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2009年12月29日 (火)

映画「キット・キトリッジ・アメリカン・ガール・ミステリー」

キット・キトリッジ アメリカン・ガール・ミステリー [DVD]

Kit Kittredge
An American Girl Mystery

アメリカ

2008

日本未公開

DVD鑑賞

アビゲイル・ブレスリン主演の未公開作品。

アメリカの様々な時代に生きた少女たちを主人公にした『アメリカン・ガールズ』というTVシリーズがあり、TV版では20世紀初頭を舞台にアナソフィア・ロブが主演するなどしている人気シリーズの映画版。

舞台は世界恐慌時代のオハイオ州シンシナティ。新聞記者を夢みるキット(アビゲイル・ブレスリン)の周囲でも、同級生の父が失業し学校に来なくなってしまうなど、不況の波が押し寄せていた。街にはホーボーと呼ばれる、街から街へと移動しながらその日暮らしの生活をするホームレスたちの一団がやってきていて、キットの家にも家の仕事を手伝わせてほしいとホーボーの少年達が訪れる。

そんな折、キットの父(クリス・オドネル)も仕事を失ってしまい、家族を置いて一人仕事を求めてシカゴへと出稼ぎに行くことになってしまう。キットの家では家賃収入でなんとかやっていこうと、下宿人をおくようになり、賑やかな生活が始まるのだが・・・

TVシリーズの映画版ってことで、もとのTVシリーズも特に連続モノではないようなのですが、映画としてのクオリティも悪くは無いんだけど、TVのスペシャル版なのかな、といった感じですかね。

ちょっとした事件が起こってミステリー仕立てになるんだけど、どうもその辺りのストーリーが単純であまり面白くないのですよ。

大恐慌時代、苦しいこと、哀しいことがいっぱいあるけれど、そんな中でも楽しいことを見つけ、勇気を持って行動し、自らの道を開拓していく少女の姿はとても力強いんですが、パパさん、がんばって~、と、応援したくなっちゃうのも事実。

時代が時代なだけにみんながみんな幸せになれないのは当たり前なんですが、キットの家に下宿する同級生の少年の物語はとても切なくて、中盤で、あんなに彼の心の葛藤を描いたにも関わらず、事件が動き始めてからはすっかりボケ担当な感じになってしまい、最後も彼の物語がどうなったのかが分からずじまいだったのはちょっと残念。

ま、「アメリカン・ガールズ」というシリーズだから少年の扱いが悪いのかもしれないけど・・・。

最後も一番美味しいところを持って行ったのが愛らしい少女の笑顔でしたし。

アビゲイル嬢主演で08年作品となると、「幸せの1ページ」と同時期だと思うんですが、この作品、もともとのTVシリーズが日本では知られてないとは言え、特に関係のない単発作品なんだから、未公開になってしまったのはちょっともったいない気もします。

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