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2010年1月 2日 (土)

09年いろいろ大賞(書籍部門)

2009年のまとめ記事、書籍部門です。

ちょっと専門書を多く読まなければいけなかったりで、趣味の読書の時間が大幅に削減されたのですが、相変わらずマイペースに読書いたしました。来年は、長時間電車に乗ることが増えそうなので、読書量がアップするかな~と思ってます。

今年読んでブログ記事になっている本は54冊。大体週1冊ペースといったところでしょうか。今年からエッセイや紀行文などは取り上げない方針にしましたので、実際はこれに10数冊ほど加わる感じだったりします。あと、相変わらずマンガもそこそこに読んでます。

注)年末に体調を崩したため、2010年に入ってからの更新となってしまいましたが、一応この記事内では「今年」とは2009年を指すことにいたします。

そんなわけで、とりあえず

BEST BOOK 2009の発表から・・・

以下、部門別にランキングします。

BEST BOOK 2009

ミーナの行進 (中公文庫)

ミーナの行進 小川洋子

年間の第1位を今年一番最後に読んだ本にしてしまうのもちょっと微妙な気もするんですが、どれか1冊を選べとなったら、今年はどうしてもこれになってしまいました。文句なしに面白かったです!

 

以下ジャンルごとにどうぞ。

☆ 海外文学部門

1.『Nocturenes』 Kazuo Ishiguro (レビュー

カズオ・イシグロ最新作は初の短編集。イシグロ作品、初の原書チャレンジでした。音楽を題材に本音と建前や、思い違いなどイシグロらしいテーマを盛り込んでいて大満足まさかの抱腹絶倒大爆笑な場面もあって、今年読んだ中で一番笑った本は多分この作品です。

 

2.『マルコヴァルドさんの四季』 イタロ・カルヴィーノ レビュー

流石はカルヴィーノ。児童書であってもしっかりと大人が楽しめる作品に仕上げてくれてます。皮肉とユーモアがたっぷりで、ニヤリとさせられるエピソードが満載。

  

3.『Man in the dark』 Paul Auster レビュー

相変わらずの作中作の面白さ!ちょっとメッセージ性が強すぎたかなぁという気がしないでもない作品で、ブッシュ政権下のアメリカを下敷きにして書かれているので、邦訳が遅くなってしまうとちょっともったいない気もします。オースターは次の新作がもう出てるんですよね~。早く読まなくては!!

 

4.『だまされた女/すげかえられた首』 ト-マス・マン レビュー

どちらもタイトル通りの話なんですが、とんでもないだまされ方に驚いてしまったり、とんでもないすげかえられようにワクワクしたり、それぞれに味わい深い作品でした。

 

5.『回想のブライズヘッド』 イーヴリン・ウォー レビュー

英国のお屋敷モノ作品が好きな自分には直球ストライクな作品でした。宗教の問題が大きなテーマになっていて、それほど詳しくない自分でもかなりの読み応えがあり、クライマックスは圧巻でした。映画版『情愛と友情』もなかなか良くできた作品でした。

 

次点.『七つの人形の恋物語』 ポール・ギャリコ レビュー

不器用すぎる恋の行く末に思わず胸キュンしてしまう物語。

 

なんか、結局もともと好きだった作家3人が上位3冊になってしまうという全く面白味のない結果になってしまいました・・・。来年はもうちょっと読書の幅を広げたいところです。

 

☆ 国内文学部門

1.『ミーナの行進』 小川洋子 (レビュー

上述の通り、年末最後の1冊が1位というのはやや不本意なのですが、好きなものは仕方がない。

 

2.『それからはスープのことばかり考えて暮らした』 吉田篤弘 レビュー

今年は怒涛の文庫化ラッシュだった吉田作品ですが、こちらは月舟町シリーズ第2弾。タイトルのままスープのように温かい作品。この読みやすさの中にこの空気感を出せる作家はなかなかいない。

 

3.『その街の今は』 柴崎友香 (レビュー

写真に映し出された風景がいつまでもそこに残るように、文章に焼き付けられた「その街の今」を感じさせてくれたところが非常に良かった。

 

4.『夕子ちゃんの近道』 長嶋有 レビュー

愛らしい人間たちが織り成す日常のドラマにいつまでも浸っていたいと感じさせる連作短編でした。

 

5.『モノレールねこ』 加納朋子 (レビュー

これまで連作短編の魔術師と勝手に読んできた加納朋子だけど、日常ミステリに人情モノをうまく取り入れて新境地開拓。『ななつのこ』から続く駒子シリーズの『スペース』も面白かったけど、新しい可能性が感じられたこちらを上位に。この先がますます楽しみになる短編集でした!

