« 「キップをなくして」 池澤夏樹 | トップページ | 「図書館の神様」 瀬尾まいこ »

2009年8月25日 (火)

来日公演 RENT The Broadway Tour ( '09)

RENT The Broadway Tour

@赤坂ACTシアター 2階B列鑑賞

 

この夏はミュージカルの夏!ということで、ウエスト・サイド・ストーリーに続き、RENTも観てきましたよ!

最初に映画を観たときはそこまでハマらなかったのに、その後ブロードウェー版のサントラを聞き続けるうちにあれよあれよと大ファンになってしまい、1年半前の来日公演も存分に堪能したRENT。(ちなみに映画版は今でもやや微妙だと思うことがチラホラ。)

今年の来日キャストは、2軍的なキャストが来ることが多い来日公演のなかではまさに奇跡のキャスティング。ほぼ全キャストがブロードウェー版RENTに出演経験有りなのです。

とりわけ、初演キャストで、映画版にも出演しているアンソニー・ラップとアダム・パスカルが出演するということで、これは見逃すことの出来ないと思い、頑張ってチケットをゲット。先日、ついに夢の舞台を存分に感動してきました。

2階席は遠いけど、センターだったので、舞台全体が綺麗に見渡せるのが良かったです。あと、ライフサポートがとても観やすかったです(笑)

さらにいうと、ばみり用のテープが大量に張られているのがしっかりと確認できて、大道具の位置が変わるたびに、この場面はあの色のテープなのかぁ、とか分かっちゃうのも面白かったですよ。

  

■全般的な感想

感無量。

見終わって思ったのは1年半前のツアーキャストは若さに溢れていたけど、優等生的な舞台だったのだな、と。今回はとにかくパワフルで、力強かったです。これがブロードウェーだ!というのを見せ付けられたように思います。

ただただ感動でした。

ただ、ちょっと音響が・・・。作中でジョアンヌは音響トラブルにあってますが、会場の音響さん、頑張って!とちょっと気になる箇所がチラホラ。

あと割と皆さん小芝居が多くて、見所満載でした。

以下、観ながら思ったことをつらつらと。

■キャストの感想(スペースの都合上特にコメントしたいキャスト限定)

・アンソニー・ラップ (マーク)

登場した瞬間に思わず「本物だー」と声を出してしまいました。CDで映画で何度も聞いた歌声を生で聞くことができる感動といったら!ものすごく楽しそうに演じているのが印象的でした。

RENTを観に来ていてこんなことを書くのもあれなんですが、個人的には、「チャーリー・ブラウンだ!」っていう感動も強かったり・・・。「You're a goodman Charlie Brwon」のサントラCD、多分RENTよりも聞いた回数が多いです。

閑話休題。

マークはこの作品で一番好きなキャラクターなんですが、2幕でじっと一人イスに座って見つめている姿からハロウィンでのソロは本当に泣かせてくれます。

 

・アダム・パスカル (ロジャー)

とにかく力強い!それに尽きます。

ここまでパワフルだとは思ってなかったので、圧倒されっぱなしでした。

マークとロジャーの掛け合いの場面はどこも、これがオリジナルキャストの底力か!と思わせてくれるもので、2人の息の合ったやり取りに惚れ惚れ。

 

・高良由香さん (アレクシー)

なんといっても、「コーラス・ライン」のドキュメンタリーでの印象が強い高良さん。ダンスリーダーを務めているということですが、この方のダンスはとても素敵です!あと、歌の場面でちゃんと笑わせてくれました!この豪華キャストの舞台の中で日本人の女性が踊り、歌っているということが、ただただ嬉しく、そして羨ましく、感動的でした。

彼女の存在はそれこそ多くの日本の若者に夢と希望を与えていると思います。

 

・テリー・リヨン (スティーヴ)

DVDが発売になっているブロードウェーの最終公演にも出演されていましたね。このDVDを見たときに、とても好きになった役者さんで、実は当日舞台で観るまで今回のキャストにいることを知らなかった為、観ながら、「彼はもしや!?」と思い、内心大興奮(観ている間中興奮してたんですが)。

「Will I?」の歌いだしも好きだし、「honest living !」連呼の無邪気さも最高だし、「La Vie Boheme」のときのキレの良い見事なダンスも素晴らしく(終わりのほうでグルっと回転するとことかマジでカッコイイっす)、ますますファンになってしまいました!ファイナル公演DVDのときと衣装が同じなのに、はいてるスニーカーが違いましたね。(←チェックが細かい。)

エンジェルの代役になっていますが、彼の演じるエンジェルもちょっと見てみたいなぁと思いました。

 

■この歌!

