映画「幸せはシャンソニア劇場から」
Faubourg 36 フランス 2008 2009年9月公開 劇場鑑賞 |
俳優としても御馴染みのジャック・ペランが製作し、その甥のクリストフ・バラティエが監督、「コーラス」のスタッフが再集結して製作され、劇場を舞台にしているということで、とても楽しみにしていた作品。音楽映画好きとしては見逃せない1本です。
作品の舞台は世界恐慌やファシズムの波が訪れ、時代が大きく動いていた1936年。
殺人の容疑で逮捕された男が事の顚末を語り始める・・・。
人々から愛された下町の音楽劇場、「シャンソニア劇場」が不況の煽りを受け、ファシストの不動産屋に買収され閉鎖されてしまう。劇場で働いていたピグワル(ジェラール・ジュニョ)はそれ以降定職に就いていなかったが、あるとき、ついに一緒に暮らしていた息子ジョジョが別れた妻に引き取られてしまう。
再び息子と暮らせる日を夢みて一念発起したピグワルは、かつての仲間達を集め、劇場の再建を試みる。紆余曲折の末、生まれ変わった劇場がオープンし、オーディションで採用した美しい娘ドゥースの歌声が評判を呼ぶのだが・・・。
この映画大好きです。
なんというか、映画への愛が溢れているような作品です。全体的にものすごくベタな作品ではあるんだけど、1つ1つの場面が非常に魅力的なのです。
観る前は、劇場を再建して、そこに集う人々を描く、『今宵、フィツジェラルド劇場で』のような感じの作品かと思っていたのですが、殺人容疑で逮捕された男が語り始めるという冒頭からいきなりガツンとやられてしまいました。
ミュージカル、ラブロマンス、ハードボイルド、家族系ヒューマンドラマ、歴史、社会派などなどありとあらゆるジャンルの良いとこ取りといった感じの作品に仕上がっていて、悪く言えば、既視感のある場面のつなぎ合わせのような感じでもあるのですが、そのバランスの取り方が非常に素晴らしくて、最初から最後まで徹底したエンターテイメントで魅せてくれる作品でした。
そして、作中に登場する劇場で上演される音楽劇。ミュージカルとしての完成度の高さが半端ないっす。ミュージカル好きとしてはこの上なく楽しめる場面。この部分、「もはや舞台上ではなくなってるし・・・」的なツッコミ要素もあったんですが、自分が劇場の観客になったような気分で観ているだけでワクワクしてしまいました。
この音楽劇だけでなく、作中に登場する音楽がどれも素晴らしいんですよ。アコーディオンで奏でられるジョジョの歌も、いくつかバージョン違いで登場するんですが、どれも良い。
特にラジオ男が復活してからは完全に釘付けになってしまいました。
モノマネのおっさんがすべりまくりなんですが、あまりの滑り様にかえって面白くなってしまって実は結構好きでした。てかさ、劇場がなくなる前はそれなりに客が入っていたんだから、続投して出演した人がことごとく滑りまくるってのは一体どういうことなんですかねぇ・・・。
ジョジョ君は「コーラス」にも出演していたペラン氏の孫のような年の息子さんですが、大きくなりましたね~。親の七光り丸出しな感じの出演ですが、前作に続いてとても愛らしい少年を好演。
主人公ピゴワルはこれまた「コーラス」にも出演していたジェラール・ジュニョ。この方は「パティニョールおじさん」のイメージがとても強いのですが、味わい深い役者さんですよねぇ。
歌姫ドゥースは新人女優さんですが、久々にオーラの感じられる新人さんで、可愛らしくて今後の活躍が楽しみです♪
あと、この映画、なんてことない場面でも映像が良いなぁと思っていたら、イーストウッド作品で御馴染みのトム・スターン氏が撮影を担当しているんですね。屋上から見えるパリの夜景とかベタなんだけど、すごく良かったです。
そんなわけで、帰りに思わず劇場でサントラを購入してしまい、映画の余韻に浸る今日この頃です。シネスイッチさんで購入したんですが、おまけで2曲分のカラオケが入ったCDがついてました。
参考過去レビュー
同じ製作陣による作品。合唱をテーマにした作品で結構好き。
これもサントラ買って今でもたまに聞いてます。
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コメント
はじめまして、cochiです。
この映画2回目です。
音楽が良いので、忘れられません。
カメラさんも良かったので、ボクも調べてみました。
やっぱり良い仕事していましたね。
投稿: cochi | 2009年11月29日 (日) 22時22分
>cochiさん
はじめまして。
コメントどうもありがとうございます!
自分も思わず劇場でサントラを購入してしまい、
2ヶ月経った今でも結構聞いてます。
観る前に誰が撮影したかなどの情報を何も知らずに観て、
良い画を撮るなぁと思っていたら、
なるほど納得な経歴のカメラマンさんでしたね。
音楽や映像が良いと、
劇場で観れて良かったと素直に思えますね。
投稿: ANDRE | 2009年12月 1日 (火) 00時20分