 

次点.『終末のフール』 伊坂幸太郎 (レビュー

『フィッシュストーリー』も面白かったけど、誰にでもオススメできる1冊という感じがする優等生的な完成度でこちらを選択。

 

ここでもまた、もともと好きだった作家ばかりが並んでしまうという結果に・・・。2009年は保守的な1年だったようです。

 

☆ 2009BEST短編

・「髪」 織田作之助 (レビュー

ユーモアたっぷり、皮肉たっぷりそして、語り口の面白さたっぷり。

・「南部高速道路」 コルタサル レビュー

短編集の中で一番好きだったのは別の作品ですが、読後の後味が良いのはこちらだったので、こちらを選出。

 

☆ 特別賞

・『Diary of a wimpy kid』 Jeff Kinneyレビュー

全米の小学生に大人気だというweb連載されているシリーズ。今年は2冊読んだのですが、これは大人が読んでも普通に笑えて面白いです。邦訳もあるようなんですが、なぜ日本で人気が出ないのかが全く謎。小学生に人気ということで英語も読みやすいので、洋書入門にもオススメの1冊。3冊目もすでに購入済みです。

映画化も決まってて、公開された写真を見ただけでどの場面か分かって思い出し笑いしそうなんですが、日本で公開されるかな・・・。

 

* * *

さて、ここからは普段はレビューの対象となっていないエッセイや紀行文、コミックですよ~。

 

☆ エッセイ部門

・「なんといふ空」 最相葉月

ノンフィクションのルポのイメージが強い作家さんですが、もっと日常のことを描いたエッセイ集。「大阪君」の話が心をつかんで離れないと思っていたら映画化されてました。(こちらの作品は、いつもお世話になっているブログ「悠雅的生活」さんでご紹介されていたのを書店で探し回って池袋J堂でようやく発見した1冊でした。悠雅さん、ご紹介ありがとうございました!)

 

☆ 紀行文部門

紀行文を読むのが好きで、実は月に1冊くらいのペースで何かしら読んでるのですが、今年読んだ中で一番その場所に行ってみたくなったのはこの1冊。

・「屋久島ジュウソウ」 森絵都

もともと屋久島に行きたい!とは思っていたのですが、これを読んでますます行きたくなってしまったんですよねぇ。旅の感じが自分の旅と近いのが良かったです。後半の海外ショートエッセイも面白い。

割と名作旅エッセイが多いジャンルだと思っているコミックエッセイで今年面白かったのはこれですかね~。(コミックだけじゃないけど)

・「くらたまとフカサワのアジアはらへり旅」

倉田真由美(「だめんずうぉーかー」)がコミックエッセイで、深澤真紀(「草食男子」の名付け親)が文章によるエッセイで、2人の旅を記す1冊。同じ場面をそれぞれの視点でエッセイにしていて、それを読み比べるのも面白いんだけど、旅において割と「食」を重視する自分としては、彼女らの旅の姿勢が自分と近いので読んでいていろいろと面白かった。

 

☆ コミック・2009年に1巻が刊行された作品部門

1.『ちょこらん』 にしがきひろゆき 小学館

あまりにクールな主人公の少年と、あまりにドSなクラスメートの少女らを中心に小学1年生の仲間たちの愉快な日常を描く作品。ちゃめちゃマイナー作品ですが、自分的にはツボに入りまくりで抱腹絶倒な1冊でした。(こちらの公式サイトで1話が試し読みできますね)

 

2.『高校球児ザワさん』 三島衛里子 小学館

高校の野球部唯一の女子部員ザワさんの日常を観察するだけの作品。ただただ目の付けどころがうまい。

 