・Seasons of Love

グウェン・スチュアートのソロが聞けて本当に大満足。男性ソロさんは、高音が苦手なのか、高音に上がる部分を低めの音にアレンジして歌ってましたね。CDが耳に焼き付いているせいもあって、違和感がありつつも、グウェンだってアドリブの部分はCDと同じではないし・・・、ということで納得してみた。

・I'll cover you

エンジェル&コリンズがジャスティン・ジョンストン&マイケル・マックエルロイというファイナルキャストの2人ということで、上述のDVDのI'll Cover Youがとてもラブリーだったので楽しみにしていました。

途中でカツラが取れそうになっておさえるのはDVD収録公演のハプニング的なアドリブかと思ってたんですが、既にショーの一部だったんですねぇ。

でもって、2幕のI'll cover youは案の定泣いてしまったという。やっぱりコリンズは安定した低音のベース声が良いですね。そして、Seasons of Loveが途中で被る部分の良さといったら半端ないにも程がある。しかもこのとき、グウェンさん、エンジェルがいたぽっかりと空いた空間を見つめてから歌い始めるんですよね。泣ける。

ところで、この2幕のI'll cover you 直前のところ、一人一人スピーチするところで、なにやら、全員がユニゾンになる演出が加わっていましたね。観ながら、卒業式の呼びかけみたいだなぁ~と思ってしまったのは僕だけでしょうか・・・

・Over the Moon

モーリーンのパフォーマンスは役者さんの個性が出ますね~。今回のニコレット・ハートさんにもたっぷりと楽しませていただきました。意外と客席のノリが良くて、ムームー叫ぶ人が多かったですね。やっぱりこういう場面は一体となって楽しみたいものです。

・What you own

この曲、実は一番涙腺が刺激されます。歌詞の内容がJonathan Larsonと被ってしまうのですよね。そしてそして、アンソニー&アダムのパフォーマンスによってボロ泣きな1曲になってしまったという・・・。

 

と、語ろうと思えば、全部のシーンにあれこれ言いたくなってしまうので、このあたりで。

てかさ、他の公演をほとんど観たことがないので、こういうことも言うのもあれなんですが、このキャスト陣を越えるキャストってオリジナルを除いて過去にあったんでしょうか??舞台全体から漂ってくるオーラがとにかく半端なかったですよ。

今回の来日公演、こんな豪華なキャストの公演を見られるのは最初で最後の機会だと思い、かなり頑張って千秋楽チケットも確保しているので、また観にいってきます。

でもって、この日、実は、この舞台の感動がすっかり吹っ飛んでしまいそうになるくらいの衝撃の出来事があり、ブレイクスルーシートに当たるよりもこっちのほうが奇跡だろ!という感じだったのですが、それはまた後日にでも。

 

関連過去レビュー

映画「ラ・ボエーム」

半年くらい前に公開されてた映画。オペラ「ラ・ボエーム」映画版です。「RENT」の原案になった作品です。そして、RENTにおいて、ミミが絶命か!?という瞬間で何故ムゼッタのワルツなのかが未だに謎です。ロジャーはなぜあの曲に思い入れがあるんですかね?「La Vie Boheme」の時にもマークに突っ込まれてますよね。

 

書籍「RENT」

台本です。これ読むと、色々な発見があります。

 

07年12月の来日公演の感想

 

 

 

|

« 「キップをなくして」 池澤夏樹 | トップページ | 「図書館の神様」 瀬尾まいこ »

