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2011年6月20日 (月)

舞台「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

ブロードウェイミュージカル

「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」

@青山劇場 6月1日 C列センターブロック

 

昨秋に観た「ファンタスティックス」が結構面白かったので、宮本亜門演出に興味を持って、他の作品も観たいなと思っていたところに公演のチラシをもらい、すぐにチケットを確保してしまいました。

ティム・バートン監督の映画(感想はコチラ)でもお馴染みの作品ですが、僕が初めてこの作品に触れたのは06年のトニー賞でのリバイバル版のパフォーマンスがとても面白くて、すぐにCDと舞台版のコンサートDVDを購入したのがきっかけ。その後、映画も劇場鑑賞したので、あとは舞台で生で触れるだけという状態での観劇でした。

ストーリーは・・・

船に乗ってロンドンにやってきた男スウィーニー・トッド(市村正親)、彼はかつて自分を妻と娘から引き離し、無実の罪で流刑にした判事ターピン(安崎求)への復讐を胸に、ラヴェット夫人(大竹しのぶ)の営むミートパイ屋の2階に理髪店を開業する。

航海中にトッドを助け、共にロンドンへと降り立った青年アンソニー(田代万里生)は、少女ジョアンナ(ソニン)が窓辺にいるのを見かけ、彼女に恋をしてしまう。このジョアンナはトッドの娘であり、今はタービン判事の養女として彼の屋敷に幽閉されていたのであった。

やがて、トッドとラヴェット夫人の秘密の企みにより、夫人のパイ屋は大繁盛し始めるが、トッドは判事への復讐の機会をうかがっていた・・・。

鑑賞前は結構不安もあったんですが、結果的にはかなりの大満足。非常に面白かったです。

なんといっても市村正親&大竹しのぶ。期待を裏切らないどころか、それを上回る怪演で、この2人が舞台をグイグイとリードしていって完全に釘付けになってしまいました。

演出は全体的に映画版に近い世界観でした。衣装の感じとか、店などの大道具の感じも映画を観た人でも全く違和感なかったのではないでしょうか。目新しさや奇抜さのないオーソドックスな作りだったと思います。

一番心配された歌詞の和訳は、言葉遊びも非常にうまく生かされた訳になっていて、満足度はかなり高し。旬な時事ネタも織り込まれていてしっかりと笑いも取れていたし。ただ、日本語ミュージカルって、途中で無理やり英語をねじ込むのがどうも不自然というのはこの作品でも同じ。たとえば、テーマ曲の部分でも「フリートストリート」っていう歌詞が、日本語の言い方だと音符に入りきらないから、その部分だけ英語っぽく発音して歌ってるんだけど、そのせいで歌詞が聞き取りづらくなって、元の英語詞を知らない人にはきっと何を言ってるのやらさっぱり分からない方も多かったのではないでしょうか。

以下、こまごまとした感想。

ストーリー関連の感想は今さらという感じもあるので、今回はパス。

<演出の話>

宮本亜門氏、今回見ていて思ったのですが、センチメンタルになりすぎるのを好まないのか、もっともっとドラマチックに描けそうな部分がかなりあっさりと演出している場面が多かったように思います。そのせいで緩急があまりなくて、全体に一気に駆け抜けるような舞台になっていたような印象を受けました。

個人的にはもうちょっと泣かせどころでは泣かせてくれても良いと思うんですけどね。恋愛関連の場面が特にあっさり目でしたよね~。

舞台で面白かったのは、店が360度しっかりと作られていて、舞台上でぐるぐると回して、店の裏側やら側面やらを見せてくれたこと。見ていて楽しかったです。

<音楽の話>

このミュージカル、複数のキャラが同時進行で歌う場面が結構多いんですけど、そのときに、同じ歌詞に違う意味を持たせてシンクロさせたりするのが非常に巧くて、聴きごたえのある曲が多いのです。映画版はこういうのを結構がっつりとカットしていたので物足りなかったのですが、実際に舞台で見ると、曲の良さはCDで聴くのよりもずっと際立ちますね~。 

あと、ブラックな場面な時に音楽が甘く美しかったりするのが結構ゾクゾクさせます。Pretty Womanとか。

色々な職業の人をパイにする歌が風刺たっぷりでもともと結構好きだったんですが、この曲の日本語訳、とーーっても良かったです。たっぷりと楽しませていただきました!

<キャストの話>

市村さん&大竹さんの素晴らしさは既に書いたとおり。市村氏を生で観るのは「ミス・サイゴン」以来ですが、そのときよりも今回の時の方がオーラがいっぱいに感じられて、かなりの迫力に圧倒されてしまいました。

大竹しのぶは、テレビのバラエティなどに出てる人物と同じとはとても思えない声と動きに彼女の女優魂を感じました。噂には聞いていたけれど本当に上手い。

意外と良かったのがソニン。ちゃんとボイトレをしたのが良くわかるソプラノボイスでした(ちょいビブラートきつめだったけど)。自分の中では不運なアイドルというイメージがとても強かったので、こうして地道に努力を重ねて新たな道を開拓している姿は純粋に応援したくなります。

武田真治は無邪気な青年はとてもよく合ってたけど、やっぱり歌がちょい物足りない。映画見た時も思ったけど、映画でトビーを子供にしたのはバートン監督お見事!と改めて感じてしまったのでした。「Not While I'm around」は名曲なんだけど、今回はあまり心に響かなかった・・・。

どうでも良いことだけど、乞食女を演じた、木村緑子さん、パンフのプロフィールの代表作品のとこに「ちりとてちん」がなくてかなり残念。

そんなわけで一度生で鑑賞したかった作品を見ることができてとても楽しい夜でした~。

影絵をモチーフにしているパンフもかなり良い感じだったし。

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