3.『友達100人できるかな』 とよ田みのる 講談社

地球の危機を救うため、少年時代にタイムスリップし、友達を100人作らなければいけなくなった教師を描く作品。青年誌掲載とは思えないくらいにストレートな内容なんだけど、大人の読者の胸をギュッとつかむパワーを持っていてとても面白い。

 

4.『幻覚ピカソ』 古谷兎丸 集英社 

同級生の心の闇をスケッチブックに描く少年の物語。ジャンプのレーベルで古谷兎丸作品が出るとは!という驚きとともに、アーティスティックな画風と意外と正統派少年漫画な内容のギャップも面白い作品でした。

 

5.『乙嫁語り』 森薫 エンターブレイン

中央アジアを舞台にした新婚夫婦の物語。前作『エマ』は英国好きとしては見逃せない作品だったのですが、今回は純粋に作者の描き込みの素晴らしさに圧倒されました。

 

次点. 『バクマン。』 大場つぐみ×小畑健 集英社

デスノートコンビの新作は少年ジャンプの裏側をとことん暴きながら展開する現代版まんが道。単行本のネームを見る限り、大場つぐみさんの正体はもうあの方で確定と見ていいんでしょうか・・・。

 

☆ コミック・2008年以前から続いてる作品部門

こちらはすでに好きな作品がそのままという感じなので上位3作品に絞って簡単に。

1.「ひまわりっ」 東村アキコ 講談社

ちょっと中だるみかと思ってたのにここにきていきなり面白くなってしまったことにびっくりして1位にしちゃいました。

 

2.「団地ともお」 小田扉 小学館

最新の第15巻の安定したクオリティの高さがただただ素晴らしかった。

 

3.「JIN-仁ー」 村上もとか 集英社

ドラマ化でようやく日の目を見たことが嬉しいような、淋しいような。原作は、龍馬暗殺が目前に迫ったところで、まさにクライマックス!!

 

あと、祝完結な「2つのスピカ」は最終巻よりもその1つ前の巻のほうが感動が大きかったかなぁと。ついでいうと、「のだめ」も結局ヨーロッパ編よりも日本編のほうが好きだったなぁという感じで幕を閉じてしまったのがちょっと残念。

 

☆ 企画賞

藤子・F・不二雄大全集

手塚治虫文庫全集

猛烈に好きな巨匠2人の全集が今年揃って刊行開始。

手塚全集はすでに出ているものからさらに強化された内容&文庫というコンパクトさが良いです。今月1巻が刊行された「ライオンブックス」は幻想SF短編としての完成度の高さが半端ないのでかなりオススメ。

そして、一番好きな漫画家である藤子F氏の全集刊行には狂喜乱舞でした。

『シャーロック・ホームズの冒険 DVD BOOK』 宝島社

ジェレミー・ブレッド主演のNHKの放送でおなじみのホームズのDVD付き雑誌。

よくある分冊百科とも、廉価版DVDとも違って、なんと、もともと流通していたDVDよりも高品質なものを低価格で提供してくれたすばらしいことこの上ないシリーズです。ありがとうございます!

日本語吹き替えがない代わりに、英語字幕ついて、デジタルリマスターされて、2話収録で1000円ですよ!現在毎月刊行されていてとても楽しみにしてます♪

☆ 特別賞

読書メーター (マイページはこちら

サイドバーの「今読んでる本」でもお世話になっているサイト。手軽に管理できるのと、短い感想&スターの機能、似た傾向の読書家のみなさんが他にどんな作品を読んでるのかを知ることができたりと、お世話になりっぱなしでした。なんといっても手軽さが良い。

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コメント

旧年中はお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

『マルコヴァルドさんの四季』くらいしか被ってませんね~。コルタサルは途中まで読んで、年始の忙しさでいま中断中です。

お互いに今年もいい本とたくさん出会えるといいですね。

投稿: piaa | 2010年1月 3日 (日) 00時17分

こんばんは。あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

コルタサルの「南部高速道路」、よいですよね。母親もいたく気に入ったらしく、最近は渋滞にひっかかったときには「南部高速道路みたいね」というようになりました。

カズオ・イシグロ、まだ未読なのですが、彼の「抱腹絶倒の場面」とか、無性に気になります。

投稿: ふくろう男 | 2010年1月 3日 (日) 01時56分

>piaaさん

あけましておめでとうございます。

もともと好きだった作家ばかりが並び、
あまり面白味のないランキングになってしまったのですが、
上位に選んだ作品はどれも面白かったです。

昨年はちょっと読書量が少なめだったのですが、
今年は長時間電車に乗ることが増えそうですので、
沢山読めたら、と思っています。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

