映画「ぼくのエリ 200歳の少女」
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Låt den rätte komma in
スウェーデン
2008
10年7月公開
劇場鑑賞 |
スウェーデンのベストセラー小説「モールス」を本国で映画化した作品。ハリウッドリメイクも決定しているらしいです。北欧関係の仕事をしている友人がオススメしていたので楽しみにして観に行きました。
主人公は12歳の少年オスカー。学校でいじめられているオスカーは、家で殺人事件の新聞記事をスクラップし、ナイフを振り回してはストレスを解消していた。あるとき、マンションの隣の部屋にエリという少女が父親とともに引っ越してくる。夜中にだけ外に出てくるエリと出会ったオスカーは彼女に恋心を抱くようになる。
しかしエリは人間の血を欲するヴァンパイアで、彼女の父は彼女のために殺人を繰り返していた・・・
ヴァンパイアの少女といじめられっ子の交流を派手に盛り上げることなく抒情的に綴った作品で、ところどころホラー映画な場面もあったんですが、雪のスウェーデンの映像とその空気感にマッチした哀しい愛の物語はなかなか面白かったです。
なんとなく全体に説明不足な作品で、オスカーの家庭のこととか、ヴァンパイアのこととか、観ながら自分で判断してくださいという感じの作りなんですが、映像が奇麗なこともあって、余計な説明がないのもかえって好感。
映画を見ていてものすごい突っ込みたかったんですが、エリの父はミスを連発しまくってるんですが、それまでは上手くいってたのに、何故あそこに引っ越してから急に失敗続きになったんですかねぇ。てか、どう考えても、目立ちすぎだろ!な手段がちょい気になる。
ふと思ったんですが、エリの父とされていた男は普通の人間っぽかったんだけど、もしかして、彼はオスカー同様に若いころにエリに恋をして行動を共にしていたのでは・・・。そうすると、オスカーも将来的に同じ運命をたどる可能性があるってことですよね。彼女は、数十年ごとに自分のために働いてくれそうな若い少年をたぶらかすヴァンパイアなのでは、とかいう感じもして、そうすると、これは淡い初恋物語でもなくなってしまい、美しきヴァンパイアに目をつけられてしまった気の毒な少年を描いたホラーになってしまうのではないかと。30年くらいしたら、オスカーがあの父親の立場になるんだろうなぁ。本当に好きならば、相手もヴァンパイアにしてしまえばいいんだし。
あと、エリが自分は女ではない的な発言をしてたんですが、もしかして、これってそういう方向の物語なのか!?父親の友人もなんかあやしげだったし、オスカーが微妙にフェミニンだし。でもタイトル「200歳の少女」だしなぁ。
とかなんとか思っていたら、どうやら劇中でぼかしの入っていた箇所にその秘密があったらしい。むむむ、そうなってくると、見た目以上にずっと奥深いのか!?
他にも、ストーリー上の疑問点も多いので、なんとなく面白そうな原作も機会があったら読んでみようかなと思います。
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» ぼくのエリ 200歳の少女 [LOVE Cinemas 調布]
スウェーデンの人気作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのベストセラー小説『モールス』を本人の脚本で映画化。ヴァンパイアと孤独な少年の恋愛を描いたラブストーリーだ。主演はカーレ・ヘーデブラントとリーナ・レアンデション。監督はトーマス・アルフレッドソン。北欧の雪に埋まった街で繰り広げられる惨劇とピュアな愛情物語の対照性に心惹かれる。... [続きを読む]
受信: 2010年8月11日 (水) 21時13分
» 鮮血の美学NO.14⇒映画「ぼくのエリ 200歳の少女」(監督:トーマス・アルフレッドソン)を見た [飾釦]
■製作年:2008年
■監督:トーマス・アルフレッドソン
■出演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、他
スエーデン映画なのだといいます。そして世界中でいろんな映画祭の賞を受賞している異色の吸血鬼映画なんだと。その映画のチラシを見て、件数は少ないのせすが、ボクは吸血鬼をテーマに数本記事を書いてきた経由もあるし、題名が面白そうだったので、映画「ぼくのエリ 200歳の少女」を見てきました。
設定が普通の?吸血鬼映画(どれが普通とは基準がないのですが)とは違います。12歳の孤独な少年オスカ... [続きを読む]
受信: 2010年8月12日 (木) 07時18分
» ぼくのエリ 200歳の少女【試写会】 [★★むらの映画鑑賞メモ★★]
作品情報
