« 映画「ロック・ミー・ハムレット」 | トップページ | メアリー・ブレア展 »

2009年10月 1日 (木)

映画「幸せはシャンソニア劇場から」

Soundtrack

Faubourg 36
(Paris 36)

フランス

2008

2009年9月公開

劇場鑑賞

俳優としても御馴染みのジャック・ペランが製作し、その甥のクリストフ・バラティエが監督、「コーラス」のスタッフが再集結して製作され、劇場を舞台にしているということで、とても楽しみにしていた作品。音楽映画好きとしては見逃せない1本です。

作品の舞台は世界恐慌やファシズムの波が訪れ、時代が大きく動いていた1936年。

殺人の容疑で逮捕された男が事の顚末を語り始める・・・。

人々から愛された下町の音楽劇場、「シャンソニア劇場」が不況の煽りを受け、ファシストの不動産屋に買収され閉鎖されてしまう。劇場で働いていたピグワル(ジェラール・ジュニョ)はそれ以降定職に就いていなかったが、あるとき、ついに一緒に暮らしていた息子ジョジョが別れた妻に引き取られてしまう。

再び息子と暮らせる日を夢みて一念発起したピグワルは、かつての仲間達を集め、劇場の再建を試みる。紆余曲折の末、生まれ変わった劇場がオープンし、オーディションで採用した美しい娘ドゥースの歌声が評判を呼ぶのだが・・・。

この映画大好きです。

なんというか、映画への愛が溢れているような作品です。全体的にものすごくベタな作品ではあるんだけど、1つ1つの場面が非常に魅力的なのです。

観る前は、劇場を再建して、そこに集う人々を描く、『今宵、フィツジェラルド劇場で』のような感じの作品かと思っていたのですが、殺人容疑で逮捕された男が語り始めるという冒頭からいきなりガツンとやられてしまいました。

ミュージカル、ラブロマンス、ハードボイルド、家族系ヒューマンドラマ、歴史、社会派などなどありとあらゆるジャンルの良いとこ取りといった感じの作品に仕上がっていて、悪く言えば、既視感のある場面のつなぎ合わせのような感じでもあるのですが、そのバランスの取り方が非常に素晴らしくて、最初から最後まで徹底したエンターテイメントで魅せてくれる作品でした。

そして、作中に登場する劇場で上演される音楽劇。ミュージカルとしての完成度の高さが半端ないっす。ミュージカル好きとしてはこの上なく楽しめる場面。この部分、「もはや舞台上ではなくなってるし・・・」的なツッコミ要素もあったんですが、自分が劇場の観客になったような気分で観ているだけでワクワクしてしまいました。

この音楽劇だけでなく、作中に登場する音楽がどれも素晴らしいんですよ。アコーディオンで奏でられるジョジョの歌も、いくつかバージョン違いで登場するんですが、どれも良い。

特にラジオ男が復活してからは完全に釘付けになってしまいました。

モノマネのおっさんがすべりまくりなんですが、あまりの滑り様にかえって面白くなってしまって実は結構好きでした。てかさ、劇場がなくなる前はそれなりに客が入っていたんだから、続投して出演した人がことごとく滑りまくるってのは一体どういうことなんですかねぇ・・・。

ジョジョ君は「コーラス」にも出演していたペラン氏の孫のような年の息子さんですが、大きくなりましたね~。親の七光り丸出しな感じの出演ですが、前作に続いてとても愛らしい少年を好演。

主人公ピゴワルはこれまた「コーラス」にも出演していたジェラール・ジュニョ。この方は「パティニョールおじさん」のイメージがとても強いのですが、味わい深い役者さんですよねぇ。

歌姫ドゥースは新人女優さんですが、久々にオーラの感じられる新人さんで、可愛らしくて今後の活躍が楽しみです♪

あと、この映画、なんてことない場面でも映像が良いなぁと思っていたら、イーストウッド作品で御馴染みのトム・スターン氏が撮影を担当しているんですね。屋上から見えるパリの夜景とかベタなんだけど、すごく良かったです。

そんなわけで、帰りに思わず劇場でサントラを購入してしまい、映画の余韻に浸る今日この頃です。シネスイッチさんで購入したんですが、おまけで2曲分のカラオケが入ったCDがついてました。

 

参考過去レビュー

映画「コーラス」

同じ製作陣による作品。合唱をテーマにした作品で結構好き。
これもサントラ買って今でもたまに聞いてます。

|

« 映画「ロック・ミー・ハムレット」 | トップページ | メアリー・ブレア展 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、cochiです。
この映画2回目です。
音楽が良いので、忘れられません。
カメラさんも良かったので、ボクも調べてみました。
やっぱり良い仕事していましたね。

投稿: cochi | 2009年11月29日 (日) 22時22分

>cochiさん

はじめまして。
コメントどうもありがとうございます!

