映画「サロゲート」
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surrogates
アメリカ
2009
10年1月公開
劇場鑑賞 |
ブルース・ウィリスが主演のSFモノは『12モンキーズ』やら『フィフス・エレメント』やら結構好きな作品が多いので、ちょっと楽しみにしていた1本です。
近未来、脳にアクセスすることで自分の身代わりとして動かすことのできるロボット、サロゲートが普及していた。人々は外出時にはサロゲートを使用し、自宅の外に出ることなく過ごせる安全な暮らしを手に入れていた。
そんなあるとき、何者かによって破壊されたサロゲートの使用者が自宅で死んでいるのが発見される。サロゲートを通して使用者に危害が及ぶことはないとされており、事件を担当することになったFBIの捜査官トム(ブルース・ウィリス)は、サロゲートを開発したメーカーへ調査に赴くのだが・・・。
なんか、正直ちょいと微妙でした。ただ、サロゲートを通じて、現代のネット社会の問題をついてくるような社会性のある作品でもあって、見た目よりかは骨太な作品だったかなぁと。
89分という時間も今時珍しくすっきりしていて、サクッと楽しむにはちょうど良い。
次々とサロゲートが破壊され人類が死んでいく中、生身の体で一人闘い続ける主人公みたいな話かと思ったんですけど、もっとこじんまりとした話で、事件の真相から、最後のオチまで全てが個人レベルの感情で片づいてしまう展開だったので、ちょいと思っていたものと違う感じだったのですよねぇ。時間も短いけど、話の規模も小さかったよ・・・。
サロゲートの普及=殺人が起きないってのも、なんか妙な話で、自宅に侵入すればいくらでもできるんじゃないのか、って気がするので、「10数年ぶりの殺人だ!」みたいな部分がツッコミどころ満載になってました。
他にも、実は男だったとか、髪がふさふさとか、細かいところで笑いを取ろうとするのはなぜ!?しかも、ブルース・ウィリスは若いころ、別にああいう生え方じゃなかったよね。ああいうブロンドに憧れてたんですかねぇ。「ブルームーン探偵社」ファンとしては、当時の髪型が見たかったなぁ。
ラスト近くでものすごく緊迫の場面のように盛り上げるんだけど、いまいちその緊張感が伝わってこないのはちょっともったいない。たとえば、妻or子供が寝たきりの状態でサロゲートなしでは自由に動けない、とかそういう設定だったら、もっとラストでの主人公の葛藤が描けたのではないかと思う。ま、そんな設定にしたら、葛藤どころの話ではなくなってしまうけど。
しかも、とっても個人的なところで話を動かしてしまったので、世間一般の人には何が何やらな感じなんだろうな、と。結局、数名の当事者たちが勝手に動いただけで、あの世界は何も変わらないんじゃないの!?とか思ってみたり。
あと、CMで一番監督が見せたかったであろう場面を普通に流しちゃってたのもちょっと残念。てか、ある意味、酷いネタバレ。
このサロゲートの驚異的な普及は携帯の普及を思わせますよね。見ているときは、こんな技術がたかだか10年くらいでこんなに普及するのかなとか思ってたんですけど、よく考えたら携帯の普及速度はそんな感じだったと思います。ネットやら携帯やらでリアルでの人間のつながりが薄くなりつつある状況を、サロゲートというロボットを使って皮肉的に描く作品ともいえるんですが。ちょっとパンチが弱かったかなぁ。単なるSFサスペンス以上のことを描こうとしているのはよく伝わってくる意欲作なんだけどね。主人公の子供のエピソードとかも正直うまく生かしきれてないと思う。
ちなみに、僕は携帯持ったことないので、サロゲートも使わない派かも~。と思いつつ、ネットはかなり使うから、なんとも言えないな・・・。
先日TVで見たんですが、脳の信号をキャッチして動かすロボットって既に発明されてるんですよね。サロゲート、実用化はそう遠い話ではないのかもしれない。
全体的に否定的な感想が続きましたが、1つとーっても良かったな、と思うことが。サロゲートたちの容姿や演技が、絶妙の機械っぽさで、やたらとリアリティがあったのですよ。人間なんだけど、どこか違和感のある感じがとても良かったです。
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» 試写会「サロゲート」 [ITニュース、ほか何でもあり。by KGR]
2010/1/16、東商ホール。
同じ日にこの会場で「サロゲート」の試写会が時間ずらして3度ほどあったようだ。
12:30からの部に参加。
開場はほぼ満員。
空き席を探してうろうろする人がぎりぎりまでいた。
混んでいる時に荷物で席を占領するのはやめましょう。
***
ブルース・ウィリス、ラダ・ミッチェル、ロザマンド・パイク、
ジェームズ・クロムウェル。
***
近未来。
何年か前からのサロゲートの進展ぶりが説明され、世界観が観客に示される。
世界中の98%の人間がVSI社のサロゲート・ロ... [続きを読む]
受信: 2010年1月27日 (水) 14時22分
» サロゲート [そーれりぽーと]
トゥルっとしたお肌の若すぎるブルース・ウィリスの映像、男前というよりもウケを狙ってるとしか思えん姿の予告編が印象的な『サロゲート』を観てきました。
★★★★
くしくも『アバター』と時を同じくして、この映画のテーマもアバター(化身)もの。
『アバター』がMMOゲーム的で非日常への逃避を思わせるのに対し、こちらは理想のアバターによるネット上の新たなコミュニケーションが盛んになってきている状況を反映している。
舞台はネット上の仮想空間ではなく現実社会。
しかし、サロゲートという名のアンドロイドに直接脳... [続きを読む]
受信: 2010年1月27日 (水) 20時17分
» サロゲート/ SURROGATES [我想一個人映画美的女人blog]
{/hikari_blue/}{/heratss_blue/}ランキングクリックしてね{/heratss_blue/}{/hikari_blue/}
←please click
全人類ひきこもり{/eq_1/}
