映画「しあわせの隠れ場所」
the blind side アメリカ 2009 2010年2月公開 DVD鑑賞 |
今年の賞レースで話題になった作品。サンドラ・ブロックは大好きな女優さんの一人なので、彼女のアカデミー賞受賞はかなり嬉しかったですね~。
両親と引き離され、孤独な日々を送っていたマイケル・オアー(クイント・アーロン)。スバ抜けた体格と運動能力を持つ彼は、スポーツ選手として、なんとか高校に編入してもらえたのだが、学力の遅れは著しく、白人だらけの学校に馴染むことができずにいた。
あるとき、帰るあてもなく真冬の路上を彷徨っていたマイケルは、同じ学校に子供たちを通わせているリー・アン(サンドラ・ブロック)に声をかけられ、彼女の家で一晩を過ごす。やがて、その生い立ちを知ったリー・アンは大手ファーストフードチェーンを経営する夫ともに彼の後見人となることを決意するのだが・・・
とにかく爽やかで明るい気持ちになれるし、割と単調な物語にもかかわらず飽きさせない展開で、噂にたがわず良い作品でした。アメフトのルールをもっとちゃんと知っていたら後半の盛り上がりに一緒に熱狂できたかと思うとちょっと残念。
この物語は、フィクションだと言われれば、「そんなバカな」と思ってしまうような、あまりにできすぎたサクセスストーリーなんですが、これが実話だってのはかなりの驚きです。
本当に現代のお伽噺のような物語なんですが、観ながらずーっと思っていたのは、「どんだけ金持ちなの!?」っていう。結局、大豪邸に暮らし、人が一人増えても全く困らないような生活をしていたからこそできた人助けであって、確かにリー・アンの取った行動は素晴らしいんだけれど、子供を含めてパーフェクトすぎる家族といい、あまりに「お伽噺」っぽすぎるような気が。(関係者が皆さん御存命なので、実際には悪い部分があったとしても描けないというのもあるんだろうけど。)
ただ映画の中でもその辺がしっかりととらえられていて、自分の行為が偽善なのではないかと悩んだり、彼らの行為に疑いがかけられたりする場面も描かれていたのがなかなか良かったなぁと。それによって、黒人社会(貧困層)の抱える問題だけではなく、裕福層の人々への厳しい問題提起もなされて、単なるサクセスストーリーだけでは終わらせない深みが出ていたように思います。
物語的には、リー・アンがマイケルを受け入れることを決意する流れがちょっと軽かったかなぁという気がしていて、何が彼女を動かしたのかということをもう少し突っ込んでくれても良かったかなぁと思います。
あと、あの親にして、この子供たちあり、という感じで、娘の図書館での行為や、親友的にふるまう息子の姿は子役さんたちの演技も光っていて、観ていてとても気持ちが良かったです。
サンドラ・ブロックはこの手の映画にあまり出演してこなかったこともあって、満を持してのアカデミー賞受賞という感じではあったけど、個人的には、「あなたは私の婿になる」のほうが体当たりの演技をしていたように思うし、あちらの映画での彼女のほうが好きかなぁ。単に僕が「あなたが寝ている間に」が猛烈に好きなので、ラブコメに出てる彼女をひいきにしたいというのもあるのかもしれないけど。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「天使の分け前」(2013.06.13)
- 映画「屋根裏部屋のマリアたち」(2013.05.29)
- 映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」(2013.05.27)
- 映画「リンカーン弁護士」(2013.05.06)
- 映画「偽りなき者」(2013.05.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
私はこの映画の中で
「花の好きな牛」をリー・アンがマイケルに読んであげるシーンが好きでした。
これは、「自分自身でいていいんだよ、そのままが一番」 というような内容の童話なんですよね。
自分も息子たちに読み聞かせたのを、懐かしく思い出しました。
投稿: zooey | 2010年11月12日 (金) 08時06分
>zooeyさん
コメントありがとうございます。
「花の好きな牛」、非常に上手く使われてましたね。
このように映画で使われると、
世界中で同じ作品が愛されてるのだということが
実感されて嬉しいですよね。
投稿: ANDRE | 2010年11月13日 (土) 00時09分