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2011年11月 3日 (木)

「おっぱいとトラクター」 マリーナ・レヴィツカ

おっぱいとトラクター (集英社文庫)

おっぱいとトラクター
(A short history of tractors in Ukrainian)

マリーナ・レヴィツカ
(Marina Lewycka)

集英社文庫 2010.8

(original 2005)

キャッチーすぎるタイトルにひいていたのですが、いざ読んでみると結構骨太で非常に興味深い内容に溢れた作品でした。

大学講師のナージャは84歳の父から突如50歳近く年下のバツイチ子連れの巨乳美女ヴァレンチナと再婚すると告げられる。相手の目的は金に違いないと、犬猿の仲の姉と相談し、なんとか2人の仲を引き裂こうとするのだが・・・。

英国を舞台にしたウクライナ移民の一家のドタバタ劇が繰り広げられる。

まず何と言ってもウクライナというこれまで全く触れたことのない国の人々が描かれるのがとても面白かったです。

個性の強いキャラクター達によるテンポの良いドタバタ劇の中で、一家の歴史に合わせて戦後のウクライナの歴史が語られていく構成もとても巧い。

 

これ、原題が「ウクライナ語版トラクター小史」という堅いタイトルで、ドタバタ家族劇とのギャップが結構あるんですが、これは作中で主人公の父が書いている本のタイトルで、作中にその抜粋がちょいちょい挿入されるという形式になっています。ウクライナのこともトラクターのこともほとんど知らないのでこの部分も純粋に興味深かったです。

英国が舞台で、移民たちの生活が描かれる社会性の強さもあって、コミカルなストーリーとは裏腹にしっかりと読み応えのある作品でした。

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