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2011年4月23日 (土)

「Walk the Blue Field」 Claire Keegan

Walk the Blue Fields

walk the blue fields
(邦題:「青い野を歩く」)

Claire Keegan
(クレア・キーガン)

2007

昨年、雑誌「The New Yorker」に掲載されていた短編が読みやすくて面白かったので、良い評判を沢山聞いていたクレア・キーガンの短編集「青い野を歩く」(白水社エクス・リブリス)を原書で読んでみました。

自分が読んだ原書には、アイルランドを舞台にした短編が7つ収録されていたのですが、邦訳のほうには短編が8つ収録されているようなので、邦訳の方が1作品多く収録されているみたいです。調べてみたところ、「波打ち際で」という邦題のついた作品が自分が読んだ原書には収録されていませんでした。

アイルランドの田舎を舞台にした作品はどれも哀愁漂う素朴さに溢れていて、決して豊かで明るいとは言えない生活を送っている主人公達の背負う重い感情がアイルランドの自然と見事に溶け合うような短編集だったと思います。

アイルランドものはたまに単語やら人々の会話やらにゲール語やら土地の言葉が入ってきたりするので、原書だとちょっと大変なこともあるのですが、比較的読みやすかったです。

以下印象深かった作品にコメント。

・「The Parting Gift」

家を出てアメリカに行くことになった娘とその父、兄との物語。終始"You"で語りかける2人称小説というのも面白いのですが、これはなんといっても、この家族に隠された秘密に驚き、短編集の1作品目からかなりのインパクトがありました。ラストの無機質な描写も彼女の過ごしてきた田舎と空港という近代的な場所とのアンバランスな対比が感じられて面白かったです。

 

・「Walk the Blue Field」

神父と花嫁の間の秘密を、集まった人々の下世話な噂話などで引っぱりながら、床に真珠が散らばる場面の中に鮮烈に描きだす箇所が非常に上手い。その後、一転して大自然が広がり「青い野」が物語の余韻を深めていくところは非常に良かったです。

 

・「The Forester's Daughter」

森で働く男とその家族の物語。これはなんといっても、物語の途中で突如、犬視点が現れることに驚かされました。ちょっと「ギルバート・グレイプ」っぽい要素がちらほらしてますよね。実際、この作品集の中では一番長い作品なんだけど、もっと長編にしても良いのではないかというくらい物語が広がりそうな作品でした。

Keeganは最新作Fosterも原書を積読しているので、今年中には読んでみようかなと思ってます。

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