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2011年7月24日 (日)

「風に桜の舞う道で」 竹内真

風に桜の舞う道で (新潮文庫)

風に桜の舞う道で

竹内真

新潮文庫 2007. 9.
(original 2001)

昨年の春に、桜を題材にした作品を読みたいなと思い買っていたものの、気づけば桜の時期が終わってしまっていて、そのまま1年間積読になっていた1冊。今年4月の桜の舞う頃に読んでみました。(注:現在3ヶ月半遅れレビュー中です)

90年の春、大学受験に失敗した主人公の僕は予備校の寮に入り、そこで1年間、10人の仲間達と受験勉強に励みながら青春を謳歌することになる。

そして、それから10年後の2000年の春、当時の仲間の1人が亡くなったという噂を耳にした僕は寮を出て以来すっかり交流が途絶えていたかつての仲間たちを訪ねながら噂の真相を確かめようとするのだが・・・

この作品を2011年の4月に読み終えることができたのはとてもラッキーでした。

作中で描かれる最後の章が91年の4月と01年の4月。そこから丁度10年後の4月にこの物語を読んでいた自分は、読み終えてから、この物語の最後からさらに10年後の今、主人公たちが一体どのように生活しているのだろうかと自然と思いを馳せてしまっていました。

そして、この作品最大の魅力は、2011年の彼らをしっかりと想像させてくれるのに十分すぎるくらいに1人1人のキャラクターがしっかりと描かれていたこと。読んでるうちに自分もすっかり彼らの仲間になったような気分で、すっかり友達気分でした。

幸か不幸か浪人時代の経験はないものの、自分が今ちょうど30歳で、高校時代の友人なんかと10数年ぶりに再会するようなこともたまにあるんですけど、そういうときに、空白の期間で変わってしまったこともあるけれど、会うと当時のテンションが甦ってくる感じもしばしば経験しているので、この作品の10年の時を行ったり来たりする書き方が、そういうリアルな感覚を小説内でうまく再現していたのも良かったです。

エピソード自体に特に斬新さがあったりするわけでもないんだけど、作品全体を貫く雰囲気がとても良い。

ちょっとミステリー調に展開する現代パートと、青春まっしぐらの過去パートのバランスもとても良くて、素直に面白い作品に出会えたなと思える1冊だったと思います。

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