自分も思わず劇場でサントラを購入してしまい、
2ヶ月経った今でも結構聞いてます。

観る前に誰が撮影したかなどの情報を何も知らずに観て、
良い画を撮るなぁと思っていたら、
なるほど納得な経歴のカメラマンさんでしたね。

音楽や映像が良いと、
劇場で観れて良かったと素直に思えますね。

投稿: ANDRE | 2009年12月 1日 (火) 00時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/145222/46349830

この記事へのトラックバック一覧です: 映画「幸せはシャンソニア劇場から」:

» 幸せはシャンソニア劇場から [LOVE Cinemas 調布]
『ニューシネマ・パラダイス』でサルヴァトーレ役を演じたジャック・ペランがプロデュースした作品。監督は『コーラス』でそのジャック・ペランと組んだクリストフ・バラティエが務める。不況の煽りで閉館に追い込まれたミュージック・ホール「シャンソニア劇場」を再建しようとする元従業員たちを描いたヒューマンドラマ。主演はジェラール・ジュニョ。ヒロインのドゥースを演じるのは本作がデビュー作のノラ・アルネゼデール。... [続きを読む]

受信: 2009年10月 1日 (木) 23時05分

» 幸せはシャンソニア劇場から [だらだら無気力ブログ]
第二次世界大戦が勃発する少し前のパリを舞台に、資金繰りがうまくいかず 閉館に追い込まれたミュージックホールの再建に懸ける人々の姿を描いた 群像劇。1936年のパリ。下町にあるミュージックホール・シャンソニア劇場は不況で 借金が返せず、その形で取り上げられ閉館し..... [続きを読む]

受信: 2009年10月 2日 (金) 01時33分

» 『幸せはシャンソニア劇場から』(2008)/フランス・ドイツ・チェコ [NiceOne!!]
原題:FAUBOURG36/PARIS36監督・脚本:クリストフ・バラティエ出演:ジェラール・ジュニョ、カド・メラッド、クロヴィス・コルニアック、ノラ・アルネゼデール、ピエール・リシャール、ベルナール=ピエール・ドナデュー公式サイトはこちら。<Story>1936年、パリに...... [続きを読む]

受信: 2009年10月 2日 (金) 08時55分

» 『幸せはシャンソニア劇場から』@シネスイッチ銀座 [映画な日々。読書な日々。]
下町の人々から愛されるミュージックホール、シャンソニア劇場が不況のあおりを受け、不動産屋に取り上げられる事態に。支配人のピゴワルは仲間たちとともに劇場を取り戻そうと、オーディションにやって来た美しい娘ドゥースの類まれな歌声を頼りに、再び公演を始めるが……... [続きを読む]

受信: 2009年10月 2日 (金) 22時58分

» 幸せはシャンソニア劇場から♪FAUBOURG 36 [銅版画制作の日々]
 そして、幕が開く──再び笑顔があふれだす。 10月2日、上映最終日滑り込み!気になっていたが、なかなか観れず・・・。ようやく鑑賞出来ました。良かった〜〜♪ パリ〜〜♪パリ〜〜ドゥースの素敵な歌声に酔いしれてブラボーと拍手を送りたくなる。前半はそこまで乗れる感じもなく・・・。淡々と鑑賞していたが、主人公ピゴワルが一人息子と離されてしまうあたりから、釘付け状態なってきた。この息子ジョジョがまたたまらなく可愛いんです。失業した父のことを思い、内緒でお金儲けなんかしちゃい、父ピゴワルが食料品店でつけで... [続きを読む]

受信: 2009年10月 3日 (土) 10時56分

» 幸せはシャンソニア劇場から [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
息子と一緒に暮らしたい。だからこの劇場を建て直す!幸せを求めて奔走する父親と仲間たちの笑顔と涙を音楽で綴る極上のエンターテインメント。 物語:1936年、労働者のストライキや反ファシズム運動が高まる第2次世界大戦の直前。人々から愛されるミュージックホール、....... [続きを読む]

受信: 2009年10月 4日 (日) 22時39分

» 幸せはシャンソニア劇場から [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP]
音楽ものを得意とするクリストフ・バラティエ監督が描くのは、音楽を愛し生活に浸透させて生きるごく普通の人々。そのためか、まなざしがいつも温かい。1936年、第二次世界大戦勃発前夜、パリの下町の人々から愛されるミュージック・ホールのシャンソニア劇場は、経営不振で....... [続きを読む]

受信: 2009年10月10日 (土) 19時25分

» mini review 10479「幸せはシャンソニア劇場から」★★★★★★★★☆☆ [サーカスな日々]
『コーラス』の製作者ジャック・ペランとクリストフ・バラティエ監督が再タッグを組み、フランスで130万人の動員を記録した感動作。経済不況や戦争の影が忍び寄る1936年のフランス、パリ北部の街角にあるミュージックホールを舞台に、力強く生きる親子、恋人同士、音楽仲間たちの物語が華やかな音楽とともにつづられる。歌唱力抜群の大型新人として注目を集めた19歳のノラ・アルネゼデールなど、キャストたちの好演と歌声にも注目だ。[もっと詳しく] アコーディオンが似合う街は、やっぱり、いいものだ。 『コーラス』(0... [続きを読む]

受信: 2010年8月18日 (水) 10時40分

« 映画「ロック・ミー・ハムレット」 | トップページ | メアリー・ブレア展 »