タイトル:ぼくのエリ 200歳の少女
制作:2008年・スウェーデン
監督:トーマス・アルフレッドソン
出演:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナー
あらすじ:ストックホルム郊外で母親と暮らす12歳のオスカー(カーレ・ヘーデブラント)は、学校で同級生にいじめられていた。ある晩、彼はアパートの隣の部屋に引っ越して来たエリ(リーナ・レアンデション)という少女と出会う。同じころ、近くの街では青年が逆さづりにされてノドを切り裂かれ、血を抜き取られるという残忍な殺人事件が起... [続きを読む]
受信: 2010年8月14日 (土) 01時02分
» 『ぼくのエリ 200歳の少女』 カメラの秘密 [映画のブログ]
『ぼくのエリ 200歳の少女』の原作者であり、脚本も担当したヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストは、公式サイトに短い会話を書きだした。
... [続きを読む]
受信: 2010年8月14日 (土) 01時03分
» ぼくのエリ 200歳の少女 / LAT DEN RATTE KOMMA IN [我想一個人映画美的女人blog]
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タイトルから分かる通り、これ、純粋無垢なフツウのラブストーリーではありません
恋した相手はヴァンパイア!
スウェーデンのスティーヴン・キングこと
ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのベストセラー小説を映画化した異色ラブストーリー。
トライベッカ国際映画祭グランプリはじめ、シッチェス映画祭で金賞、
ブリュッセル国際映画... [続きを読む]
受信: 2010年8月14日 (土) 01時07分
» 『ぼくのエリ 200歳の少女』 [映画雑記・COLOR of CINEMA]
注・内容(ネタバレ)、ラストに触れています。鑑賞後にお読みください。スウェーデンのスティーヴン・キングこと、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのベストセラー小説『モールス』を映画化した『ぼくのエリ 2... [続きを読む]
受信: 2010年8月14日 (土) 11時12分
» ぼくのエリ 200歳の少女 [ともやの映画大好きっ!]
気になる映画。
ともやの琴線に激しく触れる映画を発見しました。
ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト原作の小説「モールス」を映画化。
2008年に公開されたスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」(原題:LAT DEN RATTE KOMMA IN/英題:LET THE RIGHT ONE IN)。
物語はこんな感じ。
いじめられっ子で繊細な12歳の少年オスカー。
友達が欲しいという孤独な少年の願いは、同じ12歳のエリが父親と共に隣の家に越してきたことで叶えられた。
しかし、青ざめた顔... [続きを読む]
受信: 2010年8月14日 (土) 15時27分
» ぼくのエリ200歳の少女 [パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ]
孤独な少年が初めての恋に落ちた。その相手の謎めいた少女は12歳のまま、時を超えて生き続けるヴァンパイアだった。スウェーデンのベストセラー小説「モールス」を映画化した禁断の恋の物語。トライベッカ映画祭で最優秀作品賞を受賞。監督は、トーマス・アルフレッドソン....... [続きを読む]
受信: 2010年8月18日 (水) 18時01分
» 「ぼくのエリ 200歳の少女」(試写会) [ドゥル的映画鑑賞ダイアリー]
お勧め度:★★★☆☆
製作年 : 2008年
製作国 : スウェーデン
配給 : ショウゲート
上映時間 : 115分
監督 : トーマス・アルフレッドソン
原作・脚本 : ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
出演 : カーレ・ヘーデプラント 、 リーナ・レアンデション 、 ペール・ラグナル
あらすじ
ストックホルム郊外で母親と暮らす12歳のオスカー(カーレ・ヘーデブラント)は、学校で同級生にいじめられていた。ある晩、彼はアパートの隣の部屋に引っ越して来たエリ(リーナ・レアンデション)という少... [続きを読む]
受信: 2010年8月19日 (木) 16時07分
