映画「画家と庭師とカンパーニュ」
dialogue avec mon jardinier フランス 2007 2008年8月公開 DVD鑑賞 |
昨年の公開時から気になっていた1本です。フランスのこの手の映画は名作が多いので、期待大でした。
パリで活躍していた画家が妻と別居することになり生まれ故郷の村へと戻ってくる。庭師を募集したところ、長年会っていなかった小学校時代の幼馴染がやってきて、やがて2人はお互いを「画家」と「庭師」と呼び合うようになり、空白を埋めるかのように会話を重ねていくのだが・・・。
いやはやよく喋る映画でした。作品のほとんどが庭師と画家の会話で成り立っているのですが、その他愛もない会話の中で、身分や生活が異なるかつての友人同士である2人が新たな友情を育んでいく姿がとても微笑ましく、延々と続く会話もそこまでうるささを感じません。
ちょっと重そうな展開になりつつも、鑑賞後の余韻は良いものを見させてもらった心地よさと満足感でいっぱいで、派手な作品ではないし、抜群に面白い傑作というわけでもないんだけれど、ちょっと大切にしたくなるような1本でした。
ラストはあからさまな伏線があったので、結構冒頭から読めてしまうんですが、別にドラマチックな展開を期待する作品でもないし、ストーリーどうのこうのではなくて、作品全体の雰囲気を楽しむべき作品だと思うので、そのあたりもあまり気にならず。
田舎の「教養」はあまりないけれど、自分の人生に誇りを持って、生きていくのに必要な知恵に溢れ、自然を愛し、好きなものを大切にして生きているジャルダンの姿は、それを演じたジャン=ピエール・ダルッサンの好演もあって、とても清々しかったです。
一方の画家を演じているのが、ちょっと前に観た「ぼくの大切なともだち」で友人のいない美術商を演じていたダニエル・オートゥイユなんですが、大人の友情を描いた作品に立て続けに出演していたんですねぇ。どちらの作品でも非常に味わい深い演技を見せてくれてましたね。
欲を言えばもうちょっと田舎暮らしの場面をたくさん見たかったかなとも思います。田舎の風景がとても良かったので。
こんな友人がいる晩年をすごせたら幸せだろうな、と思わせてくれる作品でした。
* * *
参考過去レビュー
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