映画「ドゥーニャとデイジー」
Dunya en Desie in Marokko オランダ ベルギー 2008 2009年11月公開 DVD鑑賞 |
オランダの人気TVドラマの映画版ということですが、オランダに暮らす女性が2人でモロッコを旅するというあらすじに惹かれて公開時から結構気になっていた1本。
アムステルダムに暮らすドゥーニャとデイジーは大の仲良し。
モロッコ移民であるドゥーニャは両親に会ったことのない親戚との結婚を決められてしまい、モロッコへと引っ越すことになる。
一方、奔放な性格のデイジーは妊娠してしまうのだが、恋人にはふられてしまい、彼との子供を産もうかどうか悩んでいた。そんな折、生き別れになっていた父がモロッコにいることを知ったデイジーは、自分のルーツをたどろうとモロッコへと旅立つ。
モロッコへとやってきたデイジーはドゥーニャのもとを訪ね、2人はデイジーの父を捜してカサブランカへと旅立つのだが・・・。
人気TVシリーズの映画化ということですが、これはさらに言ってしまうと、そのTVシリーズの完結編を映画で制作するという、近頃日本でもよくやっている手法で作られた作品の様でした。日本やアメリカだけではなく、オランダでもこういう映画化が行われていることにまずはちょっとビックリ。
さて、もともとのTVドラマを全く知らないので、ちょっと不安はあったのですが、主な登場人物の役回りは観ているうちに自然に理解できるようになっていたので、まぁなんとかなりました。しかし、映画で初めてこの作品を見る人のための説明的な紹介シーンみたいなものは特にないので、本当に観ながら色々と把握していくという感じ。多分お決まりネタとかそういうのもあったんだろうけど、そういうのは全然分からず。
観る前はもうちょっとコメディ色の強い作品を期待していたんですが、奔放な少女として恐らく彩り担当であったと思われるデイジーが結構重めの問題を抱えてて、その問題がこの作品の大きなテーマとなっていたために、全体的には割とシリアスな印象の強い作品になっていたように思います。
あと、単刀直入で分かりやすい笑いもあったんですが、もしかしたらあまりに笑いのツボが違い過ぎて、気が付いていないというだけで、オランダの人が見たら大爆笑必至な場面もチラホラあったのかもしれませんが・・・。そもそもオランダの映画というものをほとんど観たことがないのでそれだけで色々と新鮮です。
物語の舞台は途中からモロッコへと移りますが、カサブランカの治安の悪さに直面したり、列車での移動があったり、美しい風景が見られたりとロードムービーとして、モロッコの国の風景を観ることができたのは結構面白かったですね。
ドゥーニャはモロッコ人の家族なので、そのあたりで文化の違いが色々と垣間見られたのも面白かったところ。オランダというと非常に自由な国というイメージが強いですが、イスラム教徒であるモロッコ人たちはそんな国にあってもしっかりと保守的な生活を送っている様子。しかし、オランダで生まれ育ったドゥーニャはそんな両親の価値観に衝突することもある、という『ジョイラッククラブ』や『ベッカムに恋して』、『その名にちなんで』など多くの名作の題材となっている移民の二世問題が上手い具合に取り入れらていてなかなか面白かったです。
これ、多分ドラマ版は面白いんだろうなぁ。てのがよく伝わる映画版で、映画単体でもつまらなくはないけれど、やっぱりちょっと何かが物足りなかったかなぁ。ドラマが見たい!!
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