「めぐらし屋」 堀江敏幸
めぐらし屋 堀江敏幸 新潮文庫 2010. 6. |
毎日新聞の日曜版に連載されていたときに、ちょこちょこと目を通してはいたんですが、結構飛ばしてしまった回もあったので、ちゃんとまとめて読むのはこれが初めてです。
主人公、蕗子は疎遠になっていた亡くなった父の自宅を訪れ、そこで父が「めぐらし屋」という仕事をしていたらしいことを知るのだが・・・
父の後を継いで、めぐらし屋として活躍することになった娘の物語なのかと思いきや、物語が外側ではなく、内側に広がりをみせて、亡くなった父の足跡や自分の思い出の世界をたどりながら、自らの存在や生き方を確かめていく主人公を描いた作品でした。
冒頭の黄色い傘のエピソードは連載時に読んだ時の記憶が鮮明で、改めて読んでもやっぱり好きな下りなんですけど、自分の中ではこの冒頭部分を越えてぐっとくるものがあまりなかったかなぁ。
他に印象に残ったエピソード、あとは冷凍庫のエピソードかなぁ。
新聞連載だったこともあって、1回1回のエピソードの盛り上げかたは結構好きなんですが、全体を通して読んだときに、自分の中でそこまでうまくはまることができなかったかなぁ。
あと、連載時の挿絵が結構好きだったので、少しでも良いから掲載されてると嬉しかったです。
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