* *

>ふくろう男さん

あけましておめでとうございます。

自分も今度渋滞に巻き込まれたら、
無駄にあちらこちら観察してしまいそうです(笑)

イシグロはとても楽しんで書いたんだろうなという感じで
特に邦題が「降っても晴れても」というタイトルの短編は
かなり笑撃的でした!

今年もマイペースに読書を続けていこうと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。


投稿: ANDRE | 2010年1月 3日 (日) 12時19分

こちらにもお邪魔します。
本当に、ANDREさんの読書量と幅の広さには感服しきりです。

昨年は、意識的に翻訳物を多めに読んでみましたが
(というのも、ANDREさんが海外の作品がとても多いので、
 ほんの真似事をしてみようかと思ったのです)
ランキングの中で被っているのはもちろんなくて、
唯一、「わ!」と思ったのは、ポール・ギャリコ。
最近、季節もぴったりだし、とか思って『雪のひとひら』を読んだのですが、
『七つの~』も探して読んでみようと思います。

・・・と、記事を楽しませていただいていたら・・・
「わ!『なんといふ空』だ!」と喜び、次の瞬間「嘘っ・・・」
そんなところに書いていただいて、申し訳ないです。
でも、大阪君のこと、気に入って(?)くださったら、とっても嬉しいです。
あの装丁の色、綺麗でしたね。

またお喋りが長くなりました。
今年も、とてもANDREさんの足元にも及ばないですが、
う~~んと後ろから点みたいな背中目指して亀の歩みを続けますので、
またお喋りにお付き合いよろしくお願いしますね。

投稿: 悠雅 | 2010年1月 5日 (火) 00時35分

>悠雅さん

コメントどうもありがとうございます。

映画ブログとしても読書ブログとしても
中途半端な作品量で広く浅くになってしまい、
ただ、両者を割とバランス良く記事にできているので、
まぁいいかなと思いながら続けております。

『七つの~』は、本当に素敵な物語でしたので
是非お読みになられてください。
1953年に『リリー』というタイトルで映画化されていて、
アカデミー賞6部門ノミネート1部門受賞しているようで、
映画版も観てみたいなぁと思っています。

海外文学でしたら、後は1位にあげた
イシグロの最新作は『夜想曲集』のタイトルで
すでに邦訳も出ていて、
悠雅さんもきっとお好きな作品だと思いますので、
こちらもオススメです。

『なんといふ空』はエッセイの感想はブログでは
書かないようにしてしまったため、
記事にはできなかったのですが、
以前悠雅さんがご紹介されていたのを
様々な書店に行くたびに探し歩き、
ようやく手に入れることができました。
本来ならば直接ブログに伺って御礼すべきでしたが、
このような形になってしまい申し訳ありません。
大阪君は映画化も納得のお話でした~。

今年もマイペースに読書を続けていきますので、
どうぞよろしくお願いします。

投稿: | 2010年1月 5日 (火) 10時17分

「なんといふ空」、言ってくれた貸したのに~。だって映画化された「ココニイルコト」の大阪くんて、堺さ……うげほげほ。
私がファンになったきっかけの映画です。。。

投稿: verde | 2010年1月 6日 (水) 22時17分

>verdeさん

verdeさん、お持ちでしたか~。

この本、絶版状態なのか、新宿やらでもかなり探したんですが
全く見つからなかったのに、
池袋J堂には普通に2冊置いてあったという・・・。

しかも『ココニイルコト』がきっかけだったんですか!
ということは映画のほうもなかなか良いということですね。
ちょっとチェックしておきます。

投稿: ANDRE | 2010年1月 7日 (木) 00時34分

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