニッシュホラー作品。公開時の評判が良かったので観たかったんですけど、ジャンルがホラーということで、劇場鑑賞は避け、DVDでもかなり迷った挙句に鑑賞に至りました。
思ったほど怖くなかったですよ。
主人公ラウラは、かつて自分が育った孤児院のあった屋敷を買い取り、そこを障害児のための施設にしようと、夫と息子のシモンと共に、懐かしい建物へと帰ってくる。
ラウラは息子のシモンが、屋敷で「見えない友達」たちと遊んでいることを気にしていた。そんな折、屋敷でパーティが開かれる。その日も「見えない友達」の話をしてくるシモンを、ラウラは相手にせずパーティの準備をしていたのだが、そのパーティの最中、ラウラは覆面を被った子供に襲われ、シモンがいなくなってしまう。
難病の為、薬を欠くことのできないシモンの身を案じながら、ラウラはシモンを捜し続けるのだが、やがて、かつて孤児院だった頃に屋敷で起こった事件の存在が明らかになり・・・。
音楽などで雰囲気を盛り立てたり、突如大きな音がしたりと、ホラーの定石を行く演出も見事なんですが、なんといっても、しっかりと伏線を張ったストーリーや、見事なまでの「雰囲気」の演出で見ごたえのある作品でした。
スペイン映画、良いですね~。スペイン語でホラーを観るってのもちょっと新鮮だし。
『パンズ・ラビリンス』がアリス風だったのに対し、今回の作品はピーターパンが重要なモチーフとして使われていて、ある種、ホラー風に仕立てたピーターパンの続編(しかも続編としての完成度の高さが素晴らしい)とさえ言える様な内容に仕上がっていましたね~。
色々とどんよりとした気持にさせられるんですが、ラストシーンが温かな愛で溢れた映像だったので、鑑賞後の余韻が悪くないのも良かったです。
以下ちょっとネタバレなので反転させてどうぞ。
ただ、ギレルモ・デル・トロさん、『パンズ・ラビリンス』と同じラストってのはさすがに二番煎じ過ぎですよ。
しかも、今回は『パンズ~』以上に、過酷で重い運命を母親に課してしまって、それを、あのラストでさも母子が幸せになったかのような錯覚さえ与えてしまうのは、ちょっとなぁ、という気も。
この人の中では、辛い現実を抱えて生きるくらいならば、ファンタジー世界の幸福な死を選ぶってほうが良いんですかねぇ。『パンズ・ラビリンス』でも今作でもそれを納得させてしまうだけの描き方ができてしまうところが確かにすごいのだけれど、子供を題材にして、この描き方を続けるってのはちょっとどうなのかなとも思う。
ファンタジーの世界が子供の世界とつながってるってのも分かるんですけど・・・。
あと、父親があまりに気の毒っす。
と苦言を呈しつつ、大人になってしまったウェンディが、ネバーランドに行ってしまった息子を追いかけて、かつての友人達の母親としてネバーランドに戻ってくるというのを、ネバーランドをラストまで描くことなく、現実世界の中で描いたのは、数あるピーターパンの続編のどれよりも印象深かったと思います。(って、勝手にこの作品をピーターパンの続編ってことにしちゃってる自分・・・)
ピーターパンにおいて、ウェンディがロンドンに戻った後、ネバーランドの孤児たちが寂しさでいっぱいになり、ピーターパンがウェンディの子供をネバーランドに連れ去り、ネバーランドを過去の良い思い出にしてしまっていたウェンディが我が子を求めて必死にネバーランドへの道のりを探し、最後は夫を捨ててネバーランドへ向かう、と考えれば、そのままこの映画になりますよね。
<ネタバレ終わり>
そんなわけで、この映画、久々に邦題もなかなか上手くつけていて、苦言はあるものの、非常によくできた作品だなぁと思います。
そうそう、「だるまさんが転んだ」、スペインでもやるんですね。共通の文化のおかげで、映画の世界にすんなり入れたのも良かったです。
* * *
<関連過去レビュー>
映画「パンズ・ラピリンス」
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“ネバーランド”に迷い込んで・・・
* * * * * * * *
ホラー作品なのですが、映像がとても美しい。
それもそのはず、
これはあの「パンズ・ラビリンス」監督のギレルモ・デル・トロ製作作品でした。
主人公ラウラは、子ども時代をすごした海辺の孤児院に
30年ぶりに戻ってきます。
なんとも言えず美しい海辺の風景と、古い大きな屋敷の映像に
まずため息が漏れます。
彼女は、売りに出ていたこの屋敷を、
障害を持つ子供たちのホームにしようとしています。... [続きを読む]
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シモンを思いつぶやく母の声。
そんな声に象徴される母の愛情を強く感じました。
母子の見つめ会う愛情を、その深さに涙が止まりません。
最後は、ずっと泣いていました。
エンドロールもとても短く感じ、明るくなる前にあわてて涙をふきました。
悲しい映画、だけれど幸せなラスト。「パンズ・ラビリンス」と近い仕上げの様に思います。
さすがはギレルモ・デル・トロという作品。
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コメント
はじめまして。
墨映画(BOKUEIGA)のde-noryと申します。
墨彩画とレビューでブログを作ってます。
パンズ・ラビリンスも大好きでした。
パンズラビリンス、確かにアリス仕立てですね。
気が付いてませんでした。
悲しい映画でした。
本当に幸せだったのか?残された者は?
同じことを、感じました。
しかし、少なくとも次の世界へ逝った様子を描いてくれくれるのは、少なくとも見ている側が少し救われる気がします。
また寄らせてもらいます。
こちらにも、よかったら立ち寄ってください。
投稿: de-nory | 2009年7月 9日 (木) 07時26分
>de-noryさん
コメントどうもありがとうございます!
ラストは確かに救われた気持になれたのですが、
パンズ・ラビリンスと被っちゃったので、
「またですか・・・」と思ってしまって、
非常に面白かったし、よくできているとは思ったんですが、
二番煎じ感も否めずと言う感じになってしまいました・・・。
DVD鑑賞のほうが多いブログですが、
よろしければ気軽にお立ち寄りください。
よろしくお願いします。
投稿: ANDRE | 2009年7月10日 (金) 01時22分