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2009年12月

2009年12月31日 (木)

不覚にも・・・

ノロウィルスに倒れてしまったため、「いろいろ大賞」の書籍編と映画編、年明け以降の更新になりそうです。

皆様どうぞよいお年をお迎えください。

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2009年12月30日 (水)

09年いろいろ大賞(音楽編)

年末のいろいろ大賞、音楽部門です。

今年聞いた音楽の中でお気に入り作品について書いていきます。

 

今年は難しかったですねー。

ダントツでコレ!っていう衝撃的な1枚が無くて、過去に持っていたCDを繰り返し聞くことのほうが多かったように思います。

そんなわけでランキングするのも難しかったので、とりあえずよく聞いたのを羅列するだけで。

気が向いたらコメント加えるかもです。

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09年いろいろ大賞(その他編)

21世紀がはじまってもう10年!早っ!

00年代最後の年も、いろいろなエンタメに接しましたが、毎年恒例の「いろいろ大賞」を今年も勝手にランキングさせていただきます。

色々大賞のほうも5年目なんですね。早っ!

とりあえずは「その他部門」。

TVドラマやら、舞台やら、展覧会やらのまとめです。

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「ミーナの行進」 小川洋子

ミーナの行進 (中公文庫)

ミーナの行進

小川洋子

中公文庫 2009.7.
(original 2006)

発売と同時くらいに買っていたものの、小川洋子作品は、扱う題材は好きなのに、どうも好きになれなかったという感想で終わることも多いので、なかなか手が出せずにしばし積読されていた1冊。

もっと早く読んでれば良かったな、と素直に思える名作でした。

1972年、朋子は中学に上がると同時に、家庭の事情で神戸にある伯母の家に預けられることになる。清涼飲料水メーカーの社長である伯父の家は、大きな洋館で、朋子はそこで体の弱い1つ年下の少女ミーナと出会い、2人は親友となる。ドイツ人であるミーナの祖母ローザさんや、庭で飼われているコビトカバのポチ子など個性豊かな家族たちと過ごした1年を描く。

1年の最後の最後で、年間ランキングに大波乱を起こす名作と出会ってしまいました。過去に読んだ小川作品の中でもダントツ1番にお気に入りの1冊。

「ミーナの行進」の情景など、ファンタジックな要素もあり、確かにフィクションではあるんだけど、とても説得力のある語りでこの世界をすんなりと受け入れることができるんですよね。

描かれるエピソードは、とてもドラマチックというようなこともあまりなく、事件もあるけれど、日常の域は出ていません。楽しい出来事ばかりではないけれど、小さなマッチ箱に素敵な物語が隠されているように、語り手である朋子人生において、この1年のささいな日常がキラキラと輝いていたということが、これでもかというくらいに伝わってくる空気感の描写の上手さは見事でした。

 

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2009年12月29日 (火)

映画「キット・キトリッジ・アメリカン・ガール・ミステリー」

キット・キトリッジ アメリカン・ガール・ミステリー [DVD]

Kit Kittredge
An American Girl Mystery

アメリカ

2008

日本未公開

DVD鑑賞

アビゲイル・ブレスリン主演の未公開作品。

アメリカの様々な時代に生きた少女たちを主人公にした『アメリカン・ガールズ』というTVシリーズがあり、TV版では20世紀初頭を舞台にアナソフィア・ロブが主演するなどしている人気シリーズの映画版。

舞台は世界恐慌時代のオハイオ州シンシナティ。新聞記者を夢みるキット(アビゲイル・ブレスリン)の周囲でも、同級生の父が失業し学校に来なくなってしまうなど、不況の波が押し寄せていた。街にはホーボーと呼ばれる、街から街へと移動しながらその日暮らしの生活をするホームレスたちの一団がやってきていて、キットの家にも家の仕事を手伝わせてほしいとホーボーの少年達が訪れる。

そんな折、キットの父(クリス・オドネル)も仕事を失ってしまい、家族を置いて一人仕事を求めてシカゴへと出稼ぎに行くことになってしまう。キットの家では家賃収入でなんとかやっていこうと、下宿人をおくようになり、賑やかな生活が始まるのだが・・・