» ぼくのエリ 200歳の少女 [だらだら無気力ブログ]
スウェーデン人気作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストのベストセラー 『モールス』を原作者自らの脚色で映画化。 同級生のイジメにあう孤独な少年がヴァンパイアの少女と出会い、ひょんな ことから恋に落ちていくも彼女の正体を知った少年の戸惑いと、彼女を受け 入…... [続きを読む]
受信: 2010年9月22日 (水) 23時25分
» ■映画『ぼくのエリ 200歳の少女』 [Viva La Vida! <ライターCheese の映画やもろもろ>]
いわゆるボーイ・ミーツ・ガールな少年の成長物語かと思っていたら、大きく裏切られる北欧ヴァンパイア・ムービー『ぼくのエリ 200歳の少女』。
いじめられっこの孤独な少年とエキゾチックでミステリアスなヴァンパイア少女の切なくも美しい恋…というような表現は、この作品と... [続きを読む]
受信: 2010年10月16日 (土) 20時49分
» 映画「ぼくのエリ 200歳の少女 」北欧発のヴァンパイア映画はちょっとテイストがちょっと違う [soramove]
「ぼくのエリ 200歳の少女 」★★★☆
カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、ペール・ラグナル出演
トーマス・アルフレッドソン監督、115分、 2010年7月10日より順次公開、2008,スウェーデン,ショウゲート
(原題:LET THE RIGHT ONE IN)
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「世界のどこでも“いじめ”は存在し
特に被害者の人格形成に重要な影... [続きを読む]
受信: 2010年11月14日 (日) 20時33分
» ぼくのエリ 200歳の少女 []
映画を観る会で私が作品選びの時に迷って、
その時は違う作品にしたのですが、
やはり観たいと思ったので観てみました。
ストックホルム郊外で母親と2人で暮らす12歳の少年オスカーは、
毎日学校で同級生からの苛めに遭っていたが
誰にも打ち明けられずに、うっ屈した日々... [続きを読む]
受信: 2011年2月11日 (金) 17時11分
» ぼくのエリ 200歳の少女 (Låt den rätte komma in) [Subterranean サブタレイニアン]
監督 トーマス・アルフレッドソン 主演 カーレ・ヘーデブラント 2008年 スウェーデン映画 115分 ラブロマンス 採点★★★★★ 初恋の思い出ってのはさっぱり覚えていないんですが、初めての彼女の事は意外とまだ覚えているもので。未練とかそんな感じのは全然ない…... [続きを読む]
受信: 2011年2月12日 (土) 11時57分
» ぼくのエリ 200歳の少女 [Recommend Movies]
恐ろしくも、哀しく、美しい、12歳の初恋。
世界中の映画祭で60の賞を受賞した禁断の恋物語!
ハリウッドでも早々にリメイクされたみたい
いじめられっこで繊細な12歳の少年オスカーは友達が欲しい...... [続きを読む]
受信: 2011年2月22日 (火) 12時54分
» DVD:ぼくのエリ 200歳の少女 [よしなしごと]
クロエ・グレース・モレッツ主演のモールスがとてもおもしろかったので、その原作であるぼくのエリ 200歳の少女をDVDで見ました。 [続きを読む]
受信: 2011年11月11日 (金) 00時16分
コメント
初めまして。
私も昨日、観てきました。
エリの“父親”がミスを連発したのは、エリの心がオスカーに向いているのを悟り、見捨てられないよう功を焦った結果かな?と私は思ったのですが、様々な解釈が可能ですね。原作未読なので、読むと違った印象を受けるかもしれません。
では、お怪我、お大事になさってください。
余談ですが、私も『観光』を楽しみにしています。
投稿: fennel | 2010年8月12日 (木) 12時35分
>fennelさん
コメントいただきましてどうもありがとうございます。
なるほど、オスカーの登場で
自分が捨てられるかもしれないということを感じていた、
というのはあるかもしれませんね。
このあたりは原作を読めばもう少し書いてあるんでしょうかね。
他にも説明不足な感じのところがあったので、
やはりいつか原作を読んでみたいです。
また、温かいお言葉をいただきまして
どうもありがとうございました。
最近、海外文学の文庫化は注目作品が多いですが
「観光」の文庫化はその中でもとりわけ嬉しいです。
25日の発売日が待ち遠しいですね。
投稿: ANDRE | 2010年8月13日 (金) 00時46分