舞台」カテゴリの記事

ミュージカル」カテゴリの記事

コメント

RENTツアー良かったですよね。
オープニングの「RENT]で笑いながら泣いている自分がいました。
CDが傷だらけになるくらい聞いていた歌声を生で聴く感動。
初演から数えて13年目。
その間積んだキャリアがロジャーを、マークを、表現豊かなものにしてくれてるなぁと。
私は98年日本人キャストによる公演が初RENTで、その後何度も色々なキャストで見ているけれど、今回の2人の演技には、「嗚呼、ここはこーゆう解釈だったんだ」と思う事多々で、新鮮で、日本にいながらオリジナル・キャストによる舞台が見られる事がとても幸せでした。
そして、今回のツアーはなんといっても高良さんですよね!
あまりの小柄さに「ちっちゃっ!」を思わずにはいられない(笑)
流石、2006年版コニー。
実は前日はコーラスラインで、バイヨーク・リーのトークショーを見ているので、2日連続でコニーに会うというラッキーな事に。
高良さんは体は小柄なんだけれど、パワフルなダンスでついつい目で追ってしまうんですよねー。

ともかく、2009年の夏は素敵な経験をさせてもらったとしみじみ思います。
楽も行くとの事。楽しんできてくださいね。そして、またその時の感想など聞かせてください。

長文失礼いたしました^^;

投稿: しゅり | 2009年8月26日 (水) 21時51分

>しゅりさん

コメントどうもありがとうございます。
長文大歓迎です!

まさかアンソニー&アダムの舞台を観られる日が来るなんて
夢にも思っていなかったので、
今回の公演は本当に嬉しいですね!!
CDよりも、映画よりも、生が一番良い!!と思わせるだけの
パワーがあって圧倒されっぱなしでした。

今回は2階席でしたが、
楽は1階前方(かなり右側ですが)なので、
奇跡の豪華キャストをしっかりとこの目に焼き付けてきます!!

「コーラスライン」もご覧になられたんですね。
しかもバイヨーク・リーのトーク付の回だったんですか!?
羨ましい限りです。

高良さんは、あのドキュメンタリーのときの印象よりも
ずっと小柄でしたが、本当にパワフルで、
体型や人種、言葉といった様々な壁を越えて
BWの舞台に立っていらっしゃるということに
本当に勇気やパワーをいただけますよね。
今後のご活躍も楽しみです。

自分も今週行く予定で、ウェストサイド・ストーリーとあわせ、
この夏は来日ミュージカル尽くしです。


投稿: ANDRE | 2009年8月27日 (木) 00時44分

お言葉に甘えて、再度返信です(笑)

今週末にご覧になられるんですね。<コーラスライン
中学の頃に映画で見て以来大好きなミュージカルなのでI Hope I Get Itのピアノの音ですでに鳥肌立ててました。
バイヨーク・リーはあのドキュメンタリー映像の中のままパワフルで、そしてチャーミングな方でしたよ。

ANDREさんは映画も方がご覧になってますか。
今回のザックがマイケル・ダグラスにそっくりで、その辺りも楽しんで来て下さい。

コーラスラインを見てる時は高良さんでコニーが見たかったと思ったんですが、翌日RENTを見て、アレクシーが高良さんで良かったと思い直しました。「just kidding」の言い方が好きなんで。

投稿: しゅり | 2009年8月28日 (金) 00時21分

>しゅりさん

再びのコメントどうもありがとうございます。

はい、今日行ってきます。
まだRENTの興奮が収まらないのですが、
RENTを聞きたいのをぐっと我慢して、
気持を切り替えて、数日前から
聴く音楽もコーラスラインのサントラに変えて準備してます。

ザック、マイケル・ダグラス似なのですか!
舞台は初めてなのですが、
映画は何度も観ているので、それは楽しみです。

高良さんの「just kidding」良かったですよね~。
声もきれいで、歌も踊りもとても魅力的な役者さんなので、
また何かの作品(「コーラスライン」が良いですが)
で来日していただきたいですね。

投稿: ANDRE | 2009年8月28日 (金) 10時09分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 来日公演 RENT The Broadway Tour ( '09):

« 「キップをなくして」 池澤夏樹 | トップページ | 「図書館の神様」 瀬尾まいこ »