TVシリーズの映画版ってことで、もとのTVシリーズも特に連続モノではないようなのですが、映画としてのクオリティも悪くは無いんだけど、TVのスペシャル版なのかな、といった感じですかね。

ちょっとした事件が起こってミステリー仕立てになるんだけど、どうもその辺りのストーリーが単純であまり面白くないのですよ。

大恐慌時代、苦しいこと、哀しいことがいっぱいあるけれど、そんな中でも楽しいことを見つけ、勇気を持って行動し、自らの道を開拓していく少女の姿はとても力強いんですが、パパさん、がんばって~、と、応援したくなっちゃうのも事実。

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映画「3時10分、決断のとき」

3時10分、決断のとき [DVD]

3:10 to YUMA

アメリカ

2007

2009年8月公開

DVD鑑賞

最近にしては珍しく良い評判をよく聞いた西部劇で、気になってた1本。リメイク作とのことですが、オリジナルは未見です。

南北戦争で北軍に従軍し片足を失ったダン(クリスチャン・ベール)は、家族とともに農場を営んでいたが、借金がかさみ、農場に様々ないやがらせを受けるようになっていた。あるとき、交渉をするために息子たちと町に向かっていたダンは、早撃ちの名手として知られる無法者ベン(ラッセル・クロウ)率いる一団によって駅馬車が襲撃されている現場に遭遇する。

その後、町の酒場で、ベンが逮捕される現場に居合わせたダンは、借金返済のため、200万ドルと引き換えに、保安官らと共にベンを3時10分ユマ発の列車に乗せるための護送に協力することになる。

ベンの一味たちが狙う中、ダンたちは無事ベンを列車まで送り届けることができるのか・・・

そこまで西部劇が好きというわけでもなく、観たことのある作品も多くは無いんですが、なかなか楽しめる作品でした。まぁ、でも、全てが予定調和というか、ラストのラストまで安心感のある展開で、そういう意味では新鮮味はなかったかなぁと。

なんといっても、ラッセル・クロウ演じる無法者が素晴らしくて、人間味あるキャラだったのが良かったですね~。なんか、それまでどれだけの悪事を働いてきたのかとか分からないけれど、最後のあのシーンだけでかっこよく見えてしまいますよね~。

ストーリー的には結構動き始めるのが遅い感じだったんですが、ユマの街についてからの緊迫感はなかなかのもので、終盤の見ごたえはバッチリ。

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2009年12月28日 (月)

「あなたが、いなかった、あなた」 平野啓一郎

あなたが、いなかった、あなた (新潮文庫)

あなたが、いなかった、あなた

平野啓一郎

新潮文庫 2009.7.
(original 2007)

実験的な短編集が続いた平野啓一郎ですが、こちらもまた実験的な要素の強い作品を含んだ短編集。

平野氏は基本的に文章がとても上手いと思うので、実験的な要素があっても、リーディビリティの高さが保持されているのが流石だなと思います。

以下、面白かった作品にコメントを。

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2009年12月26日 (土)

映画「フィッシュストーリー」

フィッシュストーリー [DVD]

フィッシュストーリー

日本

2009

2009年3月公開

DVD鑑賞

1つ前の原作の感想記事で予告した通り、原作を読み終えてすぐに映画版をDVDで鑑賞。原作は文庫版で追いかけていて、さらに伊坂作品はどうしても原作を先に読みたいので、劇場公開時もできる限り予告編を見ないようにするなどグググッと我慢していたのをようやく観ることができました。

そんなわけで、短編集『フィッシュストーリー』に収録されている表題作の映画化。

2012年

隕石がまもなく地球に衝突しようとしている時、谷口(石丸謙二郎)は誰もいなくなった町でレコード店に残る店員(大森南朋)と客がいることに気づき、店へと入っていく。そこで、店員は逆鱗というバンドの「FISH STORY」という曲のレコードをかけるのだが・・・。

