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2010年1月 8日 (金)

映画「それでも恋するバルセロナ」

それでも恋するバルセロナ [DVD]

Vicky Cristina Barcelona

アメリカ スペイン

2008

2009年6月公開

DVD鑑賞

昨年の話題作。ウディ・アレンは基本苦手なんだけど、本人が出てない&NYを飛び出したときは割と面白いと思うことが多く(要は『マッチポイント』ですが)、さらにキャストが魅力的なので気になっていた1本です。

カタルーニャに関する研究をしているヴィッキー(レベッカ・ホール)は、親友のクリスティーナ(スカーレット・ヨハンソン)を誘いバルセロナの親戚の家に滞在する。婚約者のいる堅実で理性的なヴィキーとは異なり、情熱的で危険な恋に憧れるクリスティーナは、パーティで画家のフアン(ハビエル・バルデム)からの突然の旅行の誘いを受け入れ、ヴィッキーとクリスティーナはフアンと共にオビエドを訪れることになる。旅先でクリスティーナは体調を崩してしまい、ヴィッキーは渋々フアンと過ごすことになるのだが・・・。やがて、フアンの別れた妻(ペネロペ・クルス)も現れて・・・。

いやはや、ウディ・アレンさん、珍しく本編はそこまで皆さんが饒舌じゃないのに、ナレーターが饒舌すぎだよ・・・。終始、やや早口のナレーターが状況を解説しながらストーリーが展開するんですが、まず、早口すぎてあまり心地良くない&別に解説しなくても良いようなことをグダグダと解説するため、ちょっと煩わしい印象です。

このナレーターの語る内容をもうちょっと映像と台詞でつないでくれたら、自分の中ではかなりの名作だったんだけどなぁ。ウディ・アレンさん、やっぱり相性悪いですね・・・。

しかし、本編のストーリーはなかなか面白い。バルセロナの人々はみーんな情熱的でちょっとおかしい。そして、そこに長く滞在してしまうと、滞在者も段々とそのペースに巻き込まれてしまう、というお話。一番の驚きはヴィッキーの伯母さんですね~。やりすぎですから!

アメリカっ娘は割と良識を持ってるのよ~、って感じの描き方になっていて、情熱のスペインとアメリカの対比もされてるんだと思いますが、ヘンリー・ジェイムズが『デイジー・ミラー』の中で伝統のヨーロッパ社交界をかき乱す自由の国のアメリカ娘を描いたのとは対照的ですね。

結局、クリスティーナは冒険に憧れているだけで普通の娘だったという感じですが、ちょっと冒険を試みたヴィッキーも恐れをなして逃げ出してしまうといった感じの展開で、この展開に説得力を持たせすぎるくらいに、一番美味しいところを持っていったのがフアンの元妻。

いやぁ~、ペネロペ・クルスがここまで見せてくれるとは思いませんでしたねぇ。スカーレット・ヨハンソンが食われちゃったてのは、かなりですよ。普通に怖かったよ・・・。

全体的に風景描写がなかなか良い感じで、グエル公園などが映るたびに、ガウディ好きとしてはバルセロナの風景に萌えてしまう映画でもあったんですが、たとえ旅行に行くことがあっても、危険な恋愛には気をつけなければいけないな、としなくても良い心配をしつつ鑑賞を終えたのでした。

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