タランティーノ新作のほかに、NYの劇場で観て来たもう1本はこれ。
ちょうど公開が早まって滞在中に公開になり、待ち合わせまでの時間にちょうど良かったので一人で夜に観て来た{/m_0151/}
ちょうどMac{/pc2/}に入ってる映画の予告編、行く前にチェックしてて面白そうって思ってた... [続きを読む]
受信: 2010年1月27日 (水) 21時01分
» サロゲート / Surrogates [勝手に映画評]
ロボット工学と脳科学の発達により、センサーで人間の脳をスキャンし、その脳波でロボット=サロゲートを操作出来るようになった未来が舞台。監督は『ターミネーター3』のジョナサン・モストウ。
確かに既に今現在でも、脳波をスキャンしてある程度機器を操作すると言う技術は実現しているので、技術が進化すれば、この映画のような世界は実現可能かもしれませんね。もっとも、操作卓(操作ベッド?)とサロゲート間の通信を、どう確保するのか? そして、通信の安全性をどう担保するのかと言う問題はありますが。
主人公トム・グリア... [続きを読む]
受信: 2010年1月27日 (水) 22時30分
» [映画『サロゲート』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆これ、素晴らしいですね。
色んな意味でいい。
先ずは、ジョナサン・モストウ監督的にである。
私は、ジョナサン・モストウ監督『ターミネーター3』の完成度は低いとは思っていない。
女性ターミネーターや、物語の終幕の余韻など、『1』『2』に劣らないと思っている。
『4』の評価と同じで、映画似非保守は、今後も『ターミネーター』の続編が出来ると、永遠に酷評し続けるのであろう。
かくして、ジョナサン・モストウ監督はしばらく映画作品を監督していなかったようだ。
しかし、『ターミネータ... [続きを読む]
受信: 2010年1月27日 (水) 22時48分
» 『サロゲート』・・・いっそ短編にしたほうがおもしろそうな近未来SF [SOARのパストラーレ♪]
本国での公開で大コケというニュースを昨年のうちに耳にしていた本作。あらすじを読む限りサスペンス仕立ての近未来SFとしておもしろそうな内容なのになぜ?という思いで劇場へ。 [続きを読む]
受信: 2010年1月28日 (木) 00時10分
» サロゲート [だらだら無気力ブログ]
身代わりロボット“サロゲート”に日常生活の一切を任せる未来社会を 舞台に、ある殺人事件を捜査することになったFBI捜査官がその裏にひそむ 巨大な陰謀に迫る様を描くSFサスペンス。 主演のFBI捜査官にはブルース・ウィリスが努め、共演に「サイレントヒル」 のラダ・..... [続きを読む]
受信: 2010年1月28日 (木) 01時25分
» 「サロゲート」 突き抜け感がない [はらやんの映画徒然草]
なんとなーく、なかったことにされてしまっている「ターミネーター3」の監督、ジョナ [続きを読む]
受信: 2010年1月28日 (木) 06時25分
» サロゲート [★YUKAの気ままな有閑日記★]
今年に入ってやっと2本目の劇場鑑賞で〜す【story】身代わりロボット“サロゲート”が活躍する近未来。人間は自宅でサロゲートをリモートコントロールするだけで、リアルな世界に身を置くことはなくなった。ある日、あるサロゲートが襲われ、使用者本人も死亡する事件が起こる。FBI捜査官のグリアー(ブルース・ウィリス)は、サロゲートを開発したVSI社と事件との関わりを捜査するが― 監督 : ジョナサン・モストウ 『ターミネーター3』【comment】時代や背景、目的や状況などは違えども、、、『アバター』... [続きを読む]
受信: 2010年1月28日 (木) 07時44分
» サロゲート [小泉寝具 ☆ Cosmic Thing]
アメリカ
SF&サスペンス
監督:ジョナサン・モストウ
出演:ブルース・ウィリス
ラダ・ミッチェル
ロザムンド・パイク
ボリス・コドジョー
【物語】
代行ロボット、サロゲートが活躍する近未来。人間は自宅でサロゲートを
...... [続きを読む]
受信: 2010年1月31日 (日) 22時49分
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ロボットがすべてを代行する社会。それは、ユートピアのはずだった。
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サロゲート 壁紙 [続きを読む]
受信: 2010年2月 1日 (月) 15時36分
» ★「サロゲート」 [★☆ひらりん的映画ブログ☆★]
今週の平日休みの2本目はTOHOシネマズ川崎にて。
久しぶりのブルース・ウィリスものかなーー・・・
この人、刑事役が多い気がするけど、今回もFBI捜査官でした。 [続きを読む]
受信: 2010年2月 9日 (火) 04時08分
» 『サロゲート』に流されてしまう私たち [映画のブログ]
『サロゲート』の作り手は、『アバター』というタイトルをジェームズ・キャメロンに押さえられてさぞかし悔しかったに違いない。
もちろ... [続きを読む]
受信: 2010年2月 9日 (火) 06時36分
» サロゲート アバターっぽいがでもお見事〜♪グッ!! ( ̄ε ̄〃)b [労組書記長社労士のブログ]
【 {/m_0167/}=9 -4-】 昨日は、自動車運転者労務改善基準のレクチャーを友人の社労士に。
その時に思ったことを今日の記事にしようと思っていたけど、時間がなかったのでその記事は先送りに、今日仕事が早く終わったのでついつい立ち寄って見てしまった映画のレヴューを。
レヴュー書けるなら本題書けるやんという意見はあるけど、真面目な記事を書こうと思うと間違いがないように慎重にならなくてはいけないので、あんまお気楽には書けないのだ。
近未来、人類の98%は自らの身代わりとなる“サロゲート”とい... [続きを読む]
受信: 2010年2月 9日 (火) 22時47分
» サロゲート [映画、言いたい放題!]