1980年

気の弱い大学生の雅志(濱田岳)は合コンに行く友人達の運転手をさせられていた。そこで恐怖のテープを収集している友人の悟(波岡一喜)が車内で「FISH STORY」をかける。間奏途中にある無音の部分に女性の叫び声が聞こえることがあるというのだが・・・。

2009年

修学旅行中の高校生の麻美(多部未華子)は寝過ごしてフェリーから降りそびれてしまい、北海道へと向かうフェリーの船内に取り残されてしまう。やがて、彼女の乗るフェリーがシージャックされてしまうのだが、正義の味方(森山未来)が現れ・・・。

1975年

売れないバンド逆鱗のメンバーたち(伊藤淳史、高良健吾ら)は最後のレコーディングに臨むことになるのだが・・・

時代を超えて紡がれる物語。

何に驚いたかって、いきなり『終末のフール』!?な冒頭から始まったこと。映画版のオリジナル要素がこんな形で入ってくるとは!!どうせなら団地を舞台にしてー。とか思ってしまったり。

他、細かな違いはあるものの、概ね原作通りの映画化。ただ、どのエピソードも原作よりも1つ1つの描き方が細かく、深くなっていて、原作のあっさりとした感じがやや物足りなかった自分には嬉しい映像化。あと、原作ではちょっと不満だったネタバレのタイミングが、映画のほうがしっくりくるように変えてあったのもポイント高し。中村監督はとは気が合うのかもしれません。

それそれの物語の中では一番物足りなかったのは2012年パート。レコード店でのやりとりがちょっと舞台っぽい台詞回しになっていて(石丸氏のせいか)、全体的にわざとらしい印象が強いかったんですよねぇ。

そんんわけで、各パートごとにサクッと感想を。

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2009年12月24日 (木)

「フィッシュストーリー」 伊坂幸太郎

フィッシュストーリー (新潮文庫)

フィッシュストーリー

伊坂幸太郎

新潮文庫 2009.11.
(original 2007)

映画化したこともあって、文庫化が早かったですね~。この調子で『ゴールデンスランバー』も映画化にあわせて文庫になってくれませんかねぇ。

そんなわけで、すっかりファンな伊坂幸太郎作品です。読むまで長編もしくは連作短編かと思っていたんですが、珍しく独立した作品4本を収録した短編集でした。

どっかでつながるんじゃないかとかかなり期待しちゃったんですが、特にそういう仕掛けもなく・・・。ただ、他作品とのリンクがかなり多かったですね。特に『ラッシュライフ』。伊坂ファンとしてはリンクに気づくとついついニヤリとしてしまいます。

そんなわけで、以下4作品それぞれについて感想を。

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映画「1408号室」

1408号室 [DVD]

1408

アメリカ

2007

2008年11月公開

DVD鑑賞

アメリカにてキング原作映画としては最大のヒットとなったということで話題になっていた1本。結構前に原作を読んでいたんですが、ホラー映画を見るのにはかなりの心の準備が必要でして、気になりつつも、鑑賞するのに今の今までかかってしまいました。

主人公マイク(ジョン・キューザック)は作家としてデビューしたものの、現在は心霊スポットを取材し、本にまとめる生活を送っていた。あるとき、一通のハガキからマイクはNYのドルフィンホテルに過去に宿泊した56名が全員死亡したという部屋があることを知る。支配人のオリン(サミュエル・L・ジャクソン)から忠告を受けるも、心霊現象の存在を信じないマイクは呪われた1408号室で一夜を過ごすのだが・・・

なんか、よくできてるし、つまらなくはないんだけど、そこまで怖くもなかったし、ものすごい面白いって感じでもなかったです。キング原作だったらもっと怖くて面白い作品は沢山あるよね。『ミザリー』とか。(中学くらいの頃キングにどっぷりとハマっていて、原作も映画も割と観てたりします。)

ただ、ほとんど一人芝居で、迫真の演技を見せてくれるジョン・キューザックはかなり良かったです。あと、別に彼でなくても良いのではという登場時間の短さにもかかわらず、ものすごい存在感で「何かあるのでは?」と感じさせるサミュエル・L・ジャクソンも渋くて怪しくて良い味出してました。

