映画「シリアの花嫁」
The Syrian Bride イスラエル フランス 2004 2009年2月公開 DVD鑑賞 |
2010年、鑑賞した1本目はDVDでこちらの作品です。いきなりのミニシアター系で、相変わらずマイペースに鑑賞して行きたいと思います。
イスラエルとシリアの境界にあるゴラン高原はもともとシリア領であった場所をイスラエル軍が占拠し、現在でも尚、両国が領有権を争い、そこに暮らす人々は無国籍となっている。
ゴラン高原のマジュダルシャムス村に暮らすモナはシリアのTVスターである親戚のタレルとの結婚式の日をむかえ、朝から姉のアマルとともにその準備をしていた。結婚をしてシリアへ行ってしまうと、イスラエルの占領下にある故郷の村へ帰ってくることはできないため、今日が家族と過ごす最後の1日であった。
しかし、前科のある活動家である父親は警察から目をつけられ、結婚式のために国境へ行くことを禁止され、さらに、そこにロシア人と結婚し勘当された兄が8年ぶりに帰宅するなど、波乱の連続。果たしてモナは無事シリアへ嫁ぐことができるのか・・・
新年早々シリアスな作品でしたが、困難を乗り越えて未来に向かってまっすぐに歩みだす姿が新年向きといえば新年向き。
イスラエルやシリアが実際にどのような場所でそこで人々がどのように暮らしているのかなんてことは全く知らないので、風景や、家の中の様子を見ているだけでも面白いですねぇ。ソファは床に座るタイプなのかぁ、とか。女性がズボンはいてるだけで近所の噂になるのかぁ、とか。やっぱり緑は少ないなぁ、とか。
そもそもゴラン高原のことをこの映画で知った自分には、情勢のことをああだこうだと語る資格なんてまるでないんですが、それでもこのような地域があるということ、領土問題の本質など、色々なことを学ばせてもらったように思います。
結婚式当日とは思えないほどのハプニングの連続で、兄姉たちもいろいろな問題を抱えているわけですが、基本的に、自分の信念を強く持っている人間というのは非常に強いのだなぁというのを感じましたねぇ。
ただね、登場人物の登場の仕方が、過不足ないと言えば聞こえが良いんだけど、説明的過ぎるというか、なんかもうちょっと味わい深くして欲しかったかなぁと。
お役所仕事ってのは本当に困ったものですが、最後の最後、まさか、あの場面で何度も往復することになるとは!って感じでしたよね。赤十字も大変だ~。しつこいくらいに長々としっかりこのやりとりを描いていて、観ているこちら側も一緒になってヤキモキしちゃいました。
ラストのモナの映像、かっこいいんだけど、無事受け入れられたのかどうかがとても気になります。
あと、非常に大人しい母親とは対照的に、私がみんなをまとめなきゃ!な感じで頑張りまくる姉の姿がとても印象的だったのですが、彼女の未来が明るいことも祈りたくなる作品でした。
このお姉さん(ヒアム・アッバス)、「扉をたたく人」にも出演されてましたよね~。美しい女優さんです。
さて、この映画を観ていて一番興味深かったのは、「キャラメル」と同様に喜びの歓声をあげる時にレロレロしたような音を皆で発すること。中東地域ではあの歓声が一般的なんですかねぇ。真似してみたけど、上手く出すのが結構難しい。
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参考過去レビュー
中東の風を~
レバノン映画。思った以上にずっと都会的!
やはり女性は強い!
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