« HAPPY NEW YEAR 2011 | トップページ | 「ラスト・チャイルド」 ジョン・ハート »

2011年1月11日 (火)

「阪急電車」有川浩

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車

有川浩

幻冬舎文庫 2010. 8.
(original 2008)

話題になっていたので気になっていた作品。有川浩の作品を読むのはこれが初です。

舞台は阪急宝塚線。8つの駅を舞台に、電車内や駅の人間模様を描き出していく連作短編集。

これはとにかくコンセプトが素晴らしく良い。純粋に地元の人が羨ましい。もう二番煎じでもかまわないから誰か総武線小説とか書いてくれないかなぁとさえ思ってしまいます。

宝塚駅から西宮北口駅に向かって複数の物語が語られた後、折り返しで後日談を回収していくというのも見事なアイデア。

自分は結構電車に乗っているときに人間観察をすることが多いので、ついつい会話が気になってしまったり、おばさまグループに囲まれてしまったり、泣いてる人を目撃してしまったり、車窓から見える不思議なものを気にしてみたり、過去に経験があるようなことばかりなので、そこから発展していく物語に純粋にワクワクすることができました。

ただ、恋愛小説なぞ滅多に読まないこともあり、若者の恋愛模様を読みながら無駄に照れてしまい、ちょっと気恥ずかしくなってしまった自分なのでした・・・。

いくつかのエピソードの中でとりわけで印象深いのは、結婚式にのりこむ女性の物語。うーむ、年齢が近いところのエピソードが一番親しみやすいということなのかなぁ。

でも気恥ずかしいとか言っておきながら、図書館カップルの話は嫌いではない。

|

« HAPPY NEW YEAR 2011 | トップページ | 「ラスト・チャイルド」 ジョン・ハート »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
「いろんな女たちが登場した」「滅茶苦茶楽しく読んだ」という強い印象が残っているのに、さて8つのお話は何だっけ・・・と
すっかり内容を忘れてしまってることに、今気づきました。
終盤、嫌いなオバサンたちが登場したことだけ覚えてる、って…(汗)
ANDREさんも電車で人間観察してしまうんですね。
聞くともなしに聞こえてくるお喋りに、笑いをこらえるのに苦労したり(笑)

関西人でも、阪急の路線からは全く外れているので、ほとんど利用せず…
京都や神戸を走る濃茶色の車体はちょっと上品な雰囲気を醸していて、
自分が普段利用する近鉄とは何か違うよなぁ・・・と思って見てしまいます。

投稿: 悠雅 | 2011年1月12日 (水) 16時58分

>悠雅さん

コメントどうもありがとうございます!

自分も感想を書くまでに2ヶ月ほど空いてしまったので、
8つの物語は何があったんだっけ??
と思いながらパラパラと読み返してしまいました。
終盤のおばさんたちはかなりのインパクトでしたね~。

電車には本当に色々な人が乗っているので、
あれこれ想像しながら人々を見るのも面白いですよね。

関西の路線のことはほとんど分からないので、
この路線があることも知らなかったんですが、
阪急は上品なイメージがあるのですね。
そういうのが分かるともっと作品の世界に
入り込めたんだろうなぁと思うとちょっと残念です。

投稿: ANDRE | 2011年1月13日 (木) 23時51分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「阪急電車」有川浩:

» 阪急電車 [悠雅的生活]
有川 浩 著 幻冬舎   [続きを読む]

受信: 2011年1月12日 (水) 16時46分

» 「阪急電車」/有川 浩 [京の昼寝〜♪]
「阪急電車」/有川 浩(幻冬舎刊)   その本のタイトルから親近感があって読みたかった本。 やっと読めました これは阪急今津線の西宮北口駅〜宝塚駅の8つの駅のわずか所要時間14分足らずのミニ路線。 この区間の8つの駅に繰り広げられる1往復16話からなる物語。     西宮北口駅門戸厄神甲東園仁川小林逆瀬川宝塚南口宝塚 著者の有川さんが実際大学時代に今津線沿線に下宿していたそうで、思い入れの強い路線なのだそうだ。 たまたま乗り合わせた電車の中で何組かの新し... [続きを読む]

受信: 2011年2月 2日 (水) 07時14分

» 有川浩「阪急電車」 [ご本といえばblog]
有川浩著 「阪急電車」を読む。 このフレーズにシビれた。 不定期に遭遇すると分かっているのは自分だけだと思っていた。 いつ。どこで。 自分が逆にロックオンされたきっかけは ... [続きを読む]

受信: 2011年9月 5日 (月) 07時33分

« HAPPY NEW YEAR 2011 | トップページ | 「ラスト・チャイルド」 ジョン・ハート »