映画「ヘヴン」
Heaven ドイツ・英・米・仏 2002 2003年3月公開 TV録画鑑賞 |
ケイト・ブランシェットが好きなどと言いながら割と代表作となっているものをちょいちょい見逃しているのですが、これもそんな1本。丁度テレビで放送されていたので、録画して視聴。
ポーランドンのキェシロフスキ監督の遺志をついでドイツのトム・ティクヴァ監督が完成させた1本とのことで、キェシロフスキがもともと構想していた「天国」「地獄」「煉獄」の3部作のうちの「天国」にあたる作品。
舞台はイタリアのトリノ。英語教師フィリッパ(ケイト・ブランシェット)は夫の復讐のため大企業の社長のオフィスに爆弾を仕掛けるが、偶然が重なり全く関係のない父娘と掃除婦が爆発に巻き込まれて亡くなってしまう。
逮捕されたフィリッパは尋問を受けることになり、書記をしていた若い憲兵のフィリッポ(ジョヴァンニ・リビシ)が英語話者である彼女の通訳をすることになる。やがてフィリッポはフィリッパに恋心を抱くようになり・・・
とーっても美しい作品でした!
なんかもっとシリアスで重い映画なのかと思っていたんだけど、予想をはるかに超える純愛作品だったのでかなり驚いてしまいました。てか、観ながらこんなにドキドキする映画も久々です。
ストーリーもシンプルだし、台詞も簡潔で、映像でしっかりと語ってくれる映画でしたね~。とりわけ影(明暗)の使い方が巧くて、後半のトスカーナ地方の風景がまたあまりに美しく、うっとりと見入ってしまいました。
ケイト・ブランシェットは本当に巧い女優さんで、この作品はフィリッポが彼女に一目ぼれしてしまうことに説得力がないと全く成立しなくなってしまうんですが、本当に何でもないような場面でしっかりとそれを感じさせてくれたのがとっても良かったです。
ま、フィリッパのほうは夫がどうのとか言ってたはずなのに・・・とか思わないでもないですが(笑)
ラストもとても印象に残る幕の閉じ方をするのだけれど、あの昇り方はそのままヘヴンに行ってしまうコースなんだろうなぁ。ま、なんだかんだいって犯罪者ってのは事実だから、ハッピーエンドにするわけにもいかないだろうしね。
この映画かなり好きです。
もともと構想されていた3部作の「地獄」にあたる「美しき運命の傷痕」もTV放送していたのを録画済みなので、そちらも是非観てみたいと思います(監督違うから多分違う雰囲気なんだろうけど。)。
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コメント
ごめんなさい。
間違えて2回、TBしてしまいました!
1つ削除して頂ければ。(ほんと、すみません!)
この映画は私も大好きです。
とにかく「美しい作品」の一言に尽きますよね。
音楽に喩えると、シガー・ロスかKyteのサウンドみたいな雰囲気で。
「美しき運命の傷痕」の方は、わたし的には・・・うーん、イマヒトツ、刺さりませんでした。
エマニュエル・ベアールやマリー・ジランなど、好きな女優が出ていたので期待したのですが、ちょっと「女の業」のようなものを、まざまざと見せつけられるストーリーで、スーパードライな性格の自分とは合わなかったみたいです。
投稿: RAY | 2011年7月14日 (木) 22時50分
>RAYさん
コメントどうもありがとうございます。
TB、削除しておきました~。
大した手間ではありませんので
全くお気になさらないでください。
シガーロス、合いそうですね~。
もっとサスペンス色が強い内容だと思っていたので、
この詩的な美しさにはすっかりやられてしまいました。
「美しき運命の傷痕」はやっぱりちょっと雰囲気が違うんですね。
気軽に観るという感じではなさそうなので、
少し先になるかもしれませんが、
また鑑賞したら感想を書こうと思います。
投稿: ANDRE | 2011年7月18日 (月) 00時11分