映画「きみの友だち」
きみの友だち 日本 2008 08年7月公開 DVD鑑賞 |
とても気に入ってる重松清の同名小説を映画化した作品です。(原作感想)
フリースクールでボランティアをする恵美のもとを取材に訪れたジャーナリストの中原は彼女から少女時代の「友だち」たちとのエピソードを聞く。
交通事故に遭い足が不自由になってしまった恵美は、一緒に長縄大会の縄持ちになったのを機に、幼い頃から体が弱くクラスで浮いてしまっていた由香と親しくなる。
恵美と由香の友情を軸に、恵美が出会うクラスメートや弟の友人など、人間関係に悩む「友だち」たちの物語を描いていく・・・
うーむ、例えば英国作品なんかは映画化に満足いくことが割と多かったりするんですが、邦画の場合、かなりの率で物足りなさを感じることのほうが多いですねぇ。てか、邦画業界、原作モノが多過ぎだよぅ。
原作が連作短編だったので、当然全てのエピソードは拾われないとは思っていましたが、原作において自分がとりわけ気に入っていたキャラが出てこなかったりするとちょっと残念ですよね。堀田ちゃんに会いたかったよ・・・。
どの場面もとても自然に撮影されていて、台詞も聞き取りづらいような個所が結構多いんですが、ドキュメンタリのような臨場感が感じられて、重松作品の映画化としてはなかなか上手い手法なんじゃないかと思いました。
しかし、原作から選択したエピソードの選択にかなり物足りなさが。
原作には10の短編があって、主人公恵美の物語と弟ブンの物語が交互に描かれるわけですが、この映画にもブンの物語が2つ採用されています。しかし、恵美と由香の友情を描くエピソードが結構カットされてしまったので、2人が親友であることがなかなか伝わってこないような印象を受けました。どうせならブンのエピソードは全部カットしてしまって、恵美のエピソードだけを映画化したほうがきれいにまとまったのではないかと思うのですが・・・。
もっというと、ブンのエピソードはモトくんとの関係が一番のポイントで恵美と由香と同様に親友が描かれているんですけど、そこがごっそりとカットされてしまって、三好君と佐藤先輩のエピソードが選択されていました。
たしかにこの2人のエピソードは原作の中でもとりわけ印象深いもので、自分も大好きなので、映画化するのであれば、ぜひとも入れたいという気持ちもわかるんですが、この映画においてこの2人の話が必要であったかと考えると、それであれば、やはり恵美と由香の物語を深めることに重点を置いたほうが良かったのではないかと思うんですよねぇ。もっというと、ハナの話を選択するのであれば堀田ちゃんの「ふらふら」を映画化してほしかったかなぁ。このエピソードのほうが恵美と由香の絆も深く描かれるし。
ただ、映画化のされ方自体は上述の通り、悪くなかったと思うので、10短編全てを映画化してくれたらなぁ、というのが一番の願いなんですが。
この映画、エンドロールがとても良かったです。真っ暗な背景よりも、こういうほうがすがすがしくて良いですよね~。
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