あと、あんまし血なまぐさい映像がなかったので、積極的にホラーを観ない自分にも観やすい作品でした。

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2009年12月22日 (火)

「寄宿生テルレスの混乱」 ムージル

寄宿生テルレスの混乱 (光文社古典新訳文庫)

寄宿生テルレスの混乱
(die verwirrungen des Zöglings Törleß)

ロベルト・ムージル
(Robert Musil)

光文社古典新訳文庫 2008.8.
(original 1908)

古典新訳文庫のドイツもの。ケストナーの『飛ぶ教室』なんかでも御馴染みのギムナジウムを舞台にした作品ということでちょっと面白そうだな、と。

主人公は寄宿学校に入った少年テルレス。仲間達とともに過ごす中、大人の階段をのぼりはじめる彼だったが、あるとき、お金を盗んだ同級生バジーニが仲間達からいじめにあい始め、テルレスもまた彼を前にしたとき、不思議な感覚を覚えてしまう・・・

前半はちょっと退屈な印象だったんですが、バジーニ事件が起こる後半以降、テルレスの激しい混乱っぷりが描かれ始め、結構エンタメしてるテンポの良い展開でなかなか面白い作品でした。

このところ、一人称で書かれた小説を読む機会が非常に多いこともあって、この小説の語り手が、主人公テルレスが自分自身でも気づいていない思いや感情を綴り、さらには、未来の彼がこのことをどのように振り返るのかというようなことまで語られていて、まさに神の視点で、「そこまで彼のことを知ってるあなたは何者!?」な気持にさせてくれる語りが久々でちょっと新鮮な感覚を受けてしまいました。

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映画「26世紀青年」

26世紀青年 [DVD]

idiocracy

アメリカ

2006

日本未公開

DVD鑑賞

未公開作品って結構隠れた名作が埋もれていたりするので、大ヒット作品に全く興味がなくて普通にスルーすることも多い者としては、気になる作品はとりあえずチェックしておきたいものです。

ちょっと前にDVDリリースされ、タイトルからして、あららこの邦題は・・・な残念な運命を背負ってしまっている1本ですが、はてさて・・・

2005年、軍に務める主人公ジョーは、他に家族がいなく、ごくごく平均的であるということから、人類冬眠の実験に参加させられ、娼婦のリタと共に1年間の予定で冷凍睡眠装置の中にいれられることになる。

ところが、その後、不祥事の発覚で責任者が逮捕、秘密裏に進められていたこの実験に関して知る者がいなくなってしまい、忘れ去られたまま500年が経過する。

26世紀。IQの低い人間は性欲が旺盛であり、若くして多くの子供を作ってしまうため、そのIQの高い人間よりも多くの子孫を残すことになり、その結果、人類の平均IQは著しく低下していた。そんな時代に目覚めたジョーは、遠い昔に作られたというタイムマシンを求めて街をさまようのだが・・・

これ、結構面白いです。ストーリーのないB級映画ってわけでもなくて、結構真面目なテーマに正面から向かいつつ、アホアホで仕方のないコメディに仕上げてます。

てか、タイトルもオリジナルは割と凝っていて、愚かであることを意味する「idiot」と統治社会を表す「~cracy」を合わせた造語で「馬鹿の世界」みたい意味ですよね。もうちょっと気の利いた邦題つけてあげて~。

この手の映画にしては扱ってる内容の割にも下ネタもそんなに過激ではなく(まぁ多々でてきますが)、風刺がピリリときいているな、という感じ。無駄に作りこまれている未来世界がまた良い。ちょっと安っぽいセットもこういう映画だと微笑ましくて良いよね。

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2009年12月20日 (日)

「悪魔の涎・追い求める男 他8編」 コルタサル

悪魔の涎・追い求める男 他八篇―コルタサル短篇集 (岩波文庫)

悪魔の涎・追い求める男 他8編
(las babas de diablo/ el perseguidor)

フリオ・コルタサル
(Julio Cortazr)

岩波文庫 1992.7.
(original 1956,1959 etc.)

