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2009年10月 4日 (日)

「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎

陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

陽気なギャングの日常と襲撃

伊坂幸太郎

祥伝社文庫 2009.8.
(original 2006)

伊坂作品としては珍しく続編もの。前作が素晴らしく面白いエンタメ小説だったので、再びあの4人に会えるのを楽しみにして読んでみました(実はどんな4人だったかちょっと忘れかけてたけど)。

人が嘘をついているかどうかを見極められる成瀬、演説の天才である響野、完璧な体内時計を持つ雪子、そして、スリの天才である久遠の4人はそれぞれの能力を生かし、銀行強盗を行っている。

あるとき、強盗をした銀行で目撃した女性が成瀬の同僚の恋人であることが分かり、やがて、4人は事件に巻き込まれるのだが・・・。

作品は大きく分けて2つに分かれていて、前半が4人の強盗たち一人一人を主人公にした短編、後半が4人が遭遇する事件を描く中編となっています。

いや~、面白かったぁ。

前作にそこまで思い入れもないし、まさかここまでハマるとは思いませんでしたよ。

前作よりも今回のほうが好きなどころか、これまで読んだ伊坂作品の中でもかなり上位に食い込むくらい気に入ってしまいました。前作よりも伊坂氏が作家として成熟してきたこともあるんだと思いますが、テンポのよい展開や各キャラクターの会話をいつまでも楽しんでいたいと思わせ、神業的な伏線の多さとその見事な回収っぷりに驚かされ、極上のエンターテイメントに仕上がっていたと思います。

続編とはいえ、前作を読んだのが3年前なので大分記憶も薄れていたのですが、前半の4人それぞれを主人公にした短編が丁度良いキャラの復習になっていたのも嬉しかったです。

てか、この短編もそれぞれが単独で普通に面白いんですが、完全に独立しているように見えた4つの短編が後半の本編において、見事なまでの伏線として機能しているのですよ。これには、ただただ「スゲー面白い!」としか言えないです。

実は前作は、面白いには面白かったんだけど、他の作品に比べるとちょっと軽すぎる印象があって、あまり記憶に残らない作品だなぁと思っていたんですが、今回はキャラクターが生き生きとしていて、前作以上に魅力的になっているんですよね。特に伊坂節炸裂な感じの響野の喋りと、それに対する皆の愛のこもった冷たいあしらいが最高でした。

前半の短編では、成瀬と雪子の話が好きかなぁ。

あと、文庫版だけのボーナストラックも短いながら、何気に良い作品でした。単なる「おまけ」ではないです。

さらなる続編を期待したい!!

順番だと次は半年後くらいに「フィッシュ・ストーリー」、1年後くらいに「ゴールデンスランバー」が文庫化ですよね。うぅ、待ち遠しい。でも、この文庫化を待ってるときのワクワク感も結構好きなのです。

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