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2009年9月 7日 (月)

夏の来日ミュージカルまとめ

シリーズ 夏の終わりに ③

この夏はミュージカルの来日ラッシュということで、たっぷりと堪能してきました。

この夏来日した作品、

① ウエスト・サイド・ストーリー 1957年

② コーラス・ライン 1975年

③ RENT 1996年

とそれぞれオリジナルの公演がほぼ20年おきで、さらに、3作品とも、ミュージカル史において、非常に重要な位置を占めているランドマーク的作品ばかり。これらを一気に鑑賞できる機会はミュージカル好きとしては見逃せないですよ!

ちなみに、映画もですが、「原語」を好むので、和訳ミュージカルよりも、来日公演のほうがずっとテンションが上がるんですよねぇ。とか言いつつ、7月にやってた「Sunday in the park with George」はかなり観たかったし、四季の「ウィキット」と「春のめざめ」も観たいなぁと思ってるうちに終わっちゃって残念なのですが。

かなり個別記事と重複したこと書いてますが、せっかくなのでミュージカルのまとめ記事を。

■ ウエスト・サイド・ストーリー (感想

これは、なんといっても華麗で平和な世界観が当たり前だったミュージカルに、現実の社会問題を盛り込み、ミュージカルという舞台芸術の幅を広げたことに大きな意味がある作品だと思います。そして、この作風が当時は衝撃的過ぎたのか、トニー賞は逃してるんですよね。

「ロミジュリ」が原案ということもあり、悲劇だというのもなかなか衝撃的ですよね。

舞台を観ながら思ったのが、この作品ではダンス部門と歌部門が割と分業になっているんだなぁということ。歌って踊れるというのがミュージカルの面白さの1つですが、こういう作り方はどちらかというと、オペラのなかにバレエが入っているようなクラシカルな構造を感じさせます。

そんな理由か、しばしばクラシックの演奏会でもとりあげられているますよねぇ。

今回の来日公演、まぁまぁ、楽しませていただいたのですが、映画版のオープニングが神だということを再認識させられちゃったのがちょっと残念。でも、アニータの役者さんがとてもよくて、「アメリカ」とか最高でした!

 

■ コーラス・ライン (感想

ちょっとかじった知識だと、70年代ミュージカルは低迷期にあって、60年代までのように大きなヒット作が出ず、「ロッキー・ホラー・ショー」やら「Wiz」などそれぞれ映画化もされているロックやポップスを取り入れた作品が登場していたのですが、そこに現れた久々の大ヒット作品が「コーラス・ライン」。

なにか物語が描かれるというわけでもなく、ミュージカルのオーディションを受けに来た人々を描くというメタ・ミュージカル的な題材の面白さがとにかく魅力的。ダンスも歌もとにかく素晴らしいですよね。

「コーラス・ライン」と同じ年にトニー賞の候補になった作品に「太平洋序曲」と「シカゴ」が。この年は、かなりの当たり年だったんですねぇ。

今回の来日、BWのリバイバル版のオーディションをこの作品そのものとリンクさせた傑作ドキュメント「ブロードウェイ♪~」を先に観てしまったがために、「あ~、ツアーキャストだなぁ」というのを強く感じてしまったのがちょい残念。でも「ONE」では感極まってしまいました。

やっぱり高良さんのコニー観たかったなぁ。RENTのアレクシーも良かったけど。なんて思った自分は、RENTを観にいった際、高良さんに「ブロドーウェイ♪~」のDVDにサインを頂いてしまったり。

あと、観にいったときの感想に、ザックがやたらと踊りのキレが良かったことを書きましたが、今回ザックを演じていたマイケル・グルーバー氏、なんとなんとなんと、映像でリリースされている「CATS」で狂言回し的なマンカストラップをやってる方じゃないですか!!!!このDVD,何回も観てるよー。なんか色々納得しちゃいましたよ。観たとき知ってたら、もっと大興奮してたけど、知らずに観たのに、彼の踊りに釘付けになった自分を褒めたいと思います。

