映画「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」
revolutionary road アメリカ イギリス 2008 2009年1月公開 DVD鑑賞 |
実は『タイタニック』が好きです。なので、ケイト・ウィンスレットとレオナルド・ディカプリオが再び共演するということを聞いて、果たして2人をどのように持ってくるのかとても気になっていた作品。
舞台は1950年代アメリカ。エイプリル(ケイト・ウィンスレット)とフランク(レオナルド・ディカプリオ)のウィーラー夫妻はレボリュショナリー・ロードという郊外の閑静な住宅街に子供達と共に暮らし、近所からも一目を置かれるような理想の家庭を築いていた。
女優を目指していたエイプリルだったが、地域の劇団の公演では酷評を受け彼女は挫折を味わい、一方のフランクは会社での営業の仕事が上手くいかず2人はすれ違うようになっていた。そんな状況を打開しようとエイプリルはパリへの移住を提案し、2人は計画を進めるのだが・・・
この2人を持ってきて、あえてまた甘いラブストーリーをすることはないだろうとは思っていましたが、なんか思っていた以上に重い作品でした。口論が多いし。特にラストが・・・。ちょっとやり過ぎじゃないっすか?
この夫妻、冒頭から上手くいってないのが明白で、「早いところ別れてしまった方が良いのでは・・・」なんて思ってしまうのは、現代的なものの見方なのかもしれませんね。ラストの展開を含めて、50年代という時代の価値観がとても重要だったと思います。
あと、この2人、基本的に子供があまり好きではないのでしょうか。作品内における子供の扱いが非常に悪いというか。それがそのままラストにつながっていったように思います。
DVDの特典にカットされた場面がいくつか収録されていたのですが、その中に、フランクが少年時代に父親と共に電車に乗って父の会社に向かう場面がありました。そのシーンでのフランクは結構良い顔をしているんですよね。この映画の中では珍しく親子の絆を感じさせる場面だったのですが、それがカットされたことによってこの作品での親子関係の捉え方が際立ったように思います。
以下ちょっとネタバレなので反転。
ラストのエイプリルですが、自分は彼女は一人でパリに行く決心をしたのかな、と思っていたんですがいかがでしょうか。てか、最初から死ぬつもりなら別にあそこまでする必要ないわけですし。彼女が悲劇の直前に窓辺に立った場面で明るい日差しが彼女を包み込んでいたのがとても印象的で、新しい一歩を踏み出す決心をした彼女を表現しているのかなぁなんて思って見てました。
そういえばカットされた場面の中には、帰宅したフランクがエイプリルの置手紙を見る場面がありましたね。本編を見ているとき、置手紙の1つもあったんだろうなとは思っていましたが、やっぱりありましたか!という感じでした。
主演の2人、今回のディカプリオは役柄が反映されてイケメンという感じではなくなっていたところに、少年時代の演技派俳優っぷりを思い出させてくれました。ケイト・ウィンスレットもやっぱり良いです(実は大好きな女優の一人)。
そしてそして、同じく「タイタニック」に出演していたキャシー・ベイツ。相変わらずのインパクト&存在感で映画を引き締めていました!!
そんなわけで、なかなかの熱演でしたが、内容的にはちょっと・・・な印象の残る作品でした。
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コメント
こちらにもお邪魔します。
これを観た女性たちが、エイプリルに対しての反発が強かったのを思い出します。
たとえ、今の暮らしが自分以外の他人から見れば、何の不満がなさそうでも、
本人がどんな特別な能力を持ってなくても、
本人にとって、自分の居場所はここではなく、とても大切な何かを棄ててしまったと感じたら、
どんな素敵な家に済み、子供に恵まれても、
それはたんなる足枷でしかないと感じられるのでしょうね。
多くの場合は、何とか気持ちに折り合いをつけて暮らすんですけど、
そんな器用な真似ができない女性が、
50年代のアメリカの田舎町にいてもおかしくないのでしょう。
好きな内容ではないけれど、わかる部分がたくさんあるだけに、
ヒヤリとしながら心にひっかかって離れない作品でもありました。
ホント、キャシー・ベイツのインパクトと存在感、抜群でしたね。
投稿: 悠雅 | 2009年7月31日 (金) 21時16分
>悠雅さん
こちらにもコメントをいただきまして
どうもありがとうございます。
まだまだ独身の自分ですが、
結婚されている人にとってはどこか他人事ではない部分も
あるんだろうなとも感じましたので、
ヒヤリとされた悠雅さんのコメントを拝見して、
やはりそうなのかと思うと同時に、
自分が結婚後にこの作品を改めて観たら
どのような感想を持つのだろうかということも気になりました。
投稿: ANDRE | 2009年8月 1日 (土) 19時04分