「水晶萬年筆」 吉田篤弘
水晶萬年筆 吉田篤弘 中公文庫 2010. 7. |
もともと「十字路のあるところ」のタイトルで単行本が出ていた作品に加筆修正を加えて改題した1冊。もともとの作品は十字路の写真に物語がつけられているというものだったのを、物語部分だけをまとめて短編集にしている模様。
いつも通り吉田氏の書く物語のちょっとレトロな香りと溢れんばかりの優しさがつまった短編集ではあったんですが、自分としてはいまひとつハマれなかったかも。理由はよく分からないんですが。
あえて写真を排除して書きなおしたということですが、物語そのものも言葉が大きなテーマとして扱われていたように思います。一番好きだったのは最終話、「ルパンの片眼鏡」かなぁ。でも「黒砂糖」の怪しげな空気も嫌いじゃないです。
読んでいたら、それぞれの物語に本来添えられていたという写真がどのようなものなのかがとても気になってしまいまったので、機会があったらオリジナル版も読んでみたいと思います。
記事がたまっていることもあり、短くまとめてみました。また時間が取れたらどこかで書き足すかもしれません。
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コメント
こんばんは。
ちょっとご無沙汰しています。
本職なのに儲からない上に忙しいという意味不明な秋冬を過ごしておりまして、
矢鱈とドラマなども観てるせいか、すっかり調子が狂っています。
本も長らく読めてないし・・・(とここで愚痴ってどうする…)
この本、読んでるときは心地いい文章で、イメージが広がるのに、
さて、感想を書こうとしたら、文字通り水みたいに手から逃げてゆく感じで
うまく言葉にならない作品ばかりだったので、
どうにも中途半端な感想になってしまいました。
お話の感触は好きだったんですけれど。
投稿: 悠雅 | 2010年12月 4日 (土) 23時23分
>悠雅さん
コメントどうもありがとうございます!
こちらも慌ただしくしい日が続いていて、
ほとんど週刊ブログ状態になっていますが、
記事にしなくてはいけない作品が
映画と本を併せて10以上たまってしまい、
てんやわんやしております。
この本、読んでいるときは
いつもどおりに楽しく読んでいたのですが、
感想を上手く書くことができないというのは全く同じです!
一つ一つの作品に対してイメージは浮かぶのですが、
それがうまく文章にできないんですよね。
もともとが写真とセットの物語だったということなので、
改めてそちらを読んでみたいなと思ったのは
そういうところも理由だったりします。
投稿: ANDRE | 2010年12月 6日 (月) 00時33分