アルゼンチンの作家コルタサルの短編集。なかなか面白いという評判をよく耳にするので、どんなものかと、読んでみました。

収録されているのはタイトルの通りに短編が10本。幻想的な作品が多く、印象としては、マグリットなんかの絵画作品の世界観を小説にしたような感じでした。日常世界のすぐそばに幻想世界が広がっているのを感じさせてくれて、不思議な世界への入口を垣間見るようなゾクゾクとした感じがたまらなかったです。

おぉ、これがマジック・リアリズムか!て感じですかね。(こういうジャンル分けはあまり好きじゃないんだけど)

コルタサルは「石蹴り遊び」も読んでみたいなぁ。てか、集英社文庫が一時期南米文学シリーズを出してたのに、今はすっかり絶版状態。高校~大学入ったばかりくらいの頃に、このシリーズをまとめて買おうかどうか、書店でさんざん迷って、とりあえず見送ってしまったことが非常に悔やまれます。

以下面白かった作品メモ。

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2009年12月18日 (金)

映画「カールじいさんの空飛ぶ家」 

The Art of Up (Pixar Animation)

up

アメリカ

2009

09年12月公開

劇場鑑賞

このところ忙しく、鑑賞から10日以上経過してしまいましたが、ようやく感想を書けました。

ピクサーの新作、ディズニーファンとしては見逃せません☆

個人的には吹替え版には抵抗ありまくりなため、3D字幕版を観ようかなとも思ったのですが、字幕の3D版は時間が合わなかった為、普通の字幕版での鑑賞です。

冒険家チャールズに憧れていたカール少年は同じように冒険を愛する少女エリーと出会い、いつか南米にあるというパラダイス・フォールズという伝説の場所に行こうと夢を語り合う。月日は流れ、2人は結婚し、年老うまで幸せな日々を送るが、幼い日の夢を叶えぬままエリーは先立ってしまう。

子供時代から2人で夢を育んできた家の周囲が開発され、立ち退きを迫られた78歳のカールは、一大決心をし、亡き妻との夢をかなえるため、家に結びつけた多数の風船とともに、空へと飛び上がり、パラダイス・フォールズを目指すのだが、近所に暮らすボーイスカウトの少年ラッセルが一緒についてきてしまう・・・

いやはや、とっても良い作品でした。

宮崎駿氏のコメントは、皮肉っぽくて正直あまり褒め言葉になってないような気もするんですが、それでも氏の述べられているように、冒頭の追憶の場面の完成度の高さは本当に素晴らしかったと思います。

あの場面だけで、最後にカールじいさんが風船をつけた家に乗って空に向かう場面で終わらせて5分くらいの短編映画にしたら、それはそれでとんでもない名作短編として後世に名を残したのではないかと思うくらいに良い。

特に、追憶の後半、寝ているエリーの前に風船が飛んでくるあたりからは涙腺がゆるみまくりですよ。

ピクサーの脚本力と技術力を持ってすれば、このまま、感動の名作を作り上げることもできたのではないかと思うんですが、さすがはピクサー一筋縄ではいきません。なんとビックリ、本編はハラハラドキドキの冒険活劇!

こういうベタな冒険活劇作品ってこのところあまりお目にかからない気がするので、子供達は本当に楽しめたんじゃないかと思います。自分も気持的には『ラピュタ』をはじめて見た小学生の頃の気持ちになってましたよ。

あと、今回もいつも通りにおまけ短編付でしたが、個人的にはイマイチだったかなぁ。ピクサー短編のマイベストは『カーズ』と同時公開だった『ワンマンバンド』かなぁ。

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2009年12月13日 (日)

「それからはスープのことばかり考えて暮らした」 吉田篤弘

それからはスープのことばかり考えて暮らした (中公文庫)

それからは
スープのことばかり
考えて暮らした

吉田篤弘

中公文庫 2009.9.
(original 2006)