予告を観て、面白そうだったので。
ブルース・ウィリスのカツラ七変化が楽しめる?
近未来、人類の98%は人々は、
意思も感覚もリンク可能な分身ロボット“サロゲート”で
社会生活を代行させていた。
自宅のマシンに座り、操作すれば、
安心して危険な冒険やスポーツも楽... [続きを読む]
受信: 2010年2月13日 (土) 13時55分
» 『サロゲート』 [cinema!cinema! ミーハー映画・DVDレビュー]
1月公開の映画では、意外と自分の観たい度が高かった『サロゲート』。
この前、新宿ピカデリーで観賞してきましたー。
平日昼間に観に行ったんだけれど、公開直後ってこともあったのか思っていた以上にお客さんが入っていて驚いた。
こんなに混むもんなんだーって。ちょっと... [続きを読む]
受信: 2010年2月18日 (木) 08時55分
» 映画:サロゲート [よしなしごと]
予告編を見たらおもしろそうだったのですが、あまり宣伝もしてませんし、イマイチパッとしない感じですよね。と言うわけで今回はサロゲートを観てきました。 [続きを読む]
受信: 2010年2月19日 (金) 02時14分
» 【映画】サロゲート…ソコソコのラーメン屋って感じ。 [ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画]
{/kaeru_fine/}
一昨日{/kaeru_fine/}、HDDレコーダーの電源が入らなくなりました{/face_hekomu/}{/down/}
修理見積もりは後日するつもりなのですが{/face_z/}、修理するにしてもその期間中、録画とか衛星デジタル放送鑑賞はどうするんだよ{/face_ase1/}と考え(※うちのTV自体は未だ全部アナログでした{/face_ase2/}{/ase/})、この機会にブルーレイ付きのHDDレコーダーを買う事にしました{/face_ase2/}
で、そうな... [続きを読む]
受信: 2010年8月 6日 (金) 00時04分
» サロゲート (Surrogates) [Subterranean サブタレイニアン]
監督 ジョナサン・モストウ 主演 ブルース・ウィリス 2009年 アメリカ映画 89分 SF 採点★★★ ドラえもんの秘密道具って、良いですよねぇ。「あれもできる、これもできる」と、概ね邪まな夢ばかりがグングン膨らみますし。同じ藤子不二雄の作品だと、パーマンのコピーロ..... [続きを読む]
受信: 2010年8月 7日 (土) 13時38分
コメント
いつもTBありがとうございます。
>89分という時間も今時珍しくすっきりしていて
私見ですが、ほんとはもっと長くて、かなりカットされたのではないか、、、と。
相当切ったとしてもまとまっていたので、失敗とは言えませんが。
>脳の信号をキャッチして動かすロボット
いろんなやり方があるようですね。
意識、思考で動かすことのできるパワードスーツは、
部分的なものなら、10年しないうちに実用化されるでしょう。
民生では医療や障害の補助で使えるだろうし、
(明らかになるかどうかは別として)軍用も。
でも遠隔操作は無理でしょう。
結局電波でしょうから届かなかったり途切れたりします。
投稿: KGR | 2010年1月27日 (水) 14時24分
>KGRさん
コメントいただきましてどうもありがとうございます。
なるほど、DVDなどが出たら
削除されたシーンなどが観られるかもしれませんね。
ちょっと説明不足な場面もありましたし。
遠隔操作は、
どこにいても無線でネット接続するというのは
かなりハードルが高そうですね。
機械のほうの技術が追いつきつつあっても、
確かに通信面の問題はかなり大きそうです。
投稿: ANDRE | 2010年1月29日 (金) 00時39分