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2012年1月24日 (火)

「ブラック・ジャック・キッド」久保寺健彦

ブラック・ジャック・キッド (新潮文庫)  

ブラック・ジャック・キッド

久保寺健彦

新潮文庫 2011. 5.
(original 2007)

手塚治虫の「ブラック・ジャック」を題材にとって日本ファンタジーノベル大賞で優秀賞を受賞した作品ということでちょっと気になって読んでみました。

主人公の織田和也は手塚治虫のブラック・ジャックを愛しすぎるあまり、自分自身がBJになろうと、服装や髪形を真似、メス投げの練習に励み、患者となるものを求めて近所を彷徨っていた。

そんなとき両親が離婚し、転校することになった彼は、変わり者としてクラスからイジメを受けるようになり・・・。

うーん、「ファンタジーノベル大賞」ってファンタジーの定義が謎な作品が結構ありますが、これもファンタジー的な要素がゼロではないけれど、少なくとも自分はファンタジーとは感じられなかったかなぁ。この作品は現実の厳しさを結構正面からとらえてその中での少年の成長を描いていると思うし。

1人の少年の成長物語としては結構面白いのだけれど、いくつかのエピソードがどれも雰囲気が異なることもあって、細切れな印象が強くて、長編を読んでいるというよりかは、「母と子の物語」、「転校生と不思議な少女の物語」、「新しい友人と学芸会」、「クリスマス」と連作短編のように感じられてしまったのがちょっと残念。

好きなエピソードは図書館で新たな仲間を見つけて、そこから学芸会の劇につながっていく中盤あたりかなぁ。割と重めの空気が続く中でホンワカとした雰囲気だったし。

ブラック・ジャックは自分も子供のころからの愛読書なので、作中に登場するBJネタにいちいち反応してしまい、「そうそう」とか思いながら読めたのは面白かったのだけれど、これってBJをあまり知らなかった場合、何だかよくわからないような印象を与えかねなくて、そういう意味では読み手を選ぶ作品なのかもしれません。

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