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2011年1月15日 (土)

映画「リトル・ランボーズ」

Son of Rambow

son of rambow

イギリス

2007

2010年11月公開

劇場鑑賞

2007年の英国映画が3年遅れでようやく劇場公開。しかもとある理由でずっと観たかった作品ということもあり、大喜びで観に行ってきました。(鑑賞は2010年12月です。)

舞台は1980年代の英国。

主人公ウィルは母、妹、祖母と3人で暮らす11歳の少年。彼の家は厳格な戒律を持つプリマス同胞教会に属し、TVや映画、音楽などの世俗的なものを全て排除した生活を送っていた。学校にも友達はいなく、聖書に空想の物語を描くことが彼の唯一の楽しみであった。

あるとき、ウィルは同じ学校に通う問題児のリーと知り合い、老人ホームを営む彼の家で偶然映画「ランボー」を目にしてしまう。生まれて初めて観た映画に衝撃を受けたウィルは、TVの映画コンテストに出品する作品を作ろうとしていたリーと2人で「ランボーの息子」という映画を作り始める。

同じころ、彼らの通う学校にフランスからの短期交換留学の学生たちがやってくる。その中でもひときわクールなディディエは学校中の人気の的となるのだが、あるとき、ディディエがウィルたちの映画製作を知ってしまい・・・。

この映画大好きです!こういう映画に出会えるから英国が好きなのですよ。

ウィルのイマジネーションの世界が素晴らしくて、実写に手描きの線を被せてくるような演出も良かったし、彼の描く絵も独特の味があったし、彼らが作るチープな映画も絶妙な完成度でとても微笑ましくて、監督のセンスの光る作品に仕上がっていたと思います。

そしてそういう演出もさることながら物語もまたとても良い。ラストは思わず涙腺大崩壊でした。

少年の友情と成長を描くオーソドックスなストーリーではあるんだけど、主人公2人の存在感が半端なくて、彼らの抱える複雑な悩みが画面いっぱいに溢れていて、こんなものを見せられてしまったら、一緒にワクワクしちゃうし、怒っちゃうし、泣いちゃうわけですよ。

プリマス同胞教会の戒律の厳しさにも驚かされるんですが、そこまで厳しくするのであれば、自分たちで学校を作った方が良いのではないかと思うんですよねぇ。アメリカのアーミッシュの人々なんかは自分たちだけのコミュニティ作ってますよね(映画では「刑事ジョン・ブック」に登場しますね)。一般の学校に通わせてしまったら嫌でも文明的なものに触れてしまうだろうし。

そんな状況で、新世界の扉を開いてしまったウィルを彼の家族がどのように受け止めるのかドキドキだったのですが、愛情深い展開になっていてほっと一安心。しかし、本当にそれで良かったのか?という気もしないでもない。

リーのほうは、ウィル・ポールター君の演技が素晴らしくて、そんなに表情には出ていないけれど、嬉しかったり、戸惑ったり、淋しかったりというのが本当によく伝わってくるんですよね。「スタンド・バイ・ミー」のリバー・フェニックスを彷彿とさせる存在感がありました。

そして、この映画、もう一人注目の子役さんが。フランスからやってくる3枚目イケメン少年ディディエ。序盤では、彼がどのように物語に絡んでくるのかはっきりとしなかったんですが、最終的にがっつり2人の友情にからんできて、そして最後までへっぽこイケメンでしたねー。しかし、最後の最後、バスの中でのシーンはちょっと衝撃が。彼もリーやウィルと一緒で、「友達」と過ごす時間を楽しんでいたんだなぁと。

このディディエ君、鑑賞後にパンフを見てたまげました。「バティニョールおじさん」や「ぼくセザール10歳半~」で主演していたジュール・シトリュク君じゃないですか!!2つとも大好きな映画なのに全く気がつかなかったよ。子供の成長早っ!あの頬をぷくっとふくらませていた少年が、いつの間にやら3枚目イケメンになっているとはっ!!!彼、経歴のとこに10歳の時にフランスカンフー選手権でチャンピオンになったと書いてあるんだけど、「ぼくセザール」のときの感じではそんな肉体派なイメージが全くなかったのでさらにビックリです。

さて、僕がこの映画にずーっと前から注目していた理由。それはズバリ、僕が一番好きな英国のバンドTravisのメンバーたちがカメオ出演しているから。Travisの「Driftwood」という超名曲があるんですが、そのPVはメンバーたちが学校の先生をしているという設定になっていて、なんと、この映画ではそのPVと同じ設定で教員役として彼らが出演をしているのですよ。ちなみにこのPVの監督がこの映画の監督・脚本を手掛けたガース・ジェニングス。映画で音楽を手掛けているジョビィ・タルボットはTravisの楽曲のアレンジを多く手掛けています。

そんなわけで映画を観ながら、彼らがいつ出演するのか画面の隅々までに気を配っていたのですが、職員室が映るシーン近辺にて発見!!しかし、肝心のボーカルのフランは見つけられず・・・。DVD出たら探さなくては!!

ところで、この映画のオープニング、上映前に流れるお馴染みの「映画泥棒」のCMの立場がないですよね。

長くなってしまったついでに、この作品の邦題、ランボーが複数いるわけではなく「ランボーの息子」なのだよ。そして、原題は「ランボー」の綴りが違うんだよね。邦題も「リトル・乱暴」とかにすれば面白かったかもしれませんね~(笑)

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コメント

>Travisのメンバーたちがカメオ出演しているから。

これには気がつきませんでした。
「Driftwood」は知っているのに…
それに関する宣伝、そんなにありませんでしたよね?
残念…

小さいけれど心がほっこりする、好きな作品です。
最近観た「エリックを探して」も
いかにもイギリス映画という感じでよかったですよ。

投稿: zooey | 2011年1月20日 (木) 15時33分

>zooeyさん

これは本当に良い映画でした!
「エリックを探して」はケン・ローチ監督が好きなので、
是非観たいと思っているのですが、
なかなかタイミングが合わずまだ行けていません・・・。

Travisの出演は日本では公式に宣伝されたりは
してなかったと思います。
Travis自体が国内ではそこまでメジャーじゃないですからね。
ちなみに英語版のWikipediaのTravisの項目には
結構しっかりと書かれていますよ~。
メンバー全員を見つけるのは結構難しかったので、
DVDが出たら再チャレンジしてみようと思っています。

投稿: ANDRE | 2011年1月24日 (月) 02時02分

こんにちは~。
Andreさんも好きだろうなと想いました。
私もこの映画大好きです。
子供たちもいろんなものを抱えて一生懸命、健気でした。
音楽は疎いので・・・そんな仕掛けがあったのですか。
邦題を「リトル・乱暴」に・・・うけました(笑) うまい!

投稿: ryoko | 2011年1月25日 (火) 19時55分

>ryokoさん

コメントどうもありがとうございます。
お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

ヨーロッパの子供映画は本当に名作が多くて
この作品も予想を裏切らない良さに大満足でした。
たまたま自分の好きなバンドだったので、
世間ではほとんど知られていないカメオ出演に
一人盛り上がってしまいました。

投稿: ANDRE | 2011年1月30日 (日) 01時52分

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