映画「4月の涙」
kasky フィンランド 2008 2011年5月公開 劇場鑑賞 |
夏にフィンランドに行く予定があったのでフィンランド映画は見逃せまいと見に行った作品。(鑑賞は5月です。)
1918年のフィンランド内戦、左派の女性兵士たちが右派の兵士たちに追い詰められ、仲間たちが次々と殺されていく中、リーダーのミーナは捕えられ、准士官のアーロと共に裁判所に行くことになる。
その道中、乗っていた船が転覆し無人島に流された二人はそこで過ごすうちに互いにひかれるようになる。その後、裁判所に到着すると判事のエーミルによりミーナは拘束されてしまう。自らの素性を正直に告白しないミーナにアーロはすべてを話せば無罪になると説得しようとするが・・・。
北欧の寒々しい風景とこの映画の重さが見事にマッチしていてとても見応えのある作品でした。
なんといっても終盤明らかになる事実がこの映画の最大の見どころなのですが、あまりに衝撃的すぎて、まさかそのような方向に物語が進むとは思っていなかったので、観ながら「えーーーー!!!!!」と声を上げそうになってしまいました。
とにかく判事が曲者で、何を考えているのかがよく分からなかったのですが、そう思って見てみると、なるほど、確かに最初からすべての行動に納得がいくというか。
シューベルトの歌曲でおなじみのゲーテの魔王が作品のキーとなっていますが、この詩の登場人物である、父、子、魔王がそれぞれこの映画の主要登場人物たちに対応しているのは察しがついたものの、まさかそういう役割分担だったとは・・・。完全に予想外の方向だったものの、「魔王」とのリンクもあまりに見事すぎて映画の完成度は非常に高いです。
気軽にみられる映画ではないですが、ずしりと心に残る佳作だと思います。
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