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2010年12月31日 (金)

2010年いろいろ大賞(書籍部門)

いろいろ大賞、書籍部門です。

今年も相変わらず積読ばかりがどんどんたまっているのですが、4月から始まった長距離通勤のおかげで、ここ数年の中では比較的まとまった読書の時間が取れたほうかなぁと思います。

あと、以前よりも洋書を読む機会を増やすようにしたので、ちょいちょい話題作を中心に原書にチャレンジした1年でもありました。

ブログ記事が滞っていて、読み終えたもののまだ記事にできていない作品もいくつかあるのですが、そうした作品もレビューのアップは後日になりますが、今年の色々大賞の対象書籍とさせていただきます。

いつもはレビューを書かない、紀行文やコミックのランキングもありますので、どうぞお楽しみください。

とりあえずBEST BOOK 2010から。

BEST BOOK 2010

「マンスフィールドパーク」 
ジェイン・オースティン

派手さはないんだけれど、次から次へとサブストーリーを想像することのできる見事なまでの人物描写に完全に引き込まれてしまいました。自分の中のオースティンベストは今のところこの作品です。

 

以下ジャンルごとにどうぞ。

 

★ 海外文学

次点. 「高慢と偏見とゾンビ」 ジェイン・オースティン&セス・グレアム=スミス 記事

これは完全にアイデアの勝利。オースティンの原文をそのまま残しつつ、その世界に見事にゾンビを共存させてしまったのは本当にお見事でした。

 

10.「そんな日の雨傘に」 ヴィルヘルム・ゲナツィーノ 記事

読んでる間中ニヤニヤが止まらないユーモアのセンスとそこから生まれる悲哀とが絶妙のバランスを取っている愛すべき1冊でした。

 

9.「麗しのオルタンス」 ジャック・ルーボー 記事

シリーズ残りの2作も是非翻訳出版していただきたい!!!

 

8.「泰平ヨンの航星日記」 スタニスワフ・レム記事

宇宙モノと言えば、今年はペレーヴィンの「オモン・ラー」も忘れがたい1冊でしたが、親しみやすさがあったのはコチラ。

 

7.「暗いブティック通り」 パトリック・モディアノ 記事

ずっと読みたかった作品を存在を知って10年目にしてついに読みました。オースターが好きな人は多分モディアノも好きだと思います。

 

6.「絶対製造工場」 カレル・チャペック 記事

荒削りなところも感じられるけど、とにかくアイデアが上手さに唸った作品。チャペック良いよね。

 

5.「The Palm-Wine Drinkard」 Amos Tutuola 記事

良い評判をよく聞いた「やし酒飲み」を原書で読みました。勝手に想像していたのと全く違う物語だった意外性と、たどたどしい英語で書かれた素朴さ、そして、民話好きのツボを見事についてくる奇想天外な物語にすっかり魅了されてしまいました。

 

4.「Sightseeing」 Rattawut Lapcharoensap 記事

こちらも各所で大評判で、色々なところで薦められていたところに、紀伊国屋さんの文学ワールド杯でもMVPに輝く売れ行きを見せていたのが後押しとなり、原書で読んでみました。

本当にハズレのない短編集で収録された7つの作品全てが愛しい1冊でした。こういう短編集に出会えるのは本当に嬉しい。

 

3.「Invisible」 Paul Auster記事

物語としての魅力に溢れた抜群の面白さに、章ごとに1人称、2人称、3人称、手紙と形式を変えていく語りの上手さが加わり、近年のオースター作品の中では一番好きな作品でした。

 

2.「白檀の刑」 莫言 (記事

こんなに作品世界に引き込まれてしまった読書体験は本当に久々。とにかく面白いとしか言いようがない。

 

1.「マンスフィールドパーク」 ジェイン・オースティン 記事

今年は海外文学にとにかく良い出会いが多くて、上位5作品はどれが1位を取ってもおかしくないくらいに好きな作品でしたが、やっぱり自分は英国が大好きなので、一番好きなものを選べと言われるとこうなってしまうのです。

 

今年の海外文学ランキング、10位以内に入った作品に色々な国の作品を入れることができたのが良かったです。

 

★ 国内文学

国内文学はちょっと控え目にTOP5でいきます。

5.「しずかな日々」 椰月美智子 (記事

講談社文庫は良質のYAを精力的に文庫化してくれるのがいつも嬉しいです。

 

4.「最後の命」 中村文則 (記事

いつもながらに重い中村文学。でも確かに心に何かを残す。

 

3.「ラギッド・ガール」 飛浩隆 (記事

このシリーズ、やっぱり良いですね。

 

2.「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」 万城目学 (記事

温かな気持ちになれる優しい作品でした。

 

1.「ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎

1位なんですが、今月に入って読んで、まだ記事が書けていません。

文庫派で読んでいる自分としては、これまで読んだ伊坂作品の魅力が全てつまった集大成的な作品で文句なしに面白かったです!

