映画「ヒアアフター」
hereafter アメリカ 2010 2011年2月公開 劇場鑑賞 |
割と公開後すぐに観たんですが、現在かなり更新が滞っているので2ヶ月以上遅れでようやく記事にできました。
この映画、冒頭の津波の場面がかなりインパクトがあったのですが、そのために震災後に上映休止となってしまいましたね。震災の津波ニュースを聞いたとき、この映画を鑑賞した多くの人があの冒頭のシーンを思い出しただろうし、そして、現実のほうがずっとずっと怖く、不条理であることを感じたのではないかと思います。
フランス人ジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は恋人と訪れた南の島で津波にのみこまれ、なんとか一命を取り留めたのだが、その際に臨死体験を経験し、帰国後、そのときに自分が目にした不思議な光景の謎を探ろうとし始める。
アメリカに暮らすジョージ(マット・デイモン)は霊能力を持ち、人の手に触れることで、その相手の身近な亡くなった人々と交信することができた。しかし、自らのその能力を嫌う彼は、霊能者として活動することを拒否し、普通の人生を歩もうとしていた。
英国に暮らす少年マーカスは事故で双子の兄ジェイソンを亡くしてしまい、再び兄と会いたい一心で霊能者たちを訪ねて回るようになる。
やがて英仏米に暮らす3人の物語が1つの結末に向けて収束しはじめる・・・
観終えて一番に思ったのは「あぁ、『奇跡のシンフォニー』だなぁ。」でした(笑)それぞれ独立に描かれていた男女と少年が運命に導かれるように1つのラストに向けて動きはじめるっていう大枠がほとんど同じでしたよね~。
とツッコミつつ、この物語で面白いのはそんな部分ではなくやはり死後の世界の描き方。ここで提示された死後の世界って皆が見守ってくれているんだよ、っていうだけで特に目新しくはないように思うのですが、人々の生活にもっと強く宗教が根付いている環境下では、こういう解釈は新鮮なんですかねぇ。
ただ、死後の世界という題材を通して、それぞれに充たされない思いを抱える登場人物たちが明日に向けて前向きに踏み出せるようになる過程が描かれたのは結構面白くて、いくらなんでもそこは強引なんじゃないかと思うラストも生の歓びが感じられたので嫌いではありません。
死後の世界としては、「パッセンジャーズ」の提示する世界観のほうが好きだったかなぁ。
3つのエピソード、それぞれが結構独立して面白かったんですけど、その中でもとりわけお気に入りは料理教室の場面。ああいう教室、ちょっと楽しそうですよね~。
この映画、特にキャストを気にせずに観に行ったのですが、マリーを演じているのはセシル・ドゥ・フランスではないですか!彼女、「モンテーニュ通りのカフェ」での笑顔がとってもキュートで大好きだったので、知らずに観はじめて彼女が登場したときはちょいテンションが上がってしまいました。今回はとびきりの笑顔が見られるような役どころではなかったけれど・・・。
で、映画としては面白くはあったんですが、ちょっと時間が長すぎるかなぁと思ってしまったのと、イーストウッド作品というよりかはスピルバーグ色のほうが強い感じがして、観る前に抱いていたイーストウッド監督の新作への期待感とはちょっと違う方向だったのも事実で、観終えた後、どうもすっきりしない気分だったことも付け加えて終わりにします。
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