映画「キャラメル」
sukkar banat レバノン フランス 2007 2009年1月公開 DVD鑑賞 |
レバノンなんてニュースで名前を見るくらいで、実際にどのような国なのか全く知りません。そんなわけで、ちょっと話題になっていたこの映画、とても気になっていました。
舞台はベイルートの美容院。妻子持ちの男性との不倫に悩んだり、婚約者に言えない秘密を抱えていたり、女性客の視線が気になったりする美容院で働く女性たちや、片思いの警察官や、オーディションに望む女優、老いた姉と暮らすお針子など、美容院の周囲の人々の姿を人情味たっぷりに描き出す。
いや~、ベイルートは思っていた以上に都会でした。レバノンというと内戦のイメージが強いんですが、この映画を見る限りでは、割と平和的な(軍人が街を歩いてたりはしてましたが)生活をしている様子。
フランス領だったということで、フランス語とアラビア語が使われているようなんですが、映画のクレジットも全て2つの言語で書かれていたり、とりあえず、レバノンという国の状況に釘付け。
美容院が舞台なので、登場人物たちもオシャレさんが多いんだと思いますが、街の様子やら、部屋の様子、宗教、人間模様などを見ていると、ぱっと見、とても西洋的なんだけど、東洋的な雰囲気がチラホラと見え隠れするような感じで、西洋と東洋の中間点なんだなぁというのを強く感じましたね。面白い。
女性たちの悩みも、割と普遍的なものを扱っているものの、そういうところにも、見慣れた欧米映画には見られないようなアプローチがあったり、現代の日本の価値観ともちょっと違う考えがあって、何度も書きますが、純粋に、レバノンという国を見ることを楽しめる作品でしたね~。
手術する場面にはかなりのカルチャーショックが。
タイトルになってるキャラメルの使用法もちょっとビックリでしたが。
でもって、レバノンを見る、というだけでは終わらず、描かれている人間模様がまたどれも味わい深くて良い作品でした。
彼女達の抱える悩みは、恐らくレバノンという国では、とても進歩的な悩みなのではないかと思い、この映画はもしかして、かなりの衝撃作だったのでは?なんて思いながら見てました。
不倫の彼女がメインキャラということもあって、お美しい方なんですけど、ホテルでのパーティなど、いろいろと切なくて、警察官の片思いも気になり、なかなか見ごたえがありました。てか、女性一人だとホテルに泊まれないんですねぇ。
一番好きだったのは、美容院の向かいに暮らす老姉妹の物語。彼女達の物語はそれだけを独立した作品にしても良いくらいだったと思います。
逆に女優のエピソードはみていて、あまりにも痛々しくて、ラストに至ってはかなりひいてしまいましたよ・・・。
盛り上がったときに彼女たちがあげる不思議な歓声が異国情緒たっぷりで、いつまでも耳に残ってます。
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