  

 

今年は海外文学の収穫が良かった分、国内文学はちょっと弱かったかなぁと思うのですが、ずっと読みたかった「ゴールデンスランバー」が期待以上に面白い作品だったのがとにかく嬉しかったです。

 

★ 2010年 BEST短編

「Draft Day」 Rattawut Lapcharoensap

短編集『観光』から「徴兵の日」という邦題のついた作品です。少年達が味わうやるせない気持ちがこれでもかというくらいに伝わってきて、ジワジワといつまでも心をつかんで離さない作品でした。

 

★ 旅行記部門

旅行記が好きで色々と読んでいるのですが、今年特に面白かったのは・・・

・「遠い太鼓」 村上春樹

村上春樹の話題作は全く読まないのにエッセイだけ読んでる自分・・・。こんな風に世界を旅しながら生活するのって良いですよねぇ。

 

・「とるこ日記」 定金伸治、乙一、松原真琴

トルコのことなど全く分からない愉快な旅行記。同行したメンバーたちが激しくツッコミまくるという形式が読みにくいけど面白い。

 

・「30日間世界一周」全3巻 水谷さるころ

TV番組の企画で30日間かけて世界一周をした女性漫画家が描いたコミックエッセイ。マイペースでバラバラな3人が旅を続けていくうちに家族のようになっていく姿が面白い。訪れている所も魅力的な場所が多くて面白いシリーズ。2周目のほうも是非漫画化してください!!

 

・「わたしのマトカ」 片桐はいり

「かもめ食堂」のロケでフィンランドに行った際の体験をまとめたフィンランド旅行記。片桐さんの視点がとても面白く、映画よりもさらにフィンランドへ行きたくさせてくれる1冊でした。

 

★ コミック部門

順不同で面白かった作品を並べていきます。特にぐっときた作品には★を。

 

「君と僕のアシアト タイムトラベル春日研究所」 よしづきくみち

「海街diary」 吉月秋生

「テルマエロマエ」 ヤマザキマリ ★

「BILLY BAT」 浦沢直樹 ★

「ニコイチ」 金田一蓮十朗 ★

「高校球児ザワさん」 三島衛里子 ★★

「幻覚ピカソ」 <完> 古屋兎丸 ★★★

「信長協奏曲」 石井あゆみ ★★★

「ウイちゃんが見えるもの」 衿沢世衣子

「賢い犬リリエンタール」 <完> 芦原大介 ★

「きみのカケラ」 <完> 高橋しん

「べしゃり暮らし」 森田まさのり

「よつばと」 あずまきよひこ ★★

「澄江堂主人」 山川直人 ★★

「友達100人できるかな」 とよ田みのる ★★

 

1位を決めるとしたら「幻覚ピカソ」かなぁ。きれいにまとめてくれたのが嬉しかった。「信長協奏曲」はこれからの展開次第ではかなり化けると思うので、今一番楽しみな作品。なんとかの巨人よりも個人的にはずーーーっと面白いと思う。あと今年は衿沢世衣子の新刊が沢山出たのが非常に嬉しかったです。

  

 

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コメント

こちらにもお邪魔します。

おお、『ゴールデンスランバー』お読みになれましたか。
また記事を楽しみにお待ちしてますね。
その時点での、伊坂の集大成とも言える物語、
夜に読み始め、白々と夜が明け始めるまで、翌日の仕事など知るかぃ!と開き直って、泣きながら終盤を読んでました・・・

海外作品の上位2作品は是非読みたい!!
そんなこと言うから、積読がまた増殖を始めるのでしょうねぇ。
昨年は秋から一気に忙しくなり、その皺寄せが読書に向かったのが残念なところですが、
今年はもうちょっと時間ができたらいいな、と思います。

投稿: 悠雅 | 2011年1月 1日 (土) 23時57分

>悠雅さん

こちらにもどうもありがとうございます。

「ゴールデンスランバー」はこの3年間待ち続けた甲斐のある
本当に面白い作品で大満足でした!
国内文学では年末に読んだ1冊ですが文句なしの1位です。
これでようやく映画版も見ることができます(笑)

海外作品の1位にいれた「マンスフィールドパーク」は
オースティンの晩年の作品ということもあり
円熟した人間観察が本当に素晴らしいので
是非お読みいただきたいです。

4位に入れた原書で読んだ作品が
「観光」というタイトルで早川から邦訳が出ていまして、
こちらも悠雅さんが気に入られるのではないかなと
思っております。
 


投稿: ANDRE | 2011年1月 3日 (月) 01時17分

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