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2010年10月30日 (土)

「神と野獣の都」イザベル・アジェンデ

神と野獣の都 (扶桑社ミステリー)

神と野獣の都
(la ciudad de las bestias)

イザベル・アジェンデ
(Isabel Allende)

扶桑社ミステリー文庫 2005.7.
(original 2002)

テレビで南米の旅番組を観て、なんとなく南米ものを読みたいなと思っていたときに書店で目についた1冊。著者は「精霊たちの家」などで知られるチリの女性作家イザベル・アジェンデ。

15歳の少年アレックサンダーは母が入院することになりNYに暮らす祖母ケイト宅で過ごすことになる。ケイトは雑誌の取材でアマゾンの探検隊に同行することになり、アレクサンダーもその旅に参加することになる。密林に潜む野獣を追う人類学者をリーダーとする探検隊は、アマゾンの奥地へと向い、そこでアレクサンダーは現地のガイドの娘ナディアと親しくなる。やがて呪術師ワリマイに認められた2人は密林に潜むインディオたちと出会うのだが・・・

完全に若い読者を対象にして書かれた作品で、かなりストレートに少年の成長と冒険が描かれているのですが、舞台となるアマゾンのできごとは結構読み応えのあるエピソードも多く、大人の読者でも十分楽しめる作品だったと思います。

ただ、ちょっと盛り込み過ぎな感じもあって、そのせいで、中盤、ハラハラドキドキを狙ってはいるんだろうけど、ちょいと淡々とした調子が続き、やや退屈に感じてしまったかなぁと。もう少しコンパクトにまとめたほうが読みやすかった気がします。それでも、インディオたちが登場してからは先の読めない展開に物語に引き込まれてしまい、幻想的な密林の奥の世界観に酔いしれながら最後まで一気に読めてしまいましたが。

インディオVS文明人という単純な二項対立だけではなくて、ナディアのような中間位置にいる少女が上手く使われることで、物語にメリハリが出て、インディオたちと主人公&ナディアとの距離感が絶妙の位置で保たれたところが面白かったですね~。

こういう不思議な南米的ファンタジー世界が、実在するのではないかと思ってしまえるところが南米の魅力ですよね~。

と、誉めつつ、3部作らしいんですが、結構この作品だけでお腹一杯かなぁ。アジェンデ、他の作品をまだ読んでいないので、「精霊たちの家」なども機会をみて読んでみたいところです。

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