 

■ RENT (感想) (感想:千秋楽

80年代~90年代初頭は、ロイドウェーバー先生の大活躍やら、東宝でおなじみの「レミゼ」&「ミス・サイゴン」やらで、ロンドン発の作品がヒットを飛ばしまくり、ブロードウェーはちょいとピンチな状態に。個人的にはあのやたらと派手でドラマチックな英国ミュージカルも結構好きですけどね。

90年代に入り、ようやくBW産の作品が活気付いてきたときに登場したのがジョナサン・ラーソンのRENT。しかもロックにのせて、エイズや同性愛といった問題に正面からぶつかった意欲作。

作中でエビータを殺す下りは、ロイドウェーバー氏の出世作、マドンナ主演の映画でおなじみの「Evita」を意識しているらしいっすね。

この作品、ジョナサン・ラーソンの急死というエピソードがあまりにドラマチックなんですが、彼はこの作品を残す為に生まれてきたのだということを強く感じさせるだけのパワーを秘めていて、何度でも観たい!と思わせる稀有な作品に仕上がっていると思います。

特に今回の来日公演はジョナサンと共に作品を作り上げたオリジナルキャスト3名が参加しているということで、非常に満足度の高い舞台でした。日本でこんな公演が見られる機会が訪れるなんて奇跡としか言いようがありません。

他のキャストもみな素晴らしくて、DVDで観ただけですが、BWの最終公演よりも、今回のツアー千秋楽の公演のほうがレベル高かったんじゃないか、なんて思ってしまうくらいの舞台でした。

 

 

そんなわけで、鑑賞順序も作品の発表順だったこともあって、アメリカのミュージカル史を追体験するような夏だったのですが、普段は映画ばかりなミュージカルだけど、やっぱり生の舞台は全然違うよなぁというのを改めて思い知らされました。不満も多かったコーラス・ラインだって、映画版では決して味わえない感動がいっぱいあったし。(ウェスト・サイド・ストーリーはちょっと例外的ですが・・・)

今回たまたま20年おきのヒット作を観たけど、RENTから20年というと、あと5,6年先ですよね。その頃に、これらの作品と肩を並べるような傑作がまた誕生するんですかねぇ。楽しみです。

一時ワーナーさんがやたらめったらDVDの廉価版を出しまくっていた時期に、大量のミュージカル作品を購入して(他のメーカーさんのも購入してますが)、積読状態になっているDVDがいっぱいあるので、ゆっくりと消化していかなきゃなぁ、とかなんとか思ってみる今日この頃なのでした。

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コメント

こんにちは~。
この夏3本のミュージカルの舞台をご覧になったのですね!贅沢~!一本でも・・・と思っていたのですが、はっきりした予定が立たず、行きそびれました。思い立ったらすぐ行ける映画と違って、前もってチケットというのがなかなか難しいです。
20年おきのヒット作って時代の流れを感じますねぇ。
「コーラスライン」と「シカゴ」って同じ年の上演だったのですね。
機会があればミュージカルの舞台見たいと思ってます。
来月は人生2度目のオペラ行きま~す。

投稿: ryoko | 2009年9月23日 (水) 10時55分

>ryokoさん

コメントどうもありがとうございます!

この夏はちょっと頑張って立て続けに見てしまいました。
チケットは全て2月頃だったので、
実際の財政的な被害は半年ほど前ですが・・・。

トニー賞の歴史を見てみると、
結構意外な作品が賞を逃していたり
(それこそ「ウェストサイドストーリー」など)、
同じ年に有名作品が目白押しだったり、
なかなか面白いです。
映画も良いですけど、生はまた格別の面白さがありますので、
是非是非!

オペラは、まだ観にいったことがないんですよねぇ。
好きな作品がいくつかあるので、
いつか生で観てみたいとは思うのですが。

投稿: ANDRE | 2009年9月25日 (金) 01時09分

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