吉田篤弘作品、今年は文庫化ラッシュですねぇ。この作品、なんとビックリ、『つむじ風食堂』に続く月舟町シリーズの第2弾なんですね!!!出版社が違うので、そこに関しては、読み始めるまで、完全にノーマークでしたよ。

仕事を辞めて月舟町に引っ越してきた主人公の「僕」ことオーリィは、時間を見つけては映画館<月舟シネマ>へ通い、そこでかかる古い作品を観ていた。近所にあるサンドイッチ屋「トロワ」の常連となった彼は店主の安藤さんやその息子とも親しくなり、やがて、サンドイッチ店を手伝うようになるのだが・・・

最近読んでいた吉田作品は正直、どこか物足りなかったんですが、これは久々にかなり良かったです☆ますます月舟町に住みたくなっちゃいますよ!

連作短編になってるのかと思いきや、結構しっかりと長編だったんですが、まさに「スープ」のような温かさで満ち溢れていて、すぐに読み終えてしまう軽さの中に、ギュギュギュっと人情が詰められた作風はやっぱり大好きです。

出てくる登場人物たちがとにかく愛らしいのに、そこに、映画やらが絡んできたらもうたまらないですよ。

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2009年12月11日 (金)

映画「ワン・デイ・イン・ヨーロッパ」

ワン・デイ・イン・ヨーロッパ [DVD]

one day in europe

ドイツ スペイン

2005

07年9月公開

DVD鑑賞

ヨーロッパを舞台にしたオムニバス映画。05年の作品が07年に日本公開になり、DVD化が09年。公開時にちょっと観たいなと思っていたことすら忘れかけていたころにレンタル店で発見しました。

サッカーのヨーロッパチャピオンを決めるトルコのチームVSスペインのチームの試合がモスクワの競技場で行われる日、ヨーロッパの4つの都市を舞台に繰り広げられる人間模様を描く4話のオムニバス。

ドイツ映画はたまに見るとやっぱり面白い!

どの話にも共通しているのが、その都市を訪れた旅行者である主人公が強盗被害にあうor強盗被害を装うという状況で警察に被害を届けるということ。全部でヨーロッパ7カ国の登場人物たちが、それぞれのお国柄を代表して巻き起こる騒動がユーモラスにえがかれていて、なかなか面白い作品でした。

それぞれのキャラクターがちゃんと自国語を喋るので、7カ国語が登場する作品なんですけど、EUという共通通貨を使う圏内でありながら、意思の疎通もままならずにトラブル続出というヨーロッパの雑多さをとてもよく映し出している作品。

ただ、字幕が英語をベースにして、英語以外の言語には括弧<>をつけているんですけど、英語中心の作品でもないし、その他6カ国語は何の区別もなしに同じ括弧でくくられているので、もう一工夫してくれたほうが分かりやすかったかな、と思う。ま、耳で聞いて判断してね、ということなのかもしれないけど。

どの話も同じ1日を舞台にしていて、サッカーの試合で町は大盛り上がりだし、警察官もTVに夢中という状況下が共通するところにも、ヨーロッパでのサッカー人気の高さが感じられるんだけど、主人公たちは、当事国ではないからか、まるでサッカーに興味がないというのもちょっと面白い。

以下、4話それぞれに感想を。

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「ロックンロールミシン2009」 鈴木清剛

ロックンロールミシン2009 (小学館文庫)

ロックンロールミシン2009

鈴木清剛

小学館文庫 2009.1.
(original 1999)

以前『ラジオデイズ』を読んで、三島賞受賞の『ロックンロールミシン』もいつか読もうと思っていたら、今年になって改稿したバージョンが出ているのを書店で発見。丁度良い機会なので読んでみました。

主人公の賢二はそれまで勤めていた会社を辞め、新しい人生を模索していた。そんなとき、高校時代の友人が仲間達と3人でインディーズの服飾ブランドをたちあげる。最初は興味深く彼らの仕事を見ていた賢二だったが、やがて、それを手伝うようになり・・・という物語。

「インディーズ」の良いところも悪いところも描いた作品で、なかなか面白かったです。

ただ、「ラジオデイズ」を読んだときにも思ったんですが、この人の書く文章は、第3者的視点の語りで進んでいたものが突如主人公視点になっていたりする視点の移り変わるタイミングがどうも自分の中でしっくりこなくて、とても読みづらい印象なんですよね。

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2009年12月 9日 (水)

「拳闘士の休息」 トム・ジョーンズ

拳闘士の休息 (河出文庫 シ 7-1)

拳闘士の休息
(the pugilist at rest)

トム・ジョーンズ
(Thom Jones)

河出文庫 2009.10.
(original 1993)

全く予備知識なしになんとなく面白そうだと思って手に取った1冊。他の翻訳作品もエッセイも面白い岸本佐知子訳だというのが最大の決め手。

アメリカの作家による短編集で、作者自らの経歴がベースになっている作品が多く、ベトナム戦争での経験や、ボクサー、そして、癲癇発作とそれによる不安定な精神状態などが共通して多くの作品に登場します。

作者自身が何度も死の瀬戸際を経験しているからか、肉体的にも精神的にもどんなに過酷な状況にあっても、はいつくばって生きていくような姿が多く描かれていて、彼らの声がとても力強く胸に響いてくるような短編でした。

特に、作者の経験が色濃く反映されていると思われる表題作と女性癌患者を描いた「わたしは生きたい!」はすさまじい声の力を感じる作品だったと思います。「わたし~」の最後なんか、とんでもないインパクト。

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2009年12月 1日 (火)

映画「ピンクパンサー2」

ピンクパンサー2 (特別編) [ザ・ベスト・アニメーション ( ピンク・パニック編)付] (初回生産限定) [DVD]

pink panther 2

アメリカ

2009

09年4月公開

DVD鑑賞

スティーヴ・マーティン主演による「ピンクパンサー」新シリーズの第2弾。前作がとても面白かったので、同じキャストで続編を作ってくれて嬉しい限りです。

冒頭のピンクパンサー登場のアニメとあのテーマ曲が流れるだけでワクワクしちゃいます♪

イタリア、東京など世界各地で、怪盗「トルネード」により貴重な品々が盗まれるという事件が発生し、各国の敏腕捜査官たちによるドリームチームが結成されることとなった。ダイヤモンド「ピンクパンサー」が盗まれてしまったパリからは、クルーゾー警部(スティーブ・マーティン)が参加することになるのだが・・・

前作からつづいて、スティーブ・マーティンが主演しているだけでなく、相棒のポントンのジャン・レノ、可愛い秘書のニモルのエミリー・モーティマーと、思わず心躍ってしまう豪華キャストは健在。クルーゾーの上司は前作ではケヴィン・クラインでしたが、こちらはキャストが交代になってましたね・・・。

そして、ドリーム・チームの面々のなかに、イタリア代表の色男としてアンディ・ガルシアが!久々に観たよ~。日本代表が日本でも知名度の高い役者さんだともうちょっとテンションが上がったんですが、ユキ・マツザキなる役者さんでした。怪しげな美術商として出てくるジェレミー・アイアンズも出番がやや微妙なものの、まさかの出演という感じですよね。

そんな豪華キャストが勢ぞろいな作品だったんですが、個人的には前作のほうが好きだったかなぁ。なんか全体的にドタバタが過ぎた気が。前作のほうが自分の笑いのツボはまるネタが多かったように思います。

あと、ドリームチームを出してしまったが為に、登場人物が多くなってしまって、全体にゴチャゴチャしちゃってるような印象を受けました。もうちょっとコンパクトな登場人物でワイワイやってるほうが好きかなぁ。ドリーム・チームのせいでジャン・レノの出番が非常に少なかったのがかなり残念でした。前作ではたっぷりと笑わせてくれましたからね~。

しかし、スティーヴ・マーティン&ジャン・レノによるホホバ・ダンスは最高に面白かったです☆こうして記事を書いてても思い出し笑いしそうな勢い。

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