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2009年7月26日 (日)

映画「湖のほとりで」

la ragazza del lago

2007

イタリア

2009年7月公開

劇場鑑賞

 

イタリア映画というのは何年かに1度、とんでもない傑作に巡りあえるというイメージがあるのですが、この作品はイタリア・アカデミー賞で史上最多の10部門を独占し、ヴェニチア映画祭でも2部門を受賞したということで、かなり気になった1本。

舞台は北イタリアの田舎の小さな村。幼い少女が近隣の男に連れ去られるという事件が起き、助けられた少女の証言で、村近くの湖で若い娘アンナの死体が発見される。

捜査を担当することになった警部のサンツィオは彼女の身辺を調査し始め、恋人や、両親、ベビーシッターをしていた家庭などを訪れるのだが、やがて解剖の結果、意外な事実が明らかになり・・・。

原作はノルウェーのミステリ小説とのことで、殺人事件の真相を巡るミステリ映画なのですが、真相を巡る中で、様々な人間ドラマが浮かび上がってくるという作り方はなかなか上手かったと思います。

あと、イタリアの田舎町の景色がとても美しい&湖と死体が完全な絵になっているところも必見。

なのですが、果たして、これがイタリア映画史に残る傑作なのかと問われれば、なんとも微妙な気が。どっちかというと、肝心の捜査の場面にやや退屈な印象もあったし(眠くなりそうなのを必死で我慢)、つまらなくないけれど、そこまでの傑作か?というのは大きな疑問。

この物語、女性の母性のようなものが大きなテーマになっているようで、記憶障害のある警部の妻のエピソードも、事件の真相とそれに関連する事件も、全てがそこに繋がってくるのはとても面白くて、男性陣たちは徹底して、子供との距離感がたよりない存在として描かれていましたね。

そのあたりの人間ドラマの描き方は本当に良かったと思うし、静かで淡々とした演出も嫌いではないんだけど、肩書きがあまりに立派すぎてどこか拍子抜けしちゃった印象です。

事件の真相も、宣伝で謳っているほどのものでもない気がして、「ふーん」って感じで終わってしまったのもちょっと物足りなかったかなぁ。

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コメント

何と言いますか、つなげたいのにうまくつながっていかない印象が残ってしまいました。
警部の家族のエピソードがそうですね。
無理無理に解釈すればつながるけど・・・。 w

湖のほとりでアンナが死んでいたシーンはとにかく絵になりましたね。

投稿: rose_chocolat | 2009年7月26日 (日) 10時11分

>rose_chocolatさん

コメントどうもありがとうございます。

なんか全体にちょっとぼやけた印象は確かに強かったかもしれないですね。
警部の家族のエピソードは自分の中で、
結構強引に納得させて観ちゃいましたが。

あと、感想に書き忘れたんですが、
この映画、音楽が微妙に好きじゃなかったです。

アンナは久々に見る「絵になる死体」でしたね。
美しかったです!

投稿: ANDRE | 2009年7月27日 (月) 00時08分

わたしも自分のブログにこの映画のレビューを書きました。Andreさんのレビューは、わたしの感じ方と似ていると思って、トラックバックさせていただきますね。http://41893773.at.webry.info/200908/article_6.html

わたしの記事に、”見たときはわからなかったが、あとからじわじわと良かったという感じがしてきた。”と思った人がトラックバックをしています。同じ映画でも人によって、色々感じ方は違うものですね。

投稿: Miciona | 2009年8月31日 (月) 17時16分

>Micionaさん、

コメントいただきましてどうもありがとうございます。

ものすごく悪い映画ってわけではないけれど、
宣伝やコピーがあまりに強気すぎて
変に期待ばかりが高まってしまったのか、
見終えた後はどこか物足りなさばかりが残ってしまいました。

映画の好き嫌いはどうしても個人の趣味が
反映されてしまいますからね。
ただ、そのような違う意見から新しい発見があったりするのも
ネットで皆さんの感想を拝見する楽しみの1つですよね。

投稿: ANDRE | 2009年9月 1日 (火) 01時24分

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