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2011年8月16日 (火)

「少年の日の思い出 ヘッセ青春小説集」

少年の日の思い出 ヘッセ青春小説集

少年の日の思い出
ヘッセ青春小説集

ヘルマン・ヘッセ
(Hermann Hesse)

草思社 2010. 12.

国語の教科書に載っていた作品の中に何年経っても忘れることのできない強烈なインパクトのあるものがいくつかありますが、この表題作もまさにそんな一編。

この短編集は副題の通りに青春小説を集めているんですが、表題作だけがちょい浮いてますよね・・・。良い作品ではあるんだけど。

以下収録されてる各作品にコメントを。

・「少年の日の思い出」

エーミールの不気味な怖さは思い出補正されたものだと思っていたけど、改めて読んでもやっぱり怖かったです。本当に短い作品だけど、与える余韻が半端なく短編としてのクオリティの高さが半端ないっす。

 

 

・「ラテン語学生」

ラストの主人公の決意が清々しい一編。

初恋物語として、失恋で終わらせるだけではなくて、彼がそこから新たな決意を持つところまでしっかりと描かれたのが良かったです。

 

・「大旋風」

大旋風によって破壊された街が彼の青春時代の終わりを告げるという書き方があまりにもドラマチックに盛り上げすぎだろうと感じなくもない。一つ一つの表現が美しいという見方もできるんだろうけど、自分には面映すぎて、読みながらどうもモゾモゾとしてしまって良くなかったです。

 

・「美しきかな青春」

輝ける青春時代とその終了を描く作品ですが、もうタイトルからして上述のモゾモゾが止まらない。陶酔しすぎでは・・・とか冷めた気持ちになってしまう自分はひねくれものなのか!?でもこの作風だったら、ヘッセにはまる人がいるのも納得です。

物語も語りも確かに美しいし、面白いんだけどね。

この作品のラストも情景描写の美しさが本当に素晴らしくて、主人公の旅立ちが、夕焼けそして、花火と、これでもかってくらいに盛り上がりを見せて描かれるんだけど、自分は途中で冷めた視点になってしまって、「なんだかなぁ」とか思って読んでしまったのでした。

ヘッセは高校時代に友人から何の前触れもなく突然「君はこの本を読むべきだ」と『デミアン』を差し出され、その勢いに委縮してしまい思わず断ってしまって以来、妙な苦手意識が芽生えてしまい、これまでも数冊読んだだけ(『デミアン』は未だ読んでおらず)なのですが、せっかくの機会なので、近いうちにまた何か読もうかなぁ。

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コメント

教科書で少年の日の思い出を読んでからヘルマン・ヘッセに興味をもっています。
少年の日の思い出は、ヘッセの表現の仕方が独特で、面白い作品だなと思いました。
つい先日、「車輪の下」を読んだばかりです。酷な話でしたが、主人公の気持ちが分かるような気もしました。読んで損はかったです。ヘッセの人生の経験からの話でしたから。
この小説集も読んでみたいなと思いました。
参考になりました。ありがとうございました。

投稿: サブまる | 2011年8月16日 (火) 18時44分

>サブまるさん

コメントどうもありがとうございます。

「少年の日の思い出」は教科書の中でも特に印象深い作品のひとつなので、久々に読むことができてとても懐かしいと共に、当時感じた衝撃を今なお感じることができる作品の面白さにすっかりやられてしまいました。

この小説集、収録されている作品はどれも面白いので是非手に取ってみてください。オススメです!

投稿: ANDRE | 2011年8月